今回の書評は経済や株の話とは、全く関係がありません。政治には関係が
あります。食事というか酒のつまみには、めちゃくちゃ関係があります。
福澤徹三氏のシリーズものです。全部読むつもりでいますが、今のところ
何故か第4巻しか読んでいません。でも本当に面白いです。泣かされます。
今回の主人公は議員秘書の藤堂旬一郎君です。多分毎回新しい設定で、主
人公は変わるものと思われます。この本の面白い所はとにかく人名や会社
名や政党名など全てが食べ物や料理関係の名前になっているところです。
私もこの本を読むまでは、議員秘書の仕事の詳細など漠然としか知りませ
んでしたが、本当に大変な仕事なんですね。最近も実際に豊田議員のハゲ
ー騒動がありましたが、とても私のような気短でふてぶてしい人間には、
到底務まらない仕事である事がよーーーく判りました。
物語はその旬一郎君が麹町の議員会館近くの鄙びた居酒屋「チドリヤ酒店」
に出入りする事から始まります。チドリヤ酒店はもともと酒屋で立ち飲みだ
けの居酒屋ですから、飲み物とつまみは乾きものか缶詰くらいしかありませ
ん。ほとんどが常連さん相手で、ほそぽそと営業している状態です。
旬一郎君のお目当ては冷えたビールもありますが、実はそのチドリヤ酒店を
経営している小梅ちゃんに会いたいからでした。何度も何度も食事やデート
に誘いますが、いつもはぐらかされて色好い返事が貰えません。
そんなある晩いつものようにチドリヤ酒店に行くと、今まで見た事も無いよ
うな人相の悪い二人の男が、厨房に入っていました。小梅によればこの二人
は居酒屋チェーンの社員で、チェーンの立ち飲み酒場展開の勉強で手伝いに
来ているとの事。相当怪しく見えるが料理の腕は抜群で、しかも立ち飲み屋
にあるような食材でけっこうなつまみを作るので驚き。旬一郎君もその美味
さと手際の良さに、スプズブと嵌っていくのでした。
ここからこの怪しい二人、柳刃と火野の料理レシピがオンパレードとなる訳
ですが、とにかく缶詰や冷凍物などの食材で、これでもかという美味しいつ
まみが出て来るので酒飲みには堪りません。私も早速さば味噌煮のカレー煮
をやってみましたが、本当にこれはいけます。
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ここから先は旬一郎君の仕える肝付先生の政争やら、大好きな小梅ちゃんの
思いも寄らぬ境遇等波乱万丈の物語で、最後は柳刃と火野の正体も解き明か
されるという結末。最後までお酒を飲み美味しいつまみを食べた気分で、急
転直下のストーリーを堪能できるという、贅沢な小説です。それでは又。
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