2016年11月11日
ヴァント心理学とゲシュタルト心理学とは‐心理学リポート‐
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ヴァント心理学とゲシュタルト心理学とは‐一般教養心理学リポート‐
心理学を1つの学問として、哲学から独立させたのはヴァントである。
ヴァントによれば、心理学は、間接的経験を扱う物理学と同じ経験科学にあたる。
しかし、この物理学との違いは、心理学は直接的経験を扱う学問であると考えた。
つまり、意識を主体とした経験が心理学の担うべき学問分野とした。
詳しく説明すると、目の前で火が燃えていたとしよう。だが、例え火が現実に燃えていたとしても、火を見た人間自身が火を意識していなければ、火を見たことにはならない。
このため、実際に起きていることと、その人間に見えている事は違うのである。
ヴァント心理学は、自己観察によって捉えられる意識過程を分析し、発見して、感覚、心像、感情などの心理要素に分ける。
次にこれらの諸要素の結合の方式を見出し、決定する。
そして、さらに、この結合の方法を明らかにする。
このように、人間の意識は、要素(単純感情)が複合しあい、複合体となって、別の性質の感情へと変化する。
すなわち、複合体を構成している諸要素は一つ一つ意味があるが、それら一つ一つの諸要素が合体したとき新しい固有の意識が発生する。
意識とは、さまざまな要因・要素が組み合わさってできるということである。
ヴァントの心理研究は、まず、心の部分をおさえ、部分と部分を結合させながら意識の全体を捉えようとした。
このように、心理の構成を研究していった。
研究には実験を土台とした。
実験の例をあげると、メトロームを聞いていると一つ一つの拍子は感覚を与えるが、同時にいろんな快を経験する。
この実験で感情の三方向説を唱える。
ヴァントの功績は、人間の心の部分を理論で考えていた哲学から、実験という新しい方法を加えたことである。
ここから心理学は、哲学から独立をはたし、実験理学の物理学に近づき、新しい学問となった。
ヴァントの要素論の心理学と対象的なのがゲシュタルト心理学である。
ゲシュタルトとは、日本語訳で、姿、形、形態である。
簡単にこの心理学を言うと全体から人間の心理を考え、知覚研究を軸とした心理学である。
ゲシュタルト心理学では一つ一つでは意味がなく、その一つ一つが塊となった時に初めて意味をなすものになる。
例えば、映画のネオンサインの原理は、一つ一つではただの点滅を人間は体験するだけだが、それがあつまると動きになり画像として人間は感じる。
このように知覚とは単に刺激と感覚が一対一の感覚でないことが言えるだろう。
その他、ルビオンの盃のように、なにものか1つのものに意識を集中するとその他のものは背景に変わり、次に、背景に意識を集中すると、他のものが背景に変わることを証明した。
また、知覚は実験により、人間の生まれ持った記憶、民族、文化の記憶、生まれ育った地域の記憶などによって影響を受けることや全体の影響、これら大脳に刻まれた経験に、影響を受けることを証明した。
ゲシュタルト心理学で有名な人にケーラーがいる。
彼はチンパンジーの動物実験(例えば手に届かないぶどうをとる実験など)で、チンパンジーは問題が発生した時に解決方法として、全体の空間や場面構成を考えたうえで問題解決に取り組むことを実験で証明した。
これは、一つ一つの要素、ぶどう、棒、箱などが、全体として見たときに初めて、目的や手段を動物は見出すことを意味している。
また、ケーラーは、知覚対象がたとえ時間的にも距離的にも離れている状況であってもお互いに作用し反応しあうことを突き止めた。
これは一つの知覚対象が、その周囲に場をもっているという考えである。
次にゲシュタルト心理学派のレヴァンは、心理学の問題はある種の空間でおきる出来事であると考えた。
詳しく説明すると、人間は意識により、ある一つの空間を作り出す。
もし、問題が発生すると、空間内を感情が移動するのだが、問題が障害物となり、それ以上移動が不可能になる。
このため、想像で別の空間を作り、障害物を通り抜ける方法を考える。
このように人間はあくまで空間全体で認識していくのである。
その他レヴァンは子供を使った集団実験で、いくつかの、それぞれ異なる特性の集団に分けてから、ある作業を行わせた。結果各集団はそれぞれ違った作業結果を残した。
このことは、各集団を全体として考える事ができ、各集団が影響を与え、各集団を構成する一人一人の人間に影響を与えたと考える事ができる。
これは、集団力学という新しい分野の誕生である。
また、この実験は、集団の構成員一人では意味がないが構成員が互いに影響しあい相互に作用し、構成員が、ある種の場をつくるという考えも証明することになった。
今まで説明してきたように、ヴァント心理学とゲシュタルト心理学の違いは一つ一つから注目すか全体から注目するかにある。
ゲシュタルト派はこれらチンパンジー、集団人間の実験などで全体から、意識を考え、また、一つの要素は要素同士で相互に影響を持つことを証明して、一つ一つに意味があると注目するヴァントの要素論を批判した。
(自己発達の心理学 亀谷純雄 文化書房博文社 参照)
