2022年01月30日
現実主義勇者の王国再建記 第17回

内乱、更にはアミドニアとの戦いに勝利したソーマ。だが、それはゲオルグという男の献身の上に成り立ったものであった。しかし、法は法。ソーマは彼に対し厳しい裁きを下さねばならなかった…
「なあ、本当にこの道しかなかったのか?これがアンタの望みなのか?汚名まで被って不正貴族と心中して、それでアンタは満足なのか!」「…無論です」
ソーマはゲオルグに翻意を促すが、ゲオルグの意思は固かった…

「陛下。どうか姫様の事、よろしくお頼み申し上げる」「リーシアはもう、俺にとっては掛け替えのない家族だ。家族は何があっても守る」「それを聞いて安心しました。エルフリーデン王国の栄光と、陛下と姫様の幸福を草葉の陰より祈っております。然らば…ご免」
ゲオルグは毒酒を一気に飲み干すと、床に崩れ落ち息絶えた…

一早く援軍に駆けつけてくれたダークエルフの族長ボーダンの姿もあった。
「望みがあったら何なりと言ってくれ」「でしたら、陛下に一つお願いがございます。どうか、娘を貰ってやっては下さいませんか?」「えっ?」「父上!?」
玉座後方に控えていたアイーシャが驚く!
ソーマはリーシアに遠慮するが、リーシアは気心の知れた者で固めたいのでOK!
「アイーシャ。その…嫁に来てくれるか?」「は、はい♡喜んで♡」

自分の為に使いなさいと諭されたジュナはソーマのお嫁さんに名乗りを上げる!?
だが、ソーマは断った。国民の歌姫であるジュナを娶ったら暴動が起きかねない。
「歌姫が集まり路線を継承する人材が育った暁には、必ずお迎えに上がります」
「その日を心待ちにしております。陛下」
ちょっと可哀想なジュナであった…