新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2023年08月25日
梅毒について知ろう−2.梅毒トレポネーマについて−
【梅毒トレポネーマとは】
梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)とはスピロヘータの1種です。
スピロヘータとは、らせん状の形態をしたグラム陰性の真正細菌の一グループです。
梅毒トレポネーマはグラム陰性で、その特徴はらせん状形態していて活発に運動します。
自然界における唯一の宿主はヒトで、宿主がいなければ数日も生きていけません。
要するに体の外に出ると弱り、感染力が極端に低下していきます。
現在でも、試験管内の培養は不可能でウサギの睾丸内で培養する以外に方法は存在していません。
梅毒トレポネーマは、試験管内での培養は不可能なために、病原性の機構はほとんど解明されていませんが、 1998年には全ゲノムのDNA 配列が決定公開されています。
【梅毒トレポネーマの感染経路】
感染経路は、主に性行為ですが、キスを含むオーラルセックスにより、生殖器、口、肛門等の皮膚や粘膜の微細 な傷口から侵入し感染します。
梅毒トレポネーマは感染力は強い病原菌ですが、梅毒トレポネーマ自体は非常に弱い病原体ですので、乾燥や温度変化 には非常に弱く、お風呂やトイレで感染するということはまず殆どありえません。
【梅毒トレポネーマには耐性菌がない??!!】
梅毒トレポネーマは、未だに耐性菌がなく特にペニシリンには感受性が高く治療には最も適しています。
欧米ではペニシリンGの筋注単回投与で治療を行いますが、わが国では長い間ペニシリンGの筋注投与が禁止されていましたが、梅毒治療に2021年9月、ベンジルペニシリンベンザチン(BPB)の筋注製剤「ステルイズ」が承認され使われるようになりました。
ペニシリン耐性は無いとされていますが、近年マクロライド耐性が報告されています。
続く
梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)とはスピロヘータの1種です。
スピロヘータとは、らせん状の形態をしたグラム陰性の真正細菌の一グループです。
梅毒トレポネーマはグラム陰性で、その特徴はらせん状形態していて活発に運動します。
自然界における唯一の宿主はヒトで、宿主がいなければ数日も生きていけません。
要するに体の外に出ると弱り、感染力が極端に低下していきます。
現在でも、試験管内の培養は不可能でウサギの睾丸内で培養する以外に方法は存在していません。
梅毒トレポネーマは、試験管内での培養は不可能なために、病原性の機構はほとんど解明されていませんが、 1998年には全ゲノムのDNA 配列が決定公開されています。
【梅毒トレポネーマの感染経路】
感染経路は、主に性行為ですが、キスを含むオーラルセックスにより、生殖器、口、肛門等の皮膚や粘膜の微細 な傷口から侵入し感染します。
梅毒トレポネーマは感染力は強い病原菌ですが、梅毒トレポネーマ自体は非常に弱い病原体ですので、乾燥や温度変化 には非常に弱く、お風呂やトイレで感染するということはまず殆どありえません。
【梅毒トレポネーマには耐性菌がない??!!】
梅毒トレポネーマは、未だに耐性菌がなく特にペニシリンには感受性が高く治療には最も適しています。
欧米ではペニシリンGの筋注単回投与で治療を行いますが、わが国では長い間ペニシリンGの筋注投与が禁止されていましたが、梅毒治療に2021年9月、ベンジルペニシリンベンザチン(BPB)の筋注製剤「ステルイズ」が承認され使われるようになりました。
ペニシリン耐性は無いとされていますが、近年マクロライド耐性が報告されています。
続く
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
2023年08月24日
性行為感染症について
【性行為感染症とは何ですか?】
性行為感染症(Sexually Transmitted Diseases:STD, Sexually Transmitted Infection:STI)は、性行為によって感染する病気の総称です。
性行為感染症は、膣性行為とディープキス・ペッティング・フェラチオ・クンニリングス・アナルセックス・道具を使った行為等 によって感染する全ての感染症を言います。
性行為の相手が、同性・異性の区別はありません。
【性行為感染症はどのようにして感染するのですか?】
本来は性行為によって感染する感染症を指しますが、近年の性の多様化により、性行為は膣性交にと止まらず、性行為に類似した行為(オーラルセックス)が行われています。
たとえば、ファッションマッサージ・イメクラ・キャバレー・ホテトルなどが流行し、オーラルセックスなどのいわゆる 「お手軽セックス」が簡単で安価にできるようになり、それに伴い若者の世代に限らず、広い世代で性行為感染症が蔓延しています。
【性行為感染症の感染する場所はどこですか?】
性行為感染症の原因となる病原体は、体液(精液、膣液、血液など)の中に含まれ、おもに人体の粘膜(陰茎、膣、肛門、尿路)から感染します。
また、最近の性の多様化により、口腔・のど・気道へ感染するsことも多いのが現状です。
しかし、傷のない健康な皮膚からの感染のリスクは限りなく低いです。
【性行為感染症の世界の実情は?】
性の開放化が早期に起こった欧米先進諸国では、日本よりも早く性行為感染症の蔓延が問題化しましたが、欧米では感染予防に重点を置き 性教育を充実させ、小中学校時よりコンドームの重要性を重視して教育した結果、欧米の若者の多くは避妊というよりも感染症予防として コンドームを持っていることが当然のこととなっています。
このように性行為感染症に対する予防教育の充実により、欧米先進諸国では一般に性行為感染症は横這い、または減少傾向となっています。