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ヴァント心理学とゲシュタルト心理学とは‐一般教養心理学リポート‐
心理学を1つの学問として、哲学から独立させたのはヴァントである。
ヴァントによれば、心理学は、間接的経験を扱う物理学と同じ経験科学にあたる。
しかし、この物理学との違いは、心理学は直接的経験を扱う学問であると考えた。
つまり、意識を主体とした経験が心理学の担うべき学問分野とした。
詳しく説明すると、目の前で火が燃えていたとしよう。だが、例え火が現実に燃えていたとしても、火を見た人間自身が火を意識していなければ、火を見たことにはならない。
このため、実際に起きていることと、その人間に見えている事は違うのである。
ヴァント心理学は、自己観察によって捉えられる意識過程を分析し、発見して、感覚、心像、感情などの心理要素に分ける。
次にこれらの諸要素の結合の方式を見出し、決定する。
そして、さらに、この結合の方法を明らかにする。
このように、人間の意識は、要素(単純感情)が複合しあい、複合体となって、別の性質の感情へと変化する。
すなわち、複合体を構成している諸要素は一つ一つ意味があるが、それら一つ一つの諸要素が合体したとき新しい固有の意識が発生する。
意識とは、さまざまな要因・要素が組み合わさってできるということである。
ヴァントの心理研究は、まず、心の部分をおさえ、部分と部分を結合させながら意識の全体を捉えようとした。
このように、心理の構成を研究していった。
研究には実験を土台とした。
実験の例をあげると、メトロームを聞いていると一つ一つの拍子は感覚を与えるが、同時にいろんな快を経験する。
この実験で感情の三方向説を唱える。
ヴァントの功績は、人間の心の部分を理論で考えていた哲学から、実験という新しい方法を加えたことである。
ここから心理学は、哲学から独立をはたし、実験理学の物理学に近づき、新しい学問となった。
ヴァントの要素論の心理学と対象的なのがゲシュタルト心理学である。
ゲシュタルトとは、日本語訳で、姿、形、形態である。
簡単にこの心理学を言うと全体から人間の心理を考え、知覚研究を軸とした心理学である。
ゲシュタルト心理学では一つ一つでは意味がなく、その一つ一つが塊となった時に初めて意味をなすものになる。
例えば、映画のネオンサインの原理は、一つ一つではただの点滅を人間は体験するだけだが、それがあつまると動きになり画像として人間は感じる。
このように知覚とは単に刺激と感覚が一対一の感覚でないことが言えるだろう。
その他、ルビオンの盃のように、なにものか1つのものに意識を集中するとその他のものは背景に変わり、次に、背景に意識を集中すると、他のものが背景に変わることを証明した。
また、知覚は実験により、人間の生まれ持った記憶、民族、文化の記憶、生まれ育った地域の記憶などによって影響を受けることや全体の影響、これら大脳に刻まれた経験に、影響を受けることを証明した。
ゲシュタルト心理学で有名な人にケーラーがいる。
彼はチンパンジーの動物実験(例えば手に届かないぶどうをとる実験など)で、チンパンジーは問題が発生した時に解決方法として、全体の空間や場面構成を考えたうえで問題解決に取り組むことを実験で証明した。
これは、一つ一つの要素、ぶどう、棒、箱などが、全体として見たときに初めて、目的や手段を動物は見出すことを意味している。
また、ケーラーは、知覚対象がたとえ時間的にも距離的にも離れている状況であってもお互いに作用し反応しあうことを突き止めた。
これは一つの知覚対象が、その周囲に場をもっているという考えである。
次にゲシュタルト心理学派のレヴァンは、心理学の問題はある種の空間でおきる出来事であると考えた。
詳しく説明すると、人間は意識により、ある一つの空間を作り出す。
もし、問題が発生すると、空間内を感情が移動するのだが、問題が障害物となり、それ以上移動が不可能になる。
このため、想像で別の空間を作り、障害物を通り抜ける方法を考える。
このように人間はあくまで空間全体で認識していくのである。
その他レヴァンは子供を使った集団実験で、いくつかの、それぞれ異なる特性の集団に分けてから、ある作業を行わせた。結果各集団はそれぞれ違った作業結果を残した。
このことは、各集団を全体として考える事ができ、各集団が影響を与え、各集団を構成する一人一人の人間に影響を与えたと考える事ができる。
これは、集団力学という新しい分野の誕生である。
また、この実験は、集団の構成員一人では意味がないが構成員が互いに影響しあい相互に作用し、構成員が、ある種の場をつくるという考えも証明することになった。
今まで説明してきたように、ヴァント心理学とゲシュタルト心理学の違いは一つ一つから注目すか全体から注目するかにある。
ゲシュタルト派はこれらチンパンジー、集団人間の実験などで全体から、意識を考え、また、一つの要素は要素同士で相互に影響を持つことを証明して、一つ一つに意味があると注目するヴァントの要素論を批判した。
(自己発達の心理学 亀谷純雄 文化書房博文社 参照)
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