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2014年03月01日
水雲問答-(経と権)
(雲)−問
経国の術は、権略も時として無くばかなわざることにて存候。
あまり純粋に過ぎ候ては人心服さぬこともこれ有るに存ぜられ候。
去りとても権略ばかりにても正を失い申すべく候間、権略を以って
正に帰する工夫、今日の上にて肝要かと存候。
(水)−答
権は人事の欠くべからざることにして、経と対言(ついげん)仕候。
秤の分銅をあちらこちら、丁(ちょう)ど軽重に叶(かな)い候処(ところ)
にすえ候より字義をとり候ことにて、固(もと)より正しきことに候。
仰せ聞けられ候所は、謀士の権変(けんぺん)にして、道の権には
非(あら)ず候。
程子(ていし)の権を説き候こと、近思録に抄出これ有り、
とくと御玩味(がんみ)候様存候。