2018年03月03日
アカデミー賞とキューバの歴史
キューバ映画「苺とチョコレート」(トマス・グティエレス・アレア、フアン・カルロス・タビオ共同監督)、1994年の最優秀外国語映画賞部門にノミネート
Radio Rebelde、2018年3月3日、Alejandro Rojas記者
カンヌやベネチア、ベルリンやサンセバスティアンといった国際映画祭が一年中映画界を賑わせているとはいえ、アカデミー賞には及ばない。カリフォルニア州ロサンゼルスに本部がある映画芸術科学アカデミーによるこの賞は、映像作家や芸術家にとって最大の栄誉となっている。
この賞は90年の歴史を持ち、監督、俳優、脚本家、作曲家など映画産業に関する技術分野の大半について、毎年の傑出した作品を選出するものである。
アカデミー賞との関係でキューバを考えた場合、すぐに思い出されるのが「苺とチョコレート」である。あらゆる面で傑出したこの映画は、1994年に最優秀外国語映画賞部門にノミネートされた。しかし、このほかにもキューバ映画とアカデミー賞との関係があるのをご存知だろうか。
キューバに関連した初のアカデミー賞ノミネートは、著名な音楽家エルネスト・レクオーナである。その作品「シエンプレ・エン・ミ・コラソン」(キム・ギャノンによる英語バージョン)は、映画「オールウェイズ・イン・マイ・ハート」(1942年、ジョー・グラハム監督)のサウンドトラックにおける主要楽曲であり、第15回アカデミー賞の最優秀楽曲にノミネートされた。
作家エルミニオ・アルメンドロスの息子であるカタルーニャ人のネストル・アルメンドロスは、スペインのバルセロナで生まれたあと、17歳のときフランコ独裁から逃れ、キューバに移住した。キューバで勉学を終えた彼は、映画に関わるキャリアをスタートさせ、ニューヨークに渡り、ふたたびキューバに戻った。この短い期間に、重要な位置を占めるカメラマンおよびドキュメント作家としてICAICの創設時期に関わった人物である。
キューバを離れ、バルセロナに立ち寄ったあと、フランスに滞在することにした。エリック・ロメールとフランシス・トリュフォーの撮影所の映画監督の横でキャリアを続けるためである。彼はトリュフォーを映画史上最も偉大な監督のひとりとみなした。彼の米国における映画界での活動では、アカデミー賞に4度ノミネート(クレイマー・クレイマー、青い珊瑚礁、ソフィーの選択、天国の日々)され、1979年にはついにテレンス・マリック監督作品の「天国の日々」で最優秀撮影賞を獲得した。
米国の映画芸術科学アカデミーは数週間前に、キューバ人の映画製作関係者3人を会員になるよう招待した。映像編集者のリカルド・アコスタ(数年前からカナダで生活し働いている)、音楽家エデシオ・アレハンドロ、映画監督フアン・カルロス・タビオの3人であり、彼らのとる判断が影響力を持つことになる。
エデシオ・アレハンドロ(左)、フアン・カルロス・タビオ(右)
キューバの偉大な作曲家エルネスト・レクオーナによる美しいこの曲は、映画「オールウェイズ・イン・マイ・ハート」(1942年、ジョー・グラハム監督、ケイ・フランシス主演、ワーナーブラザーズ)で使われた
苺とチョコレート
Cuba en los premios Oscar, representaciones a lo largo del tiempo
http://www.radiorebelde.cu/noticia/cuba-premios-oscar-representaciones-lo-largo-tiempo-20180303/
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