久しぶりの株式本書評で長いタイトルですが、石川臨太郎氏の遺作です。
石川氏の投資本は,私も何度か読み参考にしていました。そして最近又新刊
を出したという事で楽しみにしていましたが、よもやそれが彼の遺作になっ
ているとは思いもしませんでした。まだ60代という若さで、末期のガンだっ
たそうです。
彼の投資手法は典型的な中長期バリュー投資で、私も基本的には同じで、彼
のスタイルは大変参考になりました。彼も本書の中で書いていますが、自分
の手法を決めるに際して、時間軸に関してはデイトレから長期投資までいろ
いろあるが、自分で実際にやってみてしっくりするものを選ぶという意見に
、異論はありません。
本書は以下の3部から構成されています。
@ 資産を作るための株式投資
A 資産を残すための株式投資
B これからの世代に書き残しておきたいこと
@Aについては真っ当なバリュー投資とそれによって得た資産の活用法で、
多くの人に参考になると思いますので、ぜひ読んで勉強して下さい。
私がこの本で特に紹介したい部分は第3部の第2章「株式投資は簡単ではな
いけれどすばらしい。たくさんの宝物を与えてくれる」です。この宝物は
全部で11節からなっていますが、どの1節を取っても珠玉の名言で、ある程
度の投資経験者ならうなずく事ばかりです。
株式投資により資産を増やす事ができた。己を知ることができた。悪しきプ
ライドを捨てることができた。リスクの管理ができるようになった。感情の
コントロールが身についた。コントロールできないものがある事を知った。
ストレスとの付き合い方が身についた。敗北とは何かを知った。失敗と成功
について学べた。克己心を高めることができた。最後の株式投資は人生より
もやさしいと知ったについては、私は未だその境地にはなっていませんが、
究極のレベルになるとそう感じるのかも知れません。いずれにしても石川氏
にとって、株式投資は人生そのものであったという事だと思います。
何の道でもそうですが、1つの事を突き詰めていくと人生そのものにぶち当
たるのかも知れません。そういう意味でもこの本は、単なる投資本という捉
え方ではなく、人生の指南書として読むへきかも知れません。彼もまだまだ
やりたい事は山ほどあったでしょう。そういう残り少ない時間の中でこの本
を上梓した、そのどうしても伝えたかった気持ちを汲み取りたいと思います。
それでは又。
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