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2020年04月15日

”自粛を要請”という日本語がおかしい理由

自粛とは「自分で自分の行いをつつしむこと。」という意味です。

昨今の社会情勢の中で政府や自治体から外出等の「自粛要請」という言葉をしきりに耳にします。この自粛要請という言葉、それほど違和感なく聞いていたのですが、日本語としておかしい、自分から自発的に実施する行為に対して要請することがそもそもがおかしい、という意見があります。

どのようにおかしいのでしょうか。類似の言葉で「〜を要請」を当てはめて検証してみることにします。

まず始めに「要請」という言葉の意味も理解しておきます。要請とは「必要だとして、強く願い求めること。」です。あくまでも、求める、であって強制的な意味合いはありません。

それでは以下に、自粛要請と類似の「自〜を要請」の例をあげます。

自慢を要請

自慢とは「自分で自分に関係の深い物事を褒めて他人に誇ること」です。
それを要請する、とはあまり聞かないですね。自慢は自分で勝手にするもので、誰かに言われたり、要請されたりしてするものではない気がします。

自作自演を要請

自作自演とは「創作した作品を自らの手で演じること」です。
一見するとそれほどズレていないようにも感じます。どちらかというとネガティブな表現、例えば売名行為とか、開店前の行列のさくらみたいなものをイメージします。

自前を要請

自前とは「費用を自分で負担すること。自分持ち。」という意味です。
パーティー費用や衣装は自腹、自前で用意してください。ということですかね。表現としてはいまいちですが、意味はかろうじて通じそうです。

自問自答を要請

自問自答とは「自ら疑問を発して自分でそれに答えること」です。要請されてもね。。という感じでしょうか。

自首を要請

自首とは「犯人が自らが犯した犯罪について自発的に捜査機関に名乗り出ること。 」です。要請して自首してくれるなら、いくらでも要請したいところ。

自省を要請

自省とは「自分の態度・行為などを反省すること。」です。わざわざ遠回しな表現でなく、ストレートに”反省しろよ”といった方が伝わりますね。

自主退職を要請

自主退職とは「自分から退職を希望する、自身に退職の原因があるもの」です。何だかしっくりこないです。

店長:〇〇くん、明日から君に自主退職を要請する。
〇〇:え?つまり解雇ってことですか?
店長:いや、解雇ではない。自主退職を要請しているだけだ。
〇〇:じゃあ、やめなくても良いってことですよね?
店長:いや、もう君に仕事はない。だから自主退職を強く要請する。
こんな仕事場は自主的に辞めましょう。。

ここまで記載して感じるのは、これらは全て誰かに求められてやることではなく、”自発的”になされるべきだということです。そのため誰かに「要請する」ものではないということです。「自粛を呼びかける」「自粛を促す」くらいなら、ギリギリ本人の自発的なものに委ねている感じですが、要請となると、指示、命令、強制に近いイメージがあり、その結果日本語としておかしくなっているのだと考えます。

自粛要請とは「強制はしないけど。当然みなさんわかっているよね?自粛するよね?」のような、日本文化に根付いた忖度する精神に訴えかけた表現ということでしょうか。どこぞの首相が国民に語った「STAY HOME」の方がシンプルかつストレートで個人的にはよかったです。




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