教会に入場する前に、神父様から説明を受け
神父様のあとについて言う言葉を練習する。
しばらくすると、リングボーイを務める息子二人が扉の
向こうからやってきた。
教会のドアが全開になり、リングボーイが入場。
神父様にリングピローを渡す。
続いて僕達の入場になると教会の人が新郎新婦の
方を向いてくださいみたいなことを言う。
なんか遂に結婚式なんだなと実感する。
チャチャチャーン♪
チャチャチャーン♪
と結婚式行進曲がオルガンで弾かれ、頭の中で
「左、右、左、右」と足元ばかり気にしながら
ゆっくりと歩いていく。
せっかく、頭の中で考えながら歩いていたのに
最後の一歩が右か左かわからなくなってしもうた・・・
えーい、左でいいやと左を出し神父様の前までくる。
実は結婚式のことは滞りなく進めることに精一杯で
ところどころしかおぼえてないんです（汗）
ろうそくに火をつけるときは、手が震えてろうそくを
倒しそうになった。
また、神父様も日本語で言ってくれりゃいいのに
英語で言うもんだから、何言ってるかわからなかったけど
とりあえず、わかってるフリをしてうなづいていた。
誓いのキスのときは、やれって言ってるのがわからくって
かなり間があいたように思う。
僕は、慌てて、頭の中で打ち合わせのときのことを
思い出し、「えっ〜と、ベールのあけ方は〜」と
ベールを上げるが妻がかがまない・・・
ピンチ。
妻は女性の中では背が高いほうで162センチある上に
高いヒール。
「ベールが開けられねぇ」と焦る。
妻は、だいぶ経ってから気がつき、少しかがんでベールを
無事開けることができた。
いよいよキス。
「どんな風にすればいいんだ？！」
キスの仕方までは聞いてないぞ。
まあ、イイヤと思い切ってキスをする。
なんかいつもキスしているのに、ヤラシイ言い方かもしれない
けどいつもと違う感触、違う味って気がした。
だいたい、普段なら人前でキスはしないしね。
とりあえず、式は無事終わり退場し、出口の脇の小部屋に
隠れ、参列者が外に出るのを待つ。