2008年04月18日
丸木スマさん
丸木スマさんは、70歳を過ぎてから嫁である丸木俊のすすめで絵を描き始めました。
長く家業の船宿や野良仕事をしながら子どもを育ててきたスマさんは、以来、
1956年に81歳で亡くなるまでに700点を超える厖大な数の絵を描きました。
「そんなに描いたら疲れるでしょう」と俊がいうと、
「畑の草取りにくらべたら遊んでいるようなものだ」と答えたそうです。
スマさんの描く動物たちはユーモラスで豊かな表情やしぐさを持っています。
花を描くといつも画面から溢れんばかりの生命力が満ちています。
たとえそれが花瓶に挿された切り花であっても。
それはまるで、スマさんそのものが投影されているかのよう。
明るくて優しい、見るものを幸せにしてくれる絵です。
丸木スマさんは美術大学を出たわけでもなく、
画家を目指していたわけでもありません。絵筆を握ったのは、
なんと七十四歳になってからでした。
花や動物など、心なごむ絵を描かれていました。本人は、全く画家になる
ことなど考えてもいなかったでしょう。それが大好きな絵を描き続けることによって、
あれよあれよと言う間に上手になって行ったのです。そして、高い評価を得るように
なったのです。
好きな事を続ける・・・。大切な事です。
■丸木スマさん略歴■
1875年に広島県生まれ。丸木位里は息子、大道あやは娘。
1945年に原爆を体験。翌年、夫を失う。
その後、長男の位里夫妻にすすめられて絵筆をとり、
81歳で亡くなるまでの数年間に700点以上の作品を残した。
天衣無縫で奔放な作風は画壇に認められ、1951年には初めて日本美術院店に入選、
53年には院友に推挙された。
創造性ということばを聞くと、どうしても若者をイメージしてしまいます。
創造性は若者の特権であって、それは年配者に関係がないものだと思われがちです。
しかし、実際には、丸木スマさんのように年を重ねても創造的であり続けた人は
世界に沢山います。
丸木スマさんの生き方は私たちに勇気と希望を与えてくれます。
絵を描くことは楽しいです。素晴らしい事です。
創造性を育み、豊かな心で生きてゆきたいものです。
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