2017年05月05日
世にも奇妙な人体実験の歴史
少し前にベストセラーになったような気がします。
翻訳者の赤根洋子さんの、表題「世にも奇妙な人体実験の歴史」が本書の内容を明確にしています。
原題を直訳すると多分、書店でも目を引かなかったと思います。
本書は17の自分自身、犯罪者、身寄りのない人などを実験台にした記録です。
第1章は医師による病気の原因を探るため自分自身に菌を付着させる話が出ています。
18世紀の医師ですが研究のため自分の体を使っています。
現在も、医師になるには解剖が必要ですが、その解剖用の体をどのように集めたかなども昔そして現在と、興味深く読めます。
第2章以降も麻酔、寄生虫、ビタミン、輸血、毒ガス中毒等、医学的な発展のために実験が行われてきたことが説明されています。
この実験の方法、実験対象の選び方に現在の倫理観では是非が分れますが、実際に行われていなければ多くの病気の原因、治療方法が明確にならなかったか遅れたことは確かです。
医学の発展だけでなく、漂流したときに海水を飲んで大丈夫かを調べるため実際に飲食物を持たずに漂流する実験、サメの撃退方法の発見のための実験、安全なシートベルトのための開発実験等、体を張った実験がほんの数十年前まで行われていたものも紹介しています。
私たちがいろいろな病気や安全に対し恩恵を受けているのは、このような実験結果があったからこそだと実験台になった人々に感謝の念がわきます。
今も私の知らないところで、将来のためになる実験をしている方がいるのは、想像するに難くありません。
データ
書名:世にも奇妙な人体実験の歴史
著者:トレヴァー・ノートン
訳者:赤根洋子
発行所:文藝春秋
発行:2012年7月10日
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