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2016年01月28日

食事の種類(食事形態)について

施設で提供される食事には様々な種類(食事形態)があります。


食事は入居されている方にとっては楽しみのひとつですから、よりおいしく、より安全に召し上がっていただけるように、その方の状態に合わせて食事の形態というものが決められています。


ですが、人は誰でも高齢になるにつれて、噛む力(咀嚼機能)飲み込む力(嚥下機能)が弱くなってきます。

それに加えて認知症などの病気、マヒなどの障害のある方は、生活の質そのものが低下してしまいがちになるため、その間に身体機能が低下して、咀嚼や嚥下の機能もさらに低下してしまうおそれもあります。


また、糖尿病や高血圧などの持病のある方もいます。


なので、介護の現場ではひとりひとりのお年寄りに合わせた食事形態が必要なんです。


その介護用の食事のことを最近では「介護食」と呼ぶことも増えてきました。






食事形態の種類
【常食(通常食)】
ごく一般的な食事のことです。それでも硬くて食べにくい物(イカや肉など)はある程度食べやすい大きさにカットされています。


【きざみ食】
刻み食の中にもいくつか種類があります。
「一口大」:魚や肉などを一口大に切って食べやすくしたもの。
「荒きざみ」:一口大をさらにこまかくしたもの。
「極きざみ」:荒刻みをさらにこまかくしたもの。


【軟菜食(ソフト食)】
肉や魚などをすり身状にした食事です。野菜も湯通しするなどして軟らかくしてある。きざみ食と併用して、飲み込みにくい食べ物だけソフト食にする場合もあります。


【ミキサー食(嚥下食)】
主食(ご飯など)や副食(おかずや汁物など)をミキサーにかけ、出汁などで味を整えて提供するペースト状の食事です。トロミをつけて提供する場合もあります。


【療養食】
持病のある方専用の食事です。
糖尿病食、減塩食、腎臓病食、脂質コントロール食などが一般的な施設では多いですが、病院はもっとたくさんの種類があります。


【流動食(濃厚流動食)】
ミキサー食と混同されがちですが、こちらは食事を摂ることのできない方の食事(経管栄養)です。
鼻からチューブを入れて直接に胃に流し入れるもの(鼻腔栄養)と、胃の部分に手術で穴を開け直接流し入れるもの(胃ろう)があります。


これらの食事形態は、管理栄養士を始めとして、看護師、医師、ケアマネ、そして私たち介護職員が、その方に合った食事形態をカンファレンスなどの会議で決めます。


もちろん、その方の希望やご家族からの希望も配慮した上で、なるべくその方が食事をおいしく、安全に召し上がっていただけるように考えないといけません。


施設は病院ではなく、生活の場ですからね。


なるべくなら、食べたい物をおなかいっぱい食べてもらいたいじゃないですか。



最近では介護食の種類も豊富で、食品会社などからも様々な介護食が発売されています。


それだけ介護の食事に対する重要性が、世間に認知されてきたのかなと思います。


なので在宅で介護されている方でも、食事の準備をする時間を短縮して、少しでも自分の時間を持てるようになるといいなと思います。


施設では私たち介護職員が、日ごろから食事に対する意識を高めておくようにすれば


「あ、なんかこの方はもうこの食事じゃ危ないんじゃないか」


とか、


「最近飲み込みも良くなってきてるし、食事形態を上げてもいいんじゃないか」


など、いろんな気づきが生まれるようになります。


次回はそういった食事形態の見直しまでの、気づきを高めるお話をお伝えしたいと思います。



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アポロン
介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャー、看護師の資格を持っています。現在はとある施設で職員教育の役職に就き、それを主な職務にしつつ、大好きな現場にもちょくちょく足を運んで、業務も手伝っています。日々、介護に対してのカンが鈍らないよう勉強中です。
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