素人目線　何でも自前

組織が長期に成長、進化するために異なる二つの組織能力が必要となる。一つは「既存事業を深掘りする能力」、もう一つは「新規事業を探索する能力」である。そして両利きの経営とは企業が長期的な生き残りをかけ、この相反する二つの能力を同時に追求することのできる組織能力、これら三つの組織能力の獲得を目指すものである。そのためにそれぞれの能力形成を可能とする組織文化、すなわち仕事のやり方をマネジメントすることが肝心となる。新規事業の開発では経営環境の変化や大きさに柔軟に対応するために新規事業探索ユニットとして、社内企業制度や社内ベンチャー制度を創設し、既存事業とは分離させて経営資源を割り振ることも必要である。その際に、独自の成果を上げやすいように既存事業と異なる評価基準、意思決定の基準、マネジメントのスタイルを認めることが望ましい。既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離するとともに、全社的な統合を促進する包括的ビジョンを掲げることが望ましい。


�@株主が少数であり、意思疎通が図られやすく迅速に意思決定ができる
�Aカリスマ性が発揮されやすく組織文化が醸成されやすい
�B経営者が最後まで責任をとる

�@恣意的な評価が行われやすく人事評価が不透明になりがちとなる
�A同族以外の人は役員なりにくく、従業員のモチベーション向上が図りにくい
�B能力のある人材登用をする道が狭くなりがちとなる

4Cモデルは、Continuity（継続性）、Community（同族集団）、Connection（良き隣人であること）、Command（自由な行動と環境適応）という4つを重要な要素とするものであり、それぞれの要素にプラスの側面とマイナスの側面があることを認めたものである。

「継続性」とは本質的ミッションの追求である。本質的ミッションとは創業家が企業を通して実現しようとした夢が含まれているため、「継続性」は企業存続への情熱であり、心で感じているミッションとその実現に必要となるコア・コンピタンスである。継続性が極端な保守主義に振れると、特定の考えに囚われしまい企業が停滞に陥りやすい。

「コミュニティ」とは、組織内部のつながりや結束力である。血のつながりによる結束の他に、従業員全員をミッション実現のために結束させることである。コミュニティの同質性は外部との隔絶につながり、外部を受け入れられなくなり、誰もが同じように考え、別のアプローチが見えなくなってしまう状態になる。

「コネクション」は、「コミュニティ」とは反対に、外部的なものである。社外のステークホルダーや顧客とのつながりを意味する。ファミリービジネスにおける「コネクション」は、オープンで永続的な互恵関係を築くための情熱である。ファミリービジネスでは、グループ会社や関連子会社の幹部に、創業家の血引いた人物が混ざっていることがある。過剰な場合は発展性を失う。

「コマンド」とは、同族経営企業のリーダーと経営トップチームによる、会社の運営と刷新に関しての決断とスピードと革新の自由である。彼らは株主に対して、独立して行動している。過剰な場合は独裁的になる。

ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の3次元から、ファミリービジネスの時間による変化を分類するもの


ファミリービジネスでは家族間の衝突や感情的な問題がビジネスに影響を及ぼすことがある。家族内の意見の相違や対立が起きた場合、ビジネスの効率や意思決定に悪影響を及ぼす。

プロの経営者やマネジャーの不在が問題となることがある。家族のメンバーがビジネスの経営に関与する場合でも、ビジネスの専門知識やスキルが不足している場合がある。

次世代へのバトンタッチがスムーズに行われない場合、ビジネスの安定性や成長が損なわれる。また、事業承継に伴う家族間の対立や適切な計画の欠如も課題となる。

ファミリービジネスは非経済的な側面と経済的な側面を両立するような経営をしなければならないと主張されている。ファミリープランニングと戦略プランニングを並行的に行うことで企業の永続性を確保する。
価値観（Values）、ビジョン（Vision）、戦略（Strategy）、投資（investment）、ガバナンス（Governance）の5つのステップからなる。