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2019年10月09日

イブラヒムの愛読書だったイタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリの著書「神曲」について【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム】


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オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレムでは

ドラマ作中で主要登場人物の皇帝スレイマンや
皇帝妃ヒュッレムたちが事あるごとに手紙などで
ポエム(詩)をしたためています。

特にイブラヒムはパルガの漁師の息子であるという
自分の出生や皇女ハティジェへの恋心を
頻繁にポエムとしてラブレターを
書いてみたりしていました。

あまりにも脈絡なく唐突に始まる
ポエミーな自分語りにポエム慣れしていない
日本人視聴者の多くは当初、茫然とし

やがて「まぁ、こういう文化と時代だったんだろう」と
受け入れていったかと思うのですが
特にイブラヒムがポエマーとして
影響を受けたであろう書物が

ドラマ、オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム
作中でもイブラヒムの愛読書として頻繁に登場している
イタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリの著書「神曲」ですね。

史実の大宰相パルガル・イブラヒム・パシャ

実在した史実の大宰相イブラヒムが
ダンテ・アリギエーリの著書「神曲」を
熱心に愛読していたかどうかまでは
実際のところは分かりませんが

「神曲」はイタリア文学最大の古典とされていて
地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部作で構成されている大作です。

また地獄篇と煉獄篇が執筆されていた1319年には
すでにヨーロッパで多くの人々に読まれ
中には熱狂的に支持する人もいたということですから

著者のダンテ・アリギエーリが
1321年9月14日に56歳で死去していて
パルガル・イブラヒム・パシャが
1493年に生まれていることを考えれば

ヨーロッパ諸国と頻繁に物資の貿易があった
オスマントルコ在住の人々やイブラヒムが
「神曲」に目を通していたとしても
歴史的に不思議はないんですよね。

歴史的な考察からも矛盾がない愛読書「神学」の設定

特にイブラヒムは幼少期に海賊に誘拐され
奴隷としてオスマントルコに売り飛ばされてから
皇帝スレイマンの寵臣となるまでに
多くの書物に目を通していたのは間違いないです。

さらに史実のパルガル・イブラヒム・パシャ本人は
キリスト教圏であるヴェネツィア共和国領である
ギリシャ北部エピルスのパルガ出身ながら

奴隷としてオスマン帝国に仕えることになってから
イスラム教に改宗していましたが

イブラヒムの両親はギリシャ正教
(キリスト教)信者のまま
後にイブラヒムと共にオスマン帝国の首都
に住んでいたということですから

オスマン帝国で皇子だった時代の
スレイマンに仕えるために表面上は
イスラム教に改宗したけど

実際のところは幼少期から信仰していた
キリスト教と完全に縁を切ることは
できていなかったと考えられます。

「神学」という作品はキリスト教の影響を多大に受けている作品

またドラマの作中に出て来る
イブラヒムの愛読書「神曲」は
キリスト教の影響を非常に色濃く受けたもので

作者であり「神曲」の登場人物で
主人公ダンテが地獄に迷い込みながらも
歴史上の実在人物、詩人ホメロスや淑女ベアトリーチェの導きで
天界を目指すというのがザックリとしたあらすじなのですが

神曲の主な舞台の場所はキリスト教における
神の敵対者、悪魔や魔人、罪人が落とされている
地獄の階層を延々と旅して、

裏切りや愛欲、暴食、憤怒など
キリスト教で悪徳とされる罪を犯した者が死後、
地獄で苦しむということが描かれているので

イスラム教圏であるオスマントルコで
「神曲」を愛読しているという時点で
かなり思考的にキリスト教寄りで

倫理観もキリスト教圏寄りだったのではないか
ということが伺えます。

イブラヒムが「神学」に感情移入しやすかった理由

また史実の詩人ダンテ・アリギエーリは
実在した女性であるベアトリーチェに
恋心を募らせていたにも関わらず

彼女はダンテ以外の男性と結婚した後、
若くして亡くなったとも言われています。

「神曲」作中でも永遠の淑女ベアトリーチェが
愛の象徴として描かれていることから
「オスマントルコ〜愛と欲望のハレム」第一シーズンにおいて

イブラヒムが鷹匠頭だった時代、
皇帝スレイマンの妹ハティジェに
叶わぬ恋心を募らせていた自分と

地獄を旅する「神曲」の主人公ダンテ
愛の象徴である淑女ベアトリーチェと
自分が焦がれる皇女ハティジェを
重ね合わせていたであろうことが伺えます。

実際に皇女ハティジェへの恋が許されない
身分であるという気持ちが抑えきれず
筆を執って自分の気持ちを書きつづり

その文面を見て皇帝スレイマンがイブラヒムに
自分への裏切りは許さないと告げるも
イブラヒムは神曲に書かれている詩の一節であり
気に入ったから書いたのだと弁明していました。

上記の知識を踏まえてドラマを見ると

内容が難解な詩であると同時に
オスマントルコ的には異国語であるイタリア語の
トスカーナ方言で書かれていたであろう「神曲」は

イブラヒムにとって表面上は
ヨーロッパの文化や教養、
ポエムを勉強するためのインテリな書物であり

実質はキリスト教の思考に耽溺できる
愛読書だったとも考えられます。

また史実の皇帝スレイマンは詩人としても
数々のポエムを残している人ですから
「神学」がキリスト教の影響を色濃く受けている
作品であるということは知っていたとしても

文学、ポエム作品として非常に
優れた物であるということを認め
教養を学ぶための愛読することは
容認していたのだと思われます。

もともとオスマントルコは寛容なところがあり
とにかく皇帝に忠誠を誓って税金を納めてくれるなら
宗教の自由を認めるという方針だったそうですから
そういう土壌があったからこそ

皇帝スレイマンもイブラヒムが
「神曲」を所持して愛読していても
特に咎めたりしなかったんでしょうね。

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