反面、性の開放化が早期に進んでいた欧米では、元々が性行為感染症が多く流行しており、現在でもそれはあまり変化していないという現実もあります。
アメリカのテレビ番組では10代少女の4割がクラミジアに感染しているというショッキングなアンケート結果が公表されたこともありまた、疾病管理センターでも思春期の少女の4人に1人が少なくとも性行為感染症のひとつにかかっているとあるという調査結果を まとめています。
そのため、キリスト教系団体の中には、避妊行為をすること自体を教義に反すると考え、コンドームの使用を疑問視する動きもあります。
【性行為感染症の日本の実情は?】
日本での性行為感染症の現状は、欧米先進諸国と異なり、特にHIVに関しては1990年代以降に急増傾向にあります。
わが国で特に流行している性行為感染症は、淋病とクラジミアと梅毒です。
淋病は、大昔から存在する病気で、主に男性がかかりやすい病気で、欧米先進国ではすでに過去のものとなる傾向にありますが、日本だけでは近年、感染者が増加傾向にあります。
また、クラミジアは女性の感染者が増加しています。
更に梅毒は2015年から流行が始まり、2022年はここ10年来最高の10000人を超えて未だに大流行しています。
現在日本では、性行為感染者が600万人は存在しているとされています。
【性行為感染症にはどのようなものがあるのか】
日本性感染症学会、日本皮膚科学会などは独自に性行為感染症分類していますが、ここではこれらの学会資料に基づいて一般的な性行為感染症を列記しておきます。
梅毒
淋疾
軟性下疳
性病性リンパ肉芽腫
鼠径部肉芽腫
非淋菌性尿道炎
性器ヘルペス
尖圭コンジローマ
性器伝染性軟属腫
疥癬
毛ジラミ症
膣トリコモナス症
ヒトパピローマウイルス感染症
赤痢アメーバ
A・B・C型肝炎
HIV感染症/AIDS
伝染性単核症
HTLV-1
これら感染症については当ブログにて順次紹介していきます。
性行為感染症(Sexually Transmitted Diseases:STD, Sexually Transmitted Infection:STI)は、性行為によって感染する病気の総称です。
性行為感染症は、膣性行為とディープキス・ペッティング・フェラチオ・クンニリングス・アナルセックス・道具を使った行為等 によって感染する全ての感染症を言います。
性行為の相手が、同性・異性の区別はありません。
【性行為感染症はどのようにして感染するのですか?】
本来は性行為によって感染する感染症を指しますが、近年の性の多様化により、性行為は膣性交にと止まらず、性行為に類似した行為(オーラルセックス)が行われています。
たとえば、ファッションマッサージ・イメクラ・キャバレー・ホテトルなどが流行し、オーラルセックスなどのいわゆる 「お手軽セックス」が簡単で安価にできるようになり、それに伴い若者の世代に限らず、広い世代で性行為感染症が蔓延しています。
【性行為感染症の感染する場所はどこですか?】
性行為感染症の原因となる病原体は、体液(精液、膣液、血液など)の中に含まれ、おもに人体の粘膜(陰茎、膣、肛門、尿路)から感染します。
また、最近の性の多様化により、口腔・のど・気道へ感染するsことも多いのが現状です。
しかし、傷のない健康な皮膚からの感染のリスクは限りなく低いです。
【性行為感染症の世界の実情は?】
性の開放化が早期に起こった欧米先進諸国では、日本よりも早く性行為感染症の蔓延が問題化しましたが、欧米では感染予防に重点を置き 性教育を充実させ、小中学校時よりコンドームの重要性を重視して教育した結果、欧米の若者の多くは避妊というよりも感染症予防として コンドームを持っていることが当然のこととなっています。
このように性行為感染症に対する予防教育の充実により、欧米先進諸国では一般に性行為感染症は横這い、または減少傾向となっています。
反面、性の開放化が早期に進んでいた欧米では、元々が性行為感染症が多く流行しており、現在でもそれはあまり変化していないという現実もあります。
アメリカのテレビ番組では10代少女の4割がクラミジアに感染しているというショッキングなアンケート結果が公表されたこともありまた、疾病管理センターでも思春期の少女の4人に1人が少なくとも性行為感染症のひとつにかかっているとあるという調査結果を まとめています。
そのため、キリスト教系団体の中には、避妊行為をすること自体を教義に反すると考え、コンドームの使用を疑問視する動きもあります。
【性行為感染症の日本の実情は?】
日本での性行為感染症の現状は、欧米先進諸国と異なり、特にHIVに関しては1990年代以降に急増傾向にあります。
わが国で特に流行している性行為感染症は、淋病とクラジミアと梅毒です。
淋病は、大昔から存在する病気で、主に男性がかかりやすい病気で、欧米先進国ではすでに過去のものとなる傾向にありますが、日本だけでは近年、感染者が増加傾向にあります。
また、クラミジアは女性の感染者が増加しています。
更に梅毒は2015年から流行が始まり、2022年はここ10年来最高の10000人を超えて未だに大流行しています。
現在日本では、性行為感染者が600万人は存在しているとされています。
【性行為感染症にはどのようなものがあるのか】
日本性感染症学会、日本皮膚科学会などは独自に性行為感染症分類していますが、ここではこれらの学会資料に基づいて一般的な性行為感染症を列記しておきます。
梅毒
淋疾
軟性下疳
性病性リンパ肉芽腫
鼠径部肉芽腫
非淋菌性尿道炎
性器ヘルペス
尖圭コンジローマ
性器伝染性軟属腫
疥癬
毛ジラミ症
膣トリコモナス症
ヒトパピローマウイルス感染症
赤痢アメーバ
A・B・C型肝炎
HIV感染症/AIDS
伝染性単核症
HTLV-1
これら感染症については当ブログにて順次紹介していきます。