2018年08月30日
アメダスの感想F
アメダスの感想Eに関連して。
先のブログで、「高山市中心部との標高差を考慮すれば、飛騨東部のアメダス気温観測地点としては平湯の方がふさわしい気がします。」と書きました。
日本地誌第12巻(第1刷1969.10〜第3刷1976.9)の岐阜県の気象の項では、飛騨地方の代表観測地点として、西部の荘川(新渕)(標高788m)、中部の高山(560m)、東部の平湯(1233m)と標高差のある3地点の気温や降水量のグラフ、年平均気温、年降水量等を掲載、観測地点の緯度経度、標高も載っています。
これら3地点のうち、高山以外はアメダスがなく、アメダス運用前の時代、気象庁の委託式気象観測所である区内観測所があったそうです。(高山には2005年まで測候所がありましたが、今は無人化され特別地域気象観測所となっています。)
かつての荘川と平湯の区内観測所。荘川は旧荘川村中心部の新渕地区(現在の高山市荘川町新渕)に、平湯は旧上宝村南東部の平湯地区(現在の高山市奥飛騨温泉郷平湯)に設置。
なくなった区内観測所の近くで、現在の気温観測アメダスとしては、新渕より北東に峠越えした同じ荘川町内の六厩(標高1015m)と、平湯より北北西に下った同じ奥飛騨温泉郷地域の栃尾(765m)。(なお、栃尾アメダスは、栃尾の少し西の奥飛騨温泉郷今見にあります。)
現在のアメダス地点に置き換えれば、西部の六厩、中部の高山、東部の栃尾となります。高山(560m)との標高差で言えば、東部の平湯(1233m)が西部の六厩(1015m)と、西部の荘川(新渕)(788m)が東部の栃尾(765m)と入れ替わった形。
ところで、この日本地誌に載っている3地点の観測値の出典資料は、1958〜1959年と今から60年ほど前ですが、平均気温は荘川9.4℃、高山10.5℃、平湯6.7℃と平地で言えば東北北部から北海道並み。これら3地点も、今では1℃近く上がっているんじゃないでしょうか。
タグ:アメダス
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