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2014年02月04日

信義

遥か東の国の都に歌を詠むことで生計を立てている歌人がいた。自分の才能に限界を感じ始めていた彼は、ある日妖怪と契約をしてしまう。

妖怪の力により、次々と新しい歌を発表する歌人。どの歌も素晴らしく、都中の評判となる。ついには将軍家のご指南役にまで昇進した。

ある日、妖怪が再びやってきて歌人に言った。「おまえの一生分の才能はもう使い果たした。おまえは二度と歌を詠むことはできないだろう。」

妖怪の言ったとおり、彼は一行の歌も詠めなくなってしまう。世を儚んだ彼は、自害してしまった。その剣は今でも彼の血で鈍く光っているという。
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