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ユリスベル・グラシアル、センターへの犠牲フライで勝負を決める
JIT、2019年11月7日、Joel García León記者
2004年以降オーストラリアとの野球の試合はつねに張り詰めた試合になり、最後の瞬間に勝負が決まっている。延長10回で3対2の勝利となったきょう11月7日の試合も同じだった。この勝利でキューバは、第二回プレミア12のスーパーラウンド進出の可能性をまだ残して、韓国との試合に臨むことになった。
グループCの試合の舞台であるソウルの高尺スカイドームの観客席はふたたび閑散とした状態であったが、オーストラリアチームはそれを気にすることもなく、2安打、1四球を奪い、先発ブラディミール・バーニョスを初回で降板させた。
代わったラサロ・ブランコは三振とダブルプレーで後続を断ち、両チームにとって生きるか死ぬかの試合に、落ち着きと秩序を与えた。こうして5回まで進み、ここまで5三振を含み12人の打者を連続凡退させてきた右腕ジョシュア・ガイヤーの完璧な投球を、アルフレド・デスパイネが左翼への安打で崩し、さらに唯一の四球をセペダに与えたグテールはこの回で降板となった。
走者2人を置いてのアヤラの犠牲バントは失敗したが、この試合最高の打者(4打数3安打)であり、今大会のチームで最高の成績(7打数4安打)を収めているヨルダニス・サモンに絶好の場面が回ってきた。サモンは救援投手ピーター・モイランからセンターに安打を放ち1点を先制し、またアラルコンも内野ゴロで2点目をあげた。
オーストラリアチームの反撃は間をおかず、6回にティモシー・ケネリーの本塁打で始まった。攻撃は続き、ロバート・グレンディニングの安打とミチェル・ニルソンの四球で、ブランコの効果が失われていたことがわかり、マウンドにはフレディ・アシエル・アルバレスが上ったが、ローガン・ウェイドに安打を打たれ、同点になるのを食い止めることができなかった。
8回と9回にキューバは1死で走者2人を出すものの、彼らを本塁に還すタイムリーな打撃が出ず、均衡は続く。ライデル・マルティネスが8回に登板し、9回にピンチをまねくと、左腕モイネロが完ぺきなピッチングを見せ、IBAFルールが適用された10回でも同じく封じた。
ミゲル・ボロート監督率いるチームにとって決定的な得点が10回裏に入った。ロエル・サントスがバントし、満塁になった。代打ウィリアム・サアベードラが浅めのフライでアウトになったあと、日本プロリーグのMVP選手ユリスベル・グラシアルがセンターへの大きなライナーでアラルコンを三塁から本塁に還し、2対2の均衡を破り試合を決め、キューバに勝利を与えた。
この結果により、キューバチームが次のラウンドに進むための選択肢は複数ある。ひとつは今週金曜日(キューバ時間午前5時)に韓国に勝つこと。もうひとつは今週木曜日にオーストラリアがカナダに勝ち、3チーム同率の状態が生まれ、TQBが適用されること。
きょうの試合の教訓
- ラインナップの変更は期待されていたすべてではなかったが、ポジションを与えられたラウル・ゴンサーレスはそのパフォーマンスで第三戦に向けてレギュラーを勝ち取った。おそらくサモンにはもっと大きな責任が与えられてしかるべきだ。彼はキューバの打撃陣でもっとも適応している選手だ。3番か5番が現時点での彼には理想的と思える。
- アヤラやラウルのような選手による2つの犠牲バントは、他のプレーをすることへの信頼がほとんどないことだけを物語っている。しかし、8回における一塁のロエル・サントスと打者ラウル・ゴンサーレスによるヒットエンドランは、現代野球ではほぼ絶滅している埃のかぶった犠牲バントよりもすぐれた選択肢であることを示した。
- グラシアルは得点圏の走者を還せなかった2度のチャンス(6回と8回)のあと、10回に決めた。3番打者として彼を残す信頼感は大きい。しかし、グラシアルにのしかかるプレッシャーはそのパフォーマンスを台無しに
している。6番に下げるのが良いのではないか。
- 9回にアルエバルエナの大飛球を捕獲したアーロン・ホワイトフィールド中堅手の守備は、大会のベストプレーとして異論なく位置づけられるものであり、キューバはこれに異議を申し立てるべきではなかった。決してボールを落としてはいなかったからである。むしろ拍手し称賛すべきものだった。
- バーニョスは不調だったが、ラサロ・ブランコを躊躇なく起用することはキューバにとって韓国戦の先発がいなくなる恐れがあった。しかしどうしても勝たねばならない試合がきょうの試合だった。金曜日は必要なら全員が投げる。きょうの初回のブランコと9回・10回のモイネロの快投は何よりも価値がある。彼らが現在のキューバ最高の投手たちであることを示している。
- キューバの投手陣はきょう制球が改善され(カナダ戦の9四球に対し今日は4個)、三振もきょう14個と好調が続いており、合計すでに26個で、これは今大会でとったアウト57個のうち45.6%に当たる。
- おそらく韓国戦ではセペダに休養を与え、グラシアルを左翼へ移動し、左打者のヨエルキス・ギベルトを右翼へ配置するのが健全だろう。ギベルトは強化試合で好調だったし、間違いなく、韓国チームからもっとも研究されていない選手の一人である。主将のセペダは適応できておらず、彼の熟練さは認められているが、この変更は否定されえない。
- 少なからずの打者の打席での淡白さは、キューバリーグで見慣れているものより高いレベルの投手と対戦する際のアキレス腱であり続けている。まさかうまく打てるから相手チームを観察しないとでもいうのだろうか。
- おそらく今大会の全チームのなかで最高のレベルにある投手陣を持つ2015年前回大会王者の地元韓国チームとの第三戦かつ最終戦で、より活動的な役割を引き受ける用意ができていなければならないチームを活気づけるために、今回のオーストラリア戦での勝利のイメージは利用されなければならない。
スターティングメンバー
オーストラリア:ティモシー・ケネリー(右翼)、アンドリュー・キャンベル(左翼)、ロバート・グレンィニング(二塁)、ミッチェル・ニルソン(指名打者)、アーロン・ホワイトフィールド(中堅)、ローガン・ウェイド(遊撃)、ダリル・ジョージ(三塁)、デビッド・サザーランド(一塁)、ロバート・パーキンス(捕手)、ジョシュア・ガイヤー(投手)
キューバ:ロエル・サントス(中堅)、ラウル・ゴンサーレス(二塁)、ユリスベル・グラシアル(右翼)、アルフレド・デスパイネ(指名打者)、フレデリク・セペダ(左翼)、アレクサンデル・アヤラ(三塁)、ヨルダニス・サモン(一塁)、ヨスバニ・アラルコン(捕手)、エリスベル・アルエバルエナ(二塁)、ブラディミール・バーニョス(投手)
キューバ対オーストラリア プレミア12キューバ第二試合 ハイライト(2019年11月7日)
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ヨルダニス・サモン、キューバチーム最高の成績をあげる
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すぐれた救援で勝利投手になったリバン・モイネロ(右)と捕手ヨスバニ・アラルコン(右)
Out 27: El suspiro de victoria contra Australia 3-2 (+ fotos)
http://www.trabajadores.cu/20191107/out-27-el-suspiro-de-victoria-contra-australia-3-2-fotos/
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