2020年12月28日
大國主神の隱退 その1
第三章 天孫降臨
私按二、大國主神の隱退
大國主神の招諭
大國主神既に勇猛なる武神にして、先住土着の民を從へて大國の主たり。
されば天神の之に臨む亦頗る愼重にして、國土の授受決して平和談笑の間にのみ行はれたるにはあらざりき。
之を古事記及び日本紀の記事に見るに、初め高皇産靈神及び天照大神、八百萬神を天ノ安ノ河原に會して、之を如何にすべきかを議り給ふ。
乃ち思金神(おもひがねのかみ)、八百萬神と議して天穂日命(あめのほひのみこと)を遣はし、國土を天孫に奉るべき命を大國主神に傳へしむ。
天穂日命は天忍穂耳尊などと共に、素戔鳴尊が天照大神と高天原に於て誓約し給ひし際に生れ出で給ひし神にして、實に出雲國造、土師臣(はじのをみ)等の祖にます。
然るに大國主神、勢威強大にして、穂日命使命を完うする能はず、却って大國主神に媚びつきて、三年を經るも復命せず。
乃ち更に其の子武三熊之大人(たけみくまのうし)を遣はし給ひしが、是れ亦父に從ひて歸らず、よりて更に天稚彦(あめのわかひこ)に授くるに天鹿兒弓(あめのかごゆめ)と天波々矢(あめのはばや)とを以てし、之を遣はし給ひき。
されど稚彦、亦大國主神の女下照姫(したてるひめ)を娶りて、其の國を得んとし、八年に至るも復命せず、爲に高皇産靈神の矢に中りて命を落と殞すに至り、最後に天津神は、更に武甕槌(たけみかづち)神に天鳥船神を副へて遣はし給ひき。
日本紀には、之れを經津(ふつ)主(ぬし)、武甕槌(たけみかづち)の二神を遣はし給へりとなす。
二神降りて出雲の五十田狭(いたさ)の小濱(をばま)に到り、十握劒を抜きて浪の穂の上に逆しまに立て、其の劒の前に跌座し、天ツ神の命を傳へて此の國土を奉るべきか否かを問ふ。
✧ 閑話休題 趺坐(ふざ) 両足の甲を反対側の股(もも)の上に置いて足を組んですわること。 ✧
私按二、大國主神の隱退
大國主神の招諭
大國主神既に勇猛なる武神にして、先住土着の民を從へて大國の主たり。
されば天神の之に臨む亦頗る愼重にして、國土の授受決して平和談笑の間にのみ行はれたるにはあらざりき。
之を古事記及び日本紀の記事に見るに、初め高皇産靈神及び天照大神、八百萬神を天ノ安ノ河原に會して、之を如何にすべきかを議り給ふ。
乃ち思金神(おもひがねのかみ)、八百萬神と議して天穂日命(あめのほひのみこと)を遣はし、國土を天孫に奉るべき命を大國主神に傳へしむ。
天穂日命は天忍穂耳尊などと共に、素戔鳴尊が天照大神と高天原に於て誓約し給ひし際に生れ出で給ひし神にして、實に出雲國造、土師臣(はじのをみ)等の祖にます。
然るに大國主神、勢威強大にして、穂日命使命を完うする能はず、却って大國主神に媚びつきて、三年を經るも復命せず。
乃ち更に其の子武三熊之大人(たけみくまのうし)を遣はし給ひしが、是れ亦父に從ひて歸らず、よりて更に天稚彦(あめのわかひこ)に授くるに天鹿兒弓(あめのかごゆめ)と天波々矢(あめのはばや)とを以てし、之を遣はし給ひき。
されど稚彦、亦大國主神の女下照姫(したてるひめ)を娶りて、其の國を得んとし、八年に至るも復命せず、爲に高皇産靈神の矢に中りて命を落と殞すに至り、最後に天津神は、更に武甕槌(たけみかづち)神に天鳥船神を副へて遣はし給ひき。
日本紀には、之れを經津(ふつ)主(ぬし)、武甕槌(たけみかづち)の二神を遣はし給へりとなす。
二神降りて出雲の五十田狭(いたさ)の小濱(をばま)に到り、十握劒を抜きて浪の穂の上に逆しまに立て、其の劒の前に跌座し、天ツ神の命を傳へて此の國土を奉るべきか否かを問ふ。
✧ 閑話休題 趺坐(ふざ) 両足の甲を反対側の股(もも)の上に置いて足を組んですわること。 ✧
タグ:十握劒
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