高齢化で増える前立腺がん−1

高齢男性を中心に年々、前立腺がんにかかる人が増えています。ほかのがんと異なり、診断後すぐ命にかかわるケ−スは少ないようですが、発見が遅れるとリンパ節や骨などに転移してしまうことがある。

前立腺の主な働き

前立腺は男性だけにある生殖器のひとつです。精子に栄養を与え、保護をする前立腺液の精液の一部となる。前立腺は生殖の一部を担っているため、子供が欲しい男性にとっては重要な臓器でもある。

２０２０年には、前立腺がんは、肺がんに次いで男性２位のがん予測。

男性ホルモンと深い関係

前立腺の働きや成長には男性ホルモンが密接にかかわっている。95%は精巣(睾丸)で、5%は副腎でつくられ、精巣でつくられる男性ホルモンは、テストステロンと呼ばれる。
前立腺の細胞は男性ホルモンの分泌が活発なほど増殖するが、これは正常な細胞だけでなく、がん細胞も増やす結果になる。

そのため、前立腺がんの治療にはテストステロンの分泌と関係するLH(黄体化ホルモン)の分泌を抑える薬を用いる。

一般的に前立腺の病気といえば、前立腺肥大症の方が知られている。前立腺がんとのかかわりを心配する人が多いが、肥大症が進んでがんになることはない。
肥大症は良性腫瘍で、前立腺がんとは全く別の病気。

ほかのがんと異なる点
● ５０歳ごろから増え始める
前立腺がんは４０歳代で発症することはかなりまれであるが、５０歳を過ぎると約２万人に一人、６０歳を超えると約２０００人に一人と、年齢が上がるとともに罹患率が急速に上がる。
● ゆっくり進行するケ−スが多い
ほかの臓器のがんと比べて、前立腺がんは大きくなるまでに時間がかかる。そのため、低リスクの場合、それほどあわてる必要がなく、担当医と時間をかけて治療法について話し合う余地がある。

定期的な血液検査で早期発見を
前立腺は男性の副生殖器です。簡単に見たり、触れたりできない箇所にあるため「前立腺って何ですか?」と質問する人が少なくありません。
膀胱の出口に尿道を取り巻くように存在し、形も大きさもクリの実よく似ていると表現されます。若い頃はあまり病気を起こさない臓器であることもなじみが薄い原因かもしれません。

ある程度年齢が進むと前立腺に二つの病気ができやすくなります。「前立腺肥大症」と「前立腺がん」です。

「前立腺肥大症」は前立腺が膀胱の出口に位置していることから排尿の不具合を生じさせるため起こる病気。
夜中に何回もトイレに行くことなどで困りますが生命の危険となることはほとんどありません。
一方、「前立腺がん」は全く異なります。自覚症状がなく進行し、生命の危険に関係する病気。
近年、日本では前立腺がんで治療を受け、亡くなる人が大変増えています。以前は早期に発見する検査方法がありませんでした。しかし、１９９０年代にPSA検査が導入されてから前立腺がんの早期発見、早期治療がかなり可能となりました。

かつて米国の男性のがん死亡率第一位は前立腺がんでしたが、最近は第二位となり、前立腺がんによる死亡率が減少している。

一方、日本では前立腺がんによる死亡者数は増加傾向にあります。過去に発症数が少なかったため、前立腺がんに対する警戒心が足りないとも言えます。

最近の前立腺がん増加の傾向を知っていただき、ご自身のPSA検査値に関心を持っていただくことが大切です。

とりわけ血縁関係者に前立腺がんと診断された方がおられると前立腺がん発症の危険度が高くなります。米国では、そのような方の場合、４０歳からのがん検診が推奨されています。(聖路加国際病院　泌尿器科部長)

検査から診断確定まで、

早期発見に有効な検査法「PSA検査」
PSA (Prostate Specific Antigen)とは、前立腺でつくられる物質(前立腺特異抗原)を指し、その名の通り、前立腺から分泌される物質でセリンプロテアーゼ（セリン蛋白分解酵素）に分類されます。一部が血液中に流れ出る。PSAは本来、前立腺から精漿中に分泌され精子が体外に放出される時に精漿中のゼリー化成分である蛋白を分解して精子の運動性を高める役割を果たします。したがって、健常男性であれば、血液中にPSAが浸出することは非常に稀です。このPSAの値は前立腺がんによく反応することから、その可能性を知る上で有効な検査。
最近は、健康診断の血液検査で取り入れるケ−スも増えている。ただし、前立腺がんの1〜２割はPSA検査だけで把握できないと言われている。８割は把握できる。

PSAの検査値が4ng/ml以上だったら「前立腺がん」を疑いさらに詳しい検査や直腸診を勧める。これはリスクの低い段階でがんが見つかれば、治療の選択肢が広がり、完治の可能性が高まる。

です。
デザイナ−フ−ズ計画とは・・・・・

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