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2015年07月17日

2015年7月17日(金)に、NHKラジオ第一「すっぴん!」「源ちゃんのゲンダイ国語」のコーナーで紹介された本「野火」他ニ冊









「源ちゃんのゲンダイ国語」は、NHKラジオ第一で、月曜〜金曜の朝放送されている「すっぴん!」の金曜日のパーソナリティー高橋源一郎さんが選んだ本を、紹介するコーナーです。
 
今日は「戦後70年の夏休み、おすすめ図書」として、3冊紹介していました。「すっぴん!」は8月末まで「夏休み」に入るようです。リスナーの方々に手にとって貰いたいなあと思う、夏休みのおすすめ図書だそうです。特に、この夏は戦後70年ということで、いろんなメデイアで取り上げていますけど、戦後70年、戦争経験者も、もうほぼ亡くなろうとしていて、70年前の戦争を追悼するという意味で選んだ本だそうです。傑作のみを取り揃えたそうです。

ではまず一冊目「野火 (新潮文庫)」を紹介します。



敗北が決定的となったフィリピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける…。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的作品である。
著者 大岡昇平
1909‐1988。東京生れ。京都帝大仏文科卒。帝国酸素、川崎重工業などに勤務。1944(昭和19)年、召集されてフィリピンのミンドロ島に赴くが、翌年米軍の俘虜となり、レイテ島収容所に送られる。’49年、戦場の経験を書いた『俘虜記』で第1回横光利一賞を受け、これが文学的出発となる。小説家としての活動は多岐にわたり、代表作に『野火』(読売文学賞)『レイテ戦記』(毎日芸術大賞)などがある。’71年、芸術院会員に選ばれたが辞退。

高橋源一郎さんは番組の中で次のように話していました。

「野火」は世界の戦争小説の中でも最高傑作だと思う。フィリピンを舞台にしたある兵士の話。この兵士は結核になっていて、野戦病院に送られるが、野戦病院では、おまえはまだ元気だからと帰れと戻され、原隊に戻ると、おまえは病人で使えないから行け、というわけで、どっちでも受け入れてもらえなくなって、兵士として用のない人間として捨てられ、結局彼はそのまま原野を彷徨って行くという話です。

フィリピンのレイテ島では、生存率が3%と言われている。兵士の97%が亡くなっている。フィリピン戦全体でも8割ぐらいの兵士が亡くなっている。それも「餓死」や「病死」が多かったと言われている。厳しい戦いというか、兵士達の様子をほんとにリアルに描いていて、普通、戦争は残酷だとかいうメッセージが入ってくるが、この「野火」がなんで戦争小説の最高傑作と言われるかというと、「憤り」とか「悲しみ」とかそういうのは極端に抑えて、感情的にならない文章である。

まるで科学者みたいな目で、自分を見つめながら歩いている。あまりに悲惨すぎて、感情も摩滅している、ということかもしれない。有名な実際にあった人肉食のシーン。食べるか、食べないかの、葛藤が描かれている。

戦争から70年たっているが、読むとまるで昨日の出来事のように鮮やかにでてくるというのは本当にすごいと思う。これは今読んで、あの戦争は何だったのかと考えるのにふさわしい小説だなあと思う。

塚本晋也×野火」は塚本晋也監督で映画され、7月25日から東京・渋谷のユーロスペースほかで公開されるそうです。

1959年に市川崑により映画化された大岡昇平の同名小説を塚本晋也の監督、脚本、製作、主演により再び映画化。日本軍の敗北が濃厚となった第二次世界大戦末期のフィリピン戦線。結核を患った田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られる。しかし、野戦病院では食糧不足を理由に田村の入院を拒絶。再び舞い戻った部隊からも入隊を拒否されてしまう。空腹と孤独と戦いながら、レイテ島の暑さの中をさまよい続ける田村は、かつての仲間たちと再会する。戦場という異常な空間で極限状態に追い込まれた人間たちが描かれる。共演にリリー・フランキー、俳優デビュー作の「バレット・バレエ」以来の塚本監督作品への参加となるドラマーの中村達也。



高橋源一郎さんはこの映画をすでに見たそうで、次のように感想を話していました。

塚本晋也の映画も衝撃的に素晴らしいです。映画も原作どうりある種リアリズムに徹して、声高に反戦を訴えるというようなことはまったくなくて、戦場で兵士達が何を見たか、感じたかに徹したもので、もう圧倒されてイスに釘付けになりました。

二冊目は『戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)』(著・吉田満)ですが、「野火と並んで、戦争小説のツートップ。こちらは、経験を描いたドキュメンタリー」だそうです。明日紹介します。

「源ちゃんのゲンダイ国語」で取り上げた本をまとめてご紹介します。 
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