市立の図書館を利用する事が多い。借りていた図書の返却時期があっという間に迫ってくる。館員の方から連絡をいただき、慌てて返却に行く次第である。
誰もがそうであるかと思うのだが、図書館に行った時には無意識に自分の関心分野がある書架に足が向いている。専門家でも理工系の出身でもないのに、何故か私の場合は航空機関連が多い。
数冊の図書を返却した後に借りたのは、またまた航空機関連の図書。その内の一冊が「YS−11 世界を翔けた日本の翼」。
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日本が戦後初めて開発したターボプロップ旅客機YS-11。
日本の空から姿を消してしまった。写真を見ているとあの懐かしいダート・サウンドが何処からともなく響いてくる。
時代の流れの中で、退役せざるを得なくなったものの、まだまだ活躍できるのに、と思ってしまう。テクノロジーの進化は驚くほど速い。あらゆる世界がデジタル化されつつある。
その最たるものが航空機であろう。アナログ時代の古いYS-11(とは言っても飛行機は高度なテクノロジーとメカニズムの集合体である)に郷愁を覚えるのは私1人のみだろうか。
YS-11が開発され、初飛行したのは、日本が戦後の惨禍から立ち直り、高度成長期を迎えようとする時代であった。当時の多くの日本人はYS-11に自己を投影し、希望と勇気を貰ったことだと思う。あの甲高いロールスロイス製のダートエンジン音は、忘れ難い響きとして人々の心の中に刻み込まれている筈である。
その様な想いで「YS-11 世界を翔けた日本の翼」を読み終えた。著者は航空評論家・科学ジャーナリストの中村浩美氏。YS-11に関する図書は数多く出版されているが、この書物が読み易い。
青春時代の私を飛行機の世界に誘い、ワクワクさせてくれ、そして勇気と感動を与えてくれたYS-11。海外の空で未だ元気に活躍していると聞く。
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