2020年12月26日
大國主神の國土經營 その3
大國主神は地主神
大國主神は、既記の如く一に大巳貴神、又大物主神などと云ひ、或は大國魂神、顯國魂(うつしくにだま)神、八千矛(やちほこ)神等の別名あり。
實にもと我が大八洲國を領せし國津神の首なるものにして、其の八千矛とは、蓋し武勇勝れたりしことを示せる美稱なるべし。
古事記に素戔鳴尊の此の神に告げ給ひし語を録して曰く、
大国主神には庶兄弟八十神(やそかみ)ましきといふ。
八十神とは多數の神の義なり。
是等の八十神悉く此の神に從ひきとの傳説は、大國神が、所謂八千矛を提げて、多數の土着の豪族等を從へたりし事蹟を語れるものなりと解すべし。
而して其の從へられたる土豪等の中には、高志(こし)の八岐大蛇(やまたのおろち)等と同じく、越人卽ち蝦夷の族もあるべく、又奇稻田姫の親、手摩乳、足摩乳等と同じく、古くより出雲其の他の地方に住せし山神系統の民族もあるべし。
手摩乳神、足摩乳神等は、傳へて大山祇神の後稱せらるる。
大山祇神の事は後に説くべし。
この神の族はなほ海神の族たる海人(あま)が、海(うみ)の幸(さち)によりて生活する如く、山の幸によりて生活する部族なりしなるべし。
此の族もと廣く九州より、中國地方にまで蕃延せしが、其の中には一時越人(こしびと)の脅すところとなりしこと、彼の奇稻田姫傳説の示すが如きものありしならん。
而して素戔鳴尊が八岐大蛇を退治して、其の難を救ひ給ひきと傳ふるは、出雲の神が越人の壓迫より是等の民を救ひ給ひしことを傳ふるものならんなり。
大國主神既に庶兄弟八十神を從へ、又越の八國(やくに)を平げて大國の主となり、高志の國の沼河毘賣(ぬながはびめ)を婚(よば)ひて妃となし給ふ。
ただに幾多の土豪のみならず、越人の國をも從へ、又之を懐柔し、同化し給へるを云へるなり。
✧ 閑話休題 椽(テン)は字義としては「たるき」。家屋の棟から軒にかけて渡して屋根を支える木材で丸いたるきを言う。 ✧
大國主神は、既記の如く一に大巳貴神、又大物主神などと云ひ、或は大國魂神、顯國魂(うつしくにだま)神、八千矛(やちほこ)神等の別名あり。
實にもと我が大八洲國を領せし國津神の首なるものにして、其の八千矛とは、蓋し武勇勝れたりしことを示せる美稱なるべし。
古事記に素戔鳴尊の此の神に告げ給ひし語を録して曰く、
汝(いまし)が持たる生太刀(いくたち)、生弓矢(いくゆみや)を以て、汝が庶兄弟を、坂の御尾に追ひ伏せ、又河の瀬に追ひ撥ひて、おれ、大國主神となり、又現國魂神(うつしくにだまのかみ)となりて、我が女須世理毘賣(すせりびめ)を嫡妻として、宇迦の山の山本に、底津石根に宮柱太知り、高天原に氷椽(ひぎ)高知りて居れ。とあり。
大国主神には庶兄弟八十神(やそかみ)ましきといふ。
八十神とは多數の神の義なり。
是等の八十神悉く此の神に從ひきとの傳説は、大國神が、所謂八千矛を提げて、多數の土着の豪族等を從へたりし事蹟を語れるものなりと解すべし。
而して其の從へられたる土豪等の中には、高志(こし)の八岐大蛇(やまたのおろち)等と同じく、越人卽ち蝦夷の族もあるべく、又奇稻田姫の親、手摩乳、足摩乳等と同じく、古くより出雲其の他の地方に住せし山神系統の民族もあるべし。
手摩乳神、足摩乳神等は、傳へて大山祇神の後稱せらるる。
大山祇神の事は後に説くべし。
この神の族はなほ海神の族たる海人(あま)が、海(うみ)の幸(さち)によりて生活する如く、山の幸によりて生活する部族なりしなるべし。
此の族もと廣く九州より、中國地方にまで蕃延せしが、其の中には一時越人(こしびと)の脅すところとなりしこと、彼の奇稻田姫傳説の示すが如きものありしならん。
而して素戔鳴尊が八岐大蛇を退治して、其の難を救ひ給ひきと傳ふるは、出雲の神が越人の壓迫より是等の民を救ひ給ひしことを傳ふるものならんなり。
大國主神既に庶兄弟八十神を從へ、又越の八國(やくに)を平げて大國の主となり、高志の國の沼河毘賣(ぬながはびめ)を婚(よば)ひて妃となし給ふ。
ただに幾多の土豪のみならず、越人の國をも從へ、又之を懐柔し、同化し給へるを云へるなり。
✧ 閑話休題 椽(テン)は字義としては「たるき」。家屋の棟から軒にかけて渡して屋根を支える木材で丸いたるきを言う。 ✧
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10431436
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック