2018年07月01日
世界1周の旅:アジア編 C【ネパール】ナガルコットの夕暮れ
A voyage round the world : Asia Edition C Sunset of Nagarkot
【February 2011】
ナガルコットの夕暮れ
手配通りカトマンドゥの空港で出迎えてくれたのは、殺し屋のような雰囲気の無愛想なドライバーだった。
彼の車に乗り込み喧騒の市内を走ると、開け放った窓から容赦なく排気ガスと土埃が襲ってきた。
天気が良く暑いくらいの陽気なので窓を閉めるのも憚られ、仕方なくブルーのストールで口元を覆ったがあまり効果はなかった。
今にもバラバラになりそうな年季の入った車はガタピシいいながらもなんとか山岳地帯を進み、1時間半あまりで東部ヒマラヤに近い展望地ナガルコットに到着した。
そこは標高の高い山のてっぺんを無理矢理均して切り拓いた小さな土地に、そのうち崩れそうなホテルを急遽建てた、という感じの集落で、どんな場所にも道を造る人間の逞しさを感じさせる場所だった。
強烈な西日を浴びながら部屋の前で椅子に腰かけて書き物をしていると、時折り鶏の鳴き声など小さな音はするものの、なんと静かで穏やかなことだろう。
ポカラと違って車の音もないしカトマンドゥのような喧騒とは無縁の、本当の静けさ。
人よりも動物の方が多く暮らしているのでは、と思えるほどゆったりとした時間の流れる中で、神の居場所である白い峰々が少しずつ霞に隠され、陽が沈む瞬間オレンジに染まった山の端から空に流れ出るピンクや紫の水彩絵の具のような美しい雲の色に心を奪われる幸せ。
何もない幸せがそこにあった。
しかし、夕方陽が傾く頃から一気に空気が冷たくなり、頭がズキズキすると思ったら、標高2100メートルの高地にいるのだった…。
どおりで空気が澄んでいるわけだ。
【February 2011】
ナガルコットの夕暮れ
手配通りカトマンドゥの空港で出迎えてくれたのは、殺し屋のような雰囲気の無愛想なドライバーだった。
彼の車に乗り込み喧騒の市内を走ると、開け放った窓から容赦なく排気ガスと土埃が襲ってきた。
天気が良く暑いくらいの陽気なので窓を閉めるのも憚られ、仕方なくブルーのストールで口元を覆ったがあまり効果はなかった。
今にもバラバラになりそうな年季の入った車はガタピシいいながらもなんとか山岳地帯を進み、1時間半あまりで東部ヒマラヤに近い展望地ナガルコットに到着した。
そこは標高の高い山のてっぺんを無理矢理均して切り拓いた小さな土地に、そのうち崩れそうなホテルを急遽建てた、という感じの集落で、どんな場所にも道を造る人間の逞しさを感じさせる場所だった。
強烈な西日を浴びながら部屋の前で椅子に腰かけて書き物をしていると、時折り鶏の鳴き声など小さな音はするものの、なんと静かで穏やかなことだろう。
ポカラと違って車の音もないしカトマンドゥのような喧騒とは無縁の、本当の静けさ。
人よりも動物の方が多く暮らしているのでは、と思えるほどゆったりとした時間の流れる中で、神の居場所である白い峰々が少しずつ霞に隠され、陽が沈む瞬間オレンジに染まった山の端から空に流れ出るピンクや紫の水彩絵の具のような美しい雲の色に心を奪われる幸せ。
何もない幸せがそこにあった。
しかし、夕方陽が傾く頃から一気に空気が冷たくなり、頭がズキズキすると思ったら、標高2100メートルの高地にいるのだった…。
どおりで空気が澄んでいるわけだ。
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