2019年08月12日
「東濃」と「東美濃」
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一昨年から昨年にかけて、岐阜県南東部の多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市(以上東濃地域と呼ばれる)と可児市、御嵩町を対象エリアに、現在の岐阜ナンバーから、ご当地ナンバー東美濃にしようという動きが商議所や行政中心にありました。
「東濃」で慣れ親しんでいる地域住民は、突然馴染みのない「東美濃」という名称に、2回の住民アンケートでも反対の方が多く、結局頓挫‥。
そして、東美濃ナンバーが頓挫した後も、行政等は東濃5市と可児・御嵩を対象エリアとして、「東美濃」を観光面を中心に使おうと躍起になっています。
そもそも、「東美濃」という名称は、明治以降殆ど使われることはなく、最近では、現在の恵那・中津川市内の4農協が合併して平成10年に誕生した東美濃農業協同組合(JAひがしみの)がおそらく、広く認知される名称としては最初ではないでしょうか。その後、平成12年に中津川市に東美濃ふれあいセンターが竣工。(当該施設は現在は中津川市の施設ですが、建設時の施主は広域行政組合の東濃東部ふれあい拠点施設組合。)
JAひがしみののHPには、東美濃地域について恵那、中津川の2市を指して説明しており、中津川市のHPでも、東美濃ふれあいセンターの展示室の説明の中で、「東美濃地域を含む東濃地方」と説明、先述の2市を指していることがわかります。
多治見、土岐、瑞浪の3市で「東濃西部」と称しているのと同様に、恵那・中津川の2市を指して「東濃東部」と表記しているところは多く、例えば東濃東部リニア停車駅誘致期成同盟会、東濃東部都市間連絡道路、東濃東部中学・高校吹奏楽祭、東濃東部納税貯蓄組合連合会、東濃東部交通圏タクシー準特定地域‥等々。
指し示すエリア的には、「東美濃」は「東濃東部」の言い換えだとわかります。
ですから、エリアとして使う「東美濃」が、いきなり「東濃5市+可児・御嵩」と言われても、東濃東部の住民にはピンとこないのです。「東美濃」の名称にまったく馴染みのない東濃西部や可児地域の住民は、言うまでもなく「何、東美濃って‥?」。
もともと、東濃5市や可児市等は、戦前の市政施行前は東から、恵那郡、土岐郡、可児郡の3郡に集約され、東濃三郡とも言われていました。また、東濃最大の都市である多治見市の北半分(土岐川以北の大部分)は、現在の可児市や御嵩町と同様に可児郡に属していました。(ただし、現在の多治見市の土岐川以北のうち、旧可児郡豊岡町は昭和9年に土岐郡多治見町に編入、昭和15年の多治見市制施行後も、旧可児郡では、昭和19年に小泉村・池田村を、昭和35年に姫治村の一部をそれぞれ多治見市に編入。)
現在、岐阜県の地域区分では可児と御嵩の2市町は中濃地域に属していますが、東濃5市にこれら2市町を加えたからと言って「東美濃」と表現しなくても、昔の東濃三郡ですから、私は「東濃」で良いと思います。
「東濃」の名を冠する高校も御嵩町にありますし、「東濃鉄道」のバスや「東濃信用金庫」、「多治見税務署」はこれら2市町もエリアです。
「東濃」は古くから地元住民に根付いた愛着ある名称であり、他地域の人にわからないからといって、安易に変えてはいけないと思います。図らずも「東美濃」という名称を広めたい商議所や行政が、ご当地ナンバーの件で、このことを証明してしまいました。
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タグ:東濃 東美濃
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