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2021年04月13日

海神の族 その8

事勝國勝長狭
天孫降臨の際逸早く國を奉りし事勝國勝長狭は、一に鹽土老翁(しほつちのをぢ)と稱すと傳へらる。
彦火火出見尊の海神宮に到り給ふや、鹽土老翁之を指導し奉る。
古事記に之を鹽椎神(しほつちのかみ)とあり。
神武天皇の東征に際して、東方に青山四周の美地あるを教へ奉りしも、亦此の翁なりと云ふ。
鹽土は蓋し「潮路(しほつみち)」にして、海路を熟知する神の謂か。
然らば叉海神に縁あり。
此の神が笠狭の沿海の地を領して、天孫を迎へ奉るといふもの、蓋し海人服屬の義と解すべし。
舊説或は此の神を以て、住吉三柱の筒男(つつのを)ノ神と同體にますと云ふ。
住吉神は亦我が日向なる檍原の禊祓によりて生れませるところにして、實に海事を掌る神にてますなり。
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