パチンコ依存症からの脱出

パチ禁生活も19日目を迎えた。


いつもの様に7時半頃目が覚め、いつもの様に携帯を見ながらダラダラしている。

金がないと何もできないので
汚くて狭い部屋で金になる物を探した。

「そういえば昨日も探してたな・・・」
そんな事は知っている。
でも探すんだ。


最近は
LINE査定やWeb査定といった、店舗に向かわずに査定が出来るというサービスがある。
それをたまにやっていた。

送られてくる返事は
20点で500円・・・

「1000円以下の査定結果につきましては、当店では買い取りをお断りしております」

そんなんで売らないよ。


以前転売的なものをしていたので
ちょいレアな物はまだ在庫があった。

ただ回転率というものを理解せず
利益中心の仕入れをしていたせいもありなかなか売れない。

基本年代物のレアな物なんて物好きしか買わない。
そういう所のセンスも持ち合わせていない。

結局生活出来ず二束三文で売り徐々に資産（笑）を減らす始末。








とにかく
いろいろ部屋を漁った俺は、あるものを見つけた。

「嫌われる勇気」という本だ。


20冊持っている。

記憶が曖昧だが
一時話題になり価格が高騰するのを予測し、早めに仕入れて高く売ろうとしたような気が・・・。


思うような高騰もなく本は眠ったまま・・・。






俺は基本、本の買い取りは１冊5円と決めつけていた。
「どうせBoo〇OF〇に売っても5円だろ」


若いころから
そういう経験しか味わっていない。


とはいえ今日は暇だし試しにと
本を近くの店に持って行った。

おもむろに
レジの台に「ドーン！！」と20冊同じ本を置き
「買い取りお願いします！！」
と店員に伝えた。


「お客さま・・・当店では同じ本は買い取りしていないので・・・1冊のみであれば可能ですが・・・」
そう店員は申し訳そうに俺に伝えた。

後ろでは5組くらい買い取り待ちの列。
「なんでいきなり人来るんだよ！！」
と同じ本をカウンターに置いている恥ずかしさと
先ほどまで誰も居なかったのに急に人が寄って来たイラつきを同時に感じ
勢いで「１冊でも構いません」とキレ気味で店員に伝えた。








「30分ほどかかりますので少々お待ちください」

「なんで1冊で30分もかかるんだ？」と心の中では思っていたが
流石に口には出せないので、ちょっと首をかしげた演技をし不満そうにその場から離れた。


テレフォン人生相談を聞き終わったタイミングで時間が過ぎた。

昔の俺だったら
「200円くらいなら・・・いや・・・100円・・・妥協して...50円なら売る！」
みたいな感覚だが
何回も経験を積んでいる俺は、5円しか頭になかった。


店員「400円ですがよろしいでしょうか？」
俺「え？」

予想の80倍。

もちろんYES！！


でも同時に
「この作業を後19回しなければならないのか・・・」というかったるさが同時に現れた。









近くに同列店舗が他に2店舗あったので、とりあえず同じ作業を行った。

合わせて1200円。


俺は
郵便局へ向かい100円玉10枚を千円に変えた。


向かうはパチ屋。
禁パチなんか知らない。







ただ千円で出来るパチンコなんて
１パチしかない。

羽根物か甘の２択である。


とはいえ
本屋巡りでガソリンもランプが点灯しているので
近くのパチ屋に向かった。