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2021年09月11日

経営法務 〜取締役・取締役会〜

取締役

取締役は、株主総会の決議によって選任される(会社法329条1項)。そして、株主総会の決議によって、何時でも解任することができる(会社法339条1項)。決議要件は、選任決議と同様に普通決議である(会社法341条、347条1項)。会社法の規定では、法人が取締役となることができないことが明文化されている(会社法331条1項1号)
取締役の第三者に対する責任

現代社会においては、株式会社は重要な機能を果たしており、取締役が任務を怠ったことにより、株主や会社債権者等の第三者が損害を受けた場合、それを保護するために取締役に第三者に対する損害賠償責任を負わせている。
@損害賠償責任を負う要件は、悪意または重大な過失である(商法266条の3-1項)。
A決議に賛成した取締役は、その行為をしたものとみなされる(商法266条2項)。
B取締役会の議事録に、反対したことを記載または記録しておかなかった者は、その決議に賛成したものと推定される(商法 266 条3項)。
C株主総会の適法な承諾決議を経ているが、実際には取締役としての任務を遂行していない取締役のことを名目取締役という。通説によれば、名目取締役であっても業務執行に対する監視義務を負い、それを怠れば第三者に対する責任を負うとされ、正規の取締役が任務を怠ったとされる事態について同様の責任が問われる。
D登記簿上に取締役または代表取締役として登記しているが、株主総会における選任決議を経ていない者のことを表見取締役という。通説によれば、表見取締役については就任登記に承諾を与えた者は、自己が取締役でないことを善意の第三者に対抗できず、正規の取締役が任務を怠ったとされる事態について同様の責任を負う。
E取締役の損害賠償責任については法定の特別責任のため責任の消滅時効期間は10年である。
代表取締役

代表取締役を解職する際には、会社法の手続きに従う必要がある。取締役会設置会社の場合には、取締役会決議で代表取締役を解職できる。取締役会決議の定足数や議決要件は、会社法に定めがあるほか、定款の規定により要件が加重されている場合もある。定款に別段の記載がなければ会社法の定めに従うので、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数の賛成により解職できる。
社外取締役

社外取締役は会社法第2条第15号に「株式会社の取締役であって、当該会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことのないものをいう。」と定義されている。すなわち、現在および過去においてその会社または子会社の業務執行取締役または使用人でない(なかった)ことを社外取締役の要件とし、親会社関係者や重要な取引先の関係者等であっても要件を満たすことになる。また、社外監査役については、同第16号に「株式会社の監査役であって、過去に当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。」 と定義されている

@親会社等の取締役、使用人等は、現職である限り、子会社の社外取締役や社外監査役になることはできない。
A親会社等の子会社等(いわゆる兄弟会社)の業務執行取締役等は、他の兄弟会社の社外取締役や社外監査役になることはできない。
B自社の取締役、重要な使用人等の配偶者又は二親等内の親族は、社外取締役や社外監査役になることはできない。
執行役員と執行役の比較

(1)法律上の規定の有無

執行役は、委員会設置会社において設置が義務付けられているが(会社法第402条1項)、執行役員は会社法上の規定はなく、重要な使用人にとどまる。
(2)業務執行に関する意思決定の有無

執行役は、会社法416条4項に基づく取締役会の決議により、委任された事項について業務執行の決定を行い、業務を執行するが(同法418条)、執行役員は意思決定を直接行わず、取締役の意思決定のもとで業務執行することになる。
(3)法的義務および責任

執行役は、取締役の忠実義務、競業避止義務および利益相反取引の制限等の規定が準用され(会社法第419条2項)、役員等の株式会社に対する損害賠償責任の主体(同法423条1項)となることが規定されているが、執行役員にはこのような規定はない。
執利益相反取引

自己のために利益相反取引(直接取引)した取締役は無過失責任を負う(会社法428条1項)。故意または過失が存在しないことを証明しても、損害賠償の責任を免れることができない。自己のために利益相反取引(直接取引)した代表取締役は、任務を怠ったものと推定されるが、総株主の同意があればその責任を免除される。取締役の損害賠償責任を一部免除するためには@株主総会の特別決議(会社法425条1項、309条2項8号)、A定款の定め及び取締役会決議(会社法426条1項)、B定款の定め及び責任限定契約(会社法427条1項)のいずれかによる。
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