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2015年07月09日
NHKすっぴん! 「源ちゃんのゲンダイ国語」で紹介された本「風の名前」
「源ちゃんのゲンダイ国語」は、NHKラジオ第一で、月曜〜金曜の朝、放送されている、「すっぴん!」の金曜日のパーソナリティー高橋源一郎さんが選んだ本を、紹介するコーナーです。
以前にそのなかで紹介された本、「風の名前」です。
風には2145の名前があるそうです。日本語では。この本の中では、その内382語の「風の名前」を紹介しています。カラー写真と、詩とエッセーが付いた、歳時記だそうです。
「風の名前」は第ニ集で、第一集は「雨の名前」です。タイトルがシンプルで、いい感じです。
いろんな「風の名前」を上げてみます。
- 春一番 ・・・ 春の初め、その年に初めて吹く強い南風
- 貝寄せ ・・・ 春先に砂浜に貝を運ぶ風
- 薫風(くんぷう) ・・・ 初夏の新緑が香るような風。
- 青田風(あおたかぜ) ・・・ 青々とした水田の上を吹きわたる風。
- 盆東風(ぼんごち) ・・・ 夏の終わりに吹く東風。暴風雨の前兆。
- 野分(のわき) ・・・ 野の草を分けて吹きすさぶ強風。台風を含む。
- いなさ ・・・ 南寄りの暴風。大雨を伴い、風水害や海難を起こす恐ろしい風。
- 金風(きんぷう) ・・・ 秋風のこと。稲穂をゆらす風。
- 雁渡し(かりわたし) ・・・ 雁が渡ってくる頃の北風。
- 木枯らし ・・・ 初冬に吹く冷たい北風。木の葉を吹き落してしまうことに由来。
- おろし ・・・ 冬山を超えて吹き降りる冷たい強風。六甲おろしなどの山の名前が付く。
- 空風(からっかぜ) ・・・ 冬山を超えて吹きつける下降気流で、冷たく乾いた風。関東・東海地方の冬の季節風。
「風の名前」の巻頭にこんな詩があるそうです。
花信風…(早春から初夏にかけて、花の季節到来を告げるように吹くやさしい風)
「わたしがここにいたことは わたしに触れた風が 伝えてくれることでしょう」 花はつめたい空のひかりにも 松ぼっくりにも 語りかけています 「わたしを吹く風は しばらくわたしの香りを 袖にとどめていることでしょう」 風の振袖は みごとな落花模様です それきり花は口をつぐみました
ついでに「雨の名前」もいくつか紹介しておきます。
- 霖雨(りんう)・・・降ったり止んだりが,何日にもわたって続く雨
- 地雨(じあめ)・・・しとしとと,何時間にもわたって降り続く雨
- 霧雨(きりさめ)・・・霧のように細かい雨
- 篠突く雨(しのつくあめ)・・・激しく降る雨
- 驟雨(しゅうう)・・・ざあざあと激しく,短時間に降る雨
- 氷雨(ひさめ)・・・夏の初めに降る雹(ひょう)のこと。
- 五月雨(さみだれ)・・・旧暦の5月に降る地雨のことで,梅雨のこと。
- 時雨(しぐれ)・・・秋の終わりから冬の初めに降る冷たいにわか雨のこと。
- 菜種梅雨(なたねづゆ)・・・3月から4月ごろに降る雨のこと。
- 卯の花腐し(うのはなくたし)・・・春雨と梅雨の中間ごろ,しとしとと降る地雨のこと。「卯の花を腐らせる」という意味です。
著者は詩人の高橋順子さん。「水のなまえ」という本も出してます。
実に膨大な数の呼び方があります。「雨」「風」「水」。それぞれの地方にも、きっといっぱいあるでしょう。生活の中から生まれてきた言葉なんでしょう。イキイキとした感じがします。
「源ちゃんのゲンダイ国語」で取り上げた本をまとめてご紹介します。
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「花の名前」という本もあります。
価格:2,700円 |