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2020年12月25日
大國主~の國土經營 その1
第三章 天孫降臨
私按一、大國主~の國土經營
天孫降臨以前の大八洲國の狀態
天孫降臨以前に於ける我が大八洲國の狀態は、古事記に天照大~の~誥(こう)を記して、
又日本紀には前文引けるが如く、
ここに於てか之を安國(やすくに)と定め給ふべく、天孫降臨の要はありしなり。
されど其の統一なかりきと云ふが中にも、出雲を根據とせりと傳へらるる大國主~の如きは、夙に多くの多くの荒振~等を從へて、所謂大國の主となり、ここに有力なる政治上の一勢力を形成せしものなりと信ぜられき。
大國主~は素戔鳴尊の御子なりとも、又其の六世孫なりとも傳へられる。
素戔鳴尊既に簛ノ川上に於て高志(ごし)の八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し給ふ。
高志は越(こし)にして、越人(こしびと)は卽ち日本海方面に占據せし蝦夷族の人民なりしならんか。
「蝦夷」正しくは之を「カイ」と讀むべし。
蓋し現に北海道、樺太等に住めるアイヌ族と、其の系統を同じくするものなり。
之を「アイヌ」といふは、蓋し「カイナ」の轉なり。
北海道及び樺太のアイヌ、嘗て己が族を「カイ」、又は「カイナ」と呼びき。
「ナ」は美稱の添辭にして、「カイ」蓋し其の本語なり。
されば樺太アイヌの事を、漢土の書に往々「苦夷」といひ。今も同島に住するオロツコ族、ニクブン族などより、之を「クエ」など呼ぶなり。
クイ、クエ、共にカイの轉なるべし。又同じアイヌ族にして、千島に住するもの、之を「クシ」といふ。
是れ亦もとクイと同語なるべく、コシ蓋し是と原を同じうする語なるべし。
私按一、大國主~の國土經營
天孫降臨以前の大八洲國の狀態
天孫降臨以前に於ける我が大八洲國の狀態は、古事記に天照大~の~誥(こう)を記して、
此の葦原ノ中ツ國は、我が御子の知らさらん國と言依(ことよ)ざし給へる國なり。かれ此の國に速振荒振國~(はやぶるあらぶるくにつかみ)等多(さは)にありとなもおもほす。とあり。
又日本紀には前文引けるが如く、
彼の地には多く蛍火光~(ほたるびのかがやくかみ)、及び蠅聲邪~(さばへなすあしきかみ)あり、復草木咸能く物言ふ。と云ひ、又
葦原ノ中ツ國には、磐根(いはね)、木株(このもと)、草葉(くさのかきは)も、なほ能く物言ふ。夜は熛火(もころ)の如く喧響(おとな)ひ、晝は五月蠅(さばへ)なす沸騰(わきあが)る。などあるによりて、其の先住土着の民族の酋長等各地に割據し、殆ど統一する所なかりしと信ぜられたりし狀を察すべし。
ここに於てか之を安國(やすくに)と定め給ふべく、天孫降臨の要はありしなり。
されど其の統一なかりきと云ふが中にも、出雲を根據とせりと傳へらるる大國主~の如きは、夙に多くの多くの荒振~等を從へて、所謂大國の主となり、ここに有力なる政治上の一勢力を形成せしものなりと信ぜられき。
大國主~は素戔鳴尊の御子なりとも、又其の六世孫なりとも傳へられる。
素戔鳴尊既に簛ノ川上に於て高志(ごし)の八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し給ふ。
高志は越(こし)にして、越人(こしびと)は卽ち日本海方面に占據せし蝦夷族の人民なりしならんか。
「蝦夷」正しくは之を「カイ」と讀むべし。
蓋し現に北海道、樺太等に住めるアイヌ族と、其の系統を同じくするものなり。
之を「アイヌ」といふは、蓋し「カイナ」の轉なり。
北海道及び樺太のアイヌ、嘗て己が族を「カイ」、又は「カイナ」と呼びき。
「ナ」は美稱の添辭にして、「カイ」蓋し其の本語なり。
されば樺太アイヌの事を、漢土の書に往々「苦夷」といひ。今も同島に住するオロツコ族、ニクブン族などより、之を「クエ」など呼ぶなり。
クイ、クエ、共にカイの轉なるべし。又同じアイヌ族にして、千島に住するもの、之を「クシ」といふ。
是れ亦もとクイと同語なるべく、コシ蓋し是と原を同じうする語なるべし。
タグ:速振荒振國~
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