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2020年05月30日

WindowsPCをLinuxとのマルチブートPCにする話(インストール 前半編)

WindowsPCをLinuxとのマルチブートPCにする話の続きです。
今回Linuxを実際にWindowsPCにインストールする時の流れについて説明しようと思います。

なお、WindowsPCは前回までの手順で準備が整った状態まで来ていることが前提です。

まず、PCを外付けストレージから起動できるようにBIOSの設定を変更します。
今回は例として、ネットブックのBIOS画面を見てみようと思います。

BIOS画面を立ち上げ、Bootメニューを表示すると、起動する優先順位を選択する画面が出てきます。
その画面上で、USBドライブや光学ドライブが内蔵のHDDドライブよりも高い順位に設定されていることを確認しておきます。
もし優先順位が低い場合はこの設定画面を操作して、優先順位を組み替えておく必要があります。
IMG_1088.JPG

起動順位を変更したら、設定を保存してBIOS画面を終了させます。
IMG_1089.JPG

そして、外付けドライブにインストールディスクを入れるか、USBポートにメディア化したUSBメモリーを差し込み。PCの電源を入れます。
すると、HDDからWindowsが起動する前に、DVDドライブもしくはUSBメモリーが作動し、そこからLinuxのインストールプログラムが起動します。
IMG_1090.JPG
初期メニューが出てくると、Linuxをインストールする方を選択しエンターキーを押します。
すると、インストールプログラムが動き出します。
最初はテキストベースのブルー画面でドライバー類のロードが始まり・・・
IMG_1091.JPG
GUIモードに切り替わります。
IMG_1092.JPG
GUIモードの画面が起動してくると、インストールプログラムはマウスでの操作が可能です。
ここでは初期画面が出てくるので、次へのボタンをクリックします。
IMG_1093.JPG

すると、画面が切り替わり、使用する言語の選択画面が表示されます。
ここは日本語を選択しておきます。(日本人なので・・・)
IMG_1094.JPG

次に、使用するキーボードレイアウトについての選択画面が出てきます。
ここも日本語を選択しておきます(日本人なので・・・)
IMG_1095.JPG
ここのキーボード配列については、日本語にしておかないとシフトを押した時にキーボードの表示通りの記号が入力できないという問題が出ますので、日本語キーボードを使う場合は日本語の選択をしておいた方が無難です。

次は、Linuxを新規にインストールするかアップグレードで入れるかを聞いてきます。
今回はVineLinux6.5のインストールですが、もし6.3等の旧バージョンからのアップグレードであれば下を選択しますが、今回は新規に入れるので上のインストールを選択します。
IMG_1096.JPG

次は、インストールの構成について設定する画面になります。
全てを選択すると、このインストールメディアに入っているLinuxの全要素がインストールされます。
全部だと、サーバープログラムや各種プログラミング言語の開発環境がフルセットでインストールされてしまい、ディスク領域を圧迫します。
普段使いであればデスクトップの構成でOKではないかと思います。
IMG_1097.JPG

次に、Linuxをインストールする領域の設定画面が出てきます。
IMG_1098.JPG
既存のOSを消去して完全なLinuxPCにする場合は自動設定を選びます。
領域を指定し、デュアルブートにしたい場合は下のDiskDruidを使用して手動パーティション設定を選択し、次へをクリックします。
今回はデュアルブートにするので、下側の項目を選択します。
すると、パーティションを編集するユーティリティーが起動しますので、空き領域を選択し、新規ボタンをクリックし、まずはLinuxのファイルシステムとして使用する領域を作成します。
IMG_1099.JPG
新規ボタンをクリックすると、作成する領域の設定を入力する画面が出てきます。
マウントポイントについては、新規に割り当てる領域をLinuxのシステム上のどのファイル階層に割り当てるか?という設定となります。
Linuxのファイルシステムの構造はWindowsとは異なり、ドライブという概念がありません。
すべてはルートディレクトリーからの1本のツリー構造で構成されています。
なので、ドライブの分岐についてもそのツリー構造の一部に含まれるという考え方です。
そのファイルシステムの大元となるのがルートディレクトリーをここで指定します。
ルートディレクトリーの記号は"/"(スラッシュ)です。
LinuxPCを複数のユーザーで使用する事を想定したファイルサーバーやwebサーバー、メールサーバー等のサーバー用途として構築したりする場合は、ディレクトリーごとにパーティションを別々に割り当てることで、システム領域とユーザー領域を分けて管理することも可能です。
この事により、特定のユーザーが自分の領域に大量のファイルをため込んだりしても、そのことにより圧迫されるのはユーザー領域のみとなり、OSの動作に必要なシステム領域についてはその影響を受けず、容量不足でシステムクラッシュという事態を避ける事が可能です。
Linuxでサーバーを構築する場合は一般的に
"/":ルート(大元)
"/usr":ユーザー(ユーザーが個別にインストールしたソフトウェア等が入る部分)
"/home":ホームディレクトリー(各ユーザーが作業データ等を保存する部分)
"/var":システム上発生する各種ログファイルを保存する部分
あたりのパーティションを別個に確保することが多いです。
容量については想定するシステムの規模によって変化していきますが、大規模なユーザーを抱えるシステムになればなるほど、/homeや/varの領域は大きくなっていきます。場合によっては大容量の外付けストレージ上にこれらの領域を確保してマウントする場合もあります。
とはいえ、ここでは個人のデスクトップ用途なので、指定するマウントポイントはルート"/"のみでOKだと思います。
その下段のファイルシステムのフォーマットについては、デフォルトのext4形式としています。
なお、ext系のファイルシステムはWindows上からは読めませんので、注意が必要です。
一般的にLinux上でのファイルシステムはext3とか4にしておいた方がパフォーマンスは向上しますが、
ここ最近のLinuxはNTFSにも対応していますので、そちらを選んでも特に支障はないかなと思います。
IMG_1100.JPG
次に確保するディスク容量を指定します。
ここでは個人用途で特に大容量のデータを扱うつもりが無いので、16GBとしておきました。
Linuxのシステム一式を入れると大体6〜8GBくらいになりますので、必要最低限の余裕を見てこの程度にしています。
もちろんメインでバリバリ使う場合は思い切って大容量を割り当ててもOKかと思います。
IMG_1101.JPG
容量を入力し、OKボタンを押すと、画面上に/を割り当てた16GBのパーティションが出現します。
IMG_1102.JPG

次にスワップ領域を確保します。
スワップ領域というのは、大容量のデータを扱ったとき、メモリーへのデータ常駐量が物理的な搭載容量を超えてしまったとき、メモリー上のデータを一時的にストレージ上にデータを逃がし(スワップし)、物理メモリー上に作業用の領域を確保するための領域です。
もちろんWindows上にもその機能はありますが、Windowsではシステム領域の空きディスク容量を使用してスワップファイルを作成します。Liunux(UNIX)ではシステムの安定性を意識して設計されていますので、この領域も明確にパーティションで別管理しています。
手順としては同じように空き領域を選択し、新規ボタンをクリックし、パーティション作成画面を開きます。
ここではマウントポイントを指定せず、ファイルシステムタイプを"swap"に設定します。
IMG_1103.JPG

次にスワップ領域の容量の設定を行います。
スワップ領域の容量については、一般的に物理メモリー搭載量の整数倍と言われていました。
自動で割り当てると大体2倍くらいの容量が割り当てられます。
ここではネットブックのメモリー搭載量が2GBだったので、4GBで確保しておきました。
IMG_1104.JPG

これで一応のパーティション設定が完了となります。
次へボタンをクリックし、次のステップに進みます。
IMG_1105.JPG


とりあえず前半編はこの辺としておきます。
後半編はマルチブートの設定からシステム起動までとなりますが、追ってアップしようと思います。

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