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2021年08月08日

企業経営理論 〜消費者購買意思決定プロセス〜

購買プロセスは、消費者が内部および外部からの刺激によって問題やニーズを認識した時に始まるとされる。
購買意思決定プロセス

消費者は一回一回の購買において、@問題認識→A情報探索→B代替案の評価→C選択→D結果の評価からなる5段階の意思決定プロセスのすべて(または一部)を経由することになる。この5つのプロセスは、製品購入時に必ずすべて通過するわけではなく、製品の特性によっては省略されたり、また順番が逆になったりすることもある。
@問題認識

購買行動の出発点となる問題認識は、最寄品の場合、家庭内ストックのような内部と、広告などの外部からの刺激が主な要因となる。身近な最寄品で置き換えて考えてみると例えばトイレットペーパーを買いに行く動機として、自宅のストックがなくなる(内部)、またはチラシで激安セールをしている(外部)がある。
A情報探索

高関与の場合には、その商品カテゴリーの関心度が高いので、広範囲に情報探索活動が行われる。
B代替案の評価

ある特定の商品カテゴリーにおけるさまざまなブランドに関する消費者の知覚を図にしたものを知覚マップという。消費者が商品を評価する際には、品質ももちろん重要な要素だが、選好が重要であり、消費者の主観的評価「好き嫌い」に左右されるところが大きい。
情報探索段階

コトラーは、情報探索段階において、商業的情報源、公共的情報源、個人的情報源、経験的情報源の4種類があることを説いている。一般的に消費者は商業的情報源から最も多くの情報を得る。しかし、最も効果的な情報となると、個人的情報源か独立機関などの公共的情報源から得ることが多い。
商業的情報源

マーケティング、広告、ウェブサイト、販売員、商品パッケージ、店頭の実物展示など
公共的情報源

4媒体の記事などマスメディア、製品評価を行う消費者団体など
個人的情報源

口コミ、家族、友人、隣人、職場の同僚、知人など
経験的情報源

製品の操作、検討、使用、実際に触れることなど
内部探索と外部探索

情報探索の際の情報源には、大きく分けて内部探索と外部探索がある。「内部探索」は既に記憶の中にある情報を探索すること、「外部探索」は外部環境から情報を探索することとされる。外部環境からの情報は「店舗出向」「カタログやウェブサイト」「友人」などが該当する。
関与

関与と知識の水準は消費者の購買意思決定に大きな影響を与える。関与とは、どれだけその商品に対して思い入れやこだわりがあるかを示す考え方である。ある商品に対して高関与の場合、思い入れやこだわりが強いため、購買意思決定に当たって情報探索の量は増加し、消費者の情報処理活動は複雑になる。また、自分自身に知識があるほど、消費者自ら情報を判断することが可能になる。そのため、例えば「店頭の販売員による説明」は、知識の少ない(低い)人には有益であるが、知識の多い(高い)人には逆に不快に感じることがある。
運営管理_関与.001.png
高関与

高関与な消費者に対して、商品の金銭的・社会的リスクや専門性を知覚させることで、企業は自社が行うマーケティング・コミュニケーション活動への反応を高めることができる。
低関与

低関与である場合、消費者は簡略型の情報処理を行う。例えば、「冷凍食品は特売時に買う」「いつものビールを選ぶ」といった簡単な方法によるヒューリスティクスと呼ばれる評価を行う。
消費者の関与と知識の高低の状況により消費者が重視する情報源

高知識の場合、その製品のことをよく知っているため、自分自身で製品を選びたいと思う。そのため、「販売員の説明」は高知識の場合には合致しない。高知識の場合は、「製品仕様書」や、「店頭の現物」をもとに自分自身での選択を希望することになる。「製品仕様書」と「店頭の現物」では、高関与の場合ほど求める情報探索量が増える。より詳しい情報が記載された「製品仕様書」が高関与となる。
認知的関与と感情的関与

関与は「認知的関与」と「感情的関与」に大別される。例えば、「認知」とは知っている状態のこと、「感情」とは魅力的に感じている状態のことである。ここで、両者のどちらの態度が変化しにくいかを考える。ある製品を魅力的に思っていた(感情的関与)にも拘らず、何らかの原因によって魅力的に思わなくなる可能性は考えられる。一方、ある製品を知っている状態(認知的関与)は、何らかの原因が起きたとしても、それを知らなくなるということはない。つまり、感情的関与によって形成された態度は、認知的関与によって形成された態度よりも変化しやすい。例として「好みが変わった」などの表現がわかりやすいだろう。
関与水準

関与水準を規定する要因として、「内因的自己関連性」と「状況的自己関連性」がある。内因的自己関連性はこれまでの使用・消費体験により蓄積された製品の属性やそこから得られる結果についての知識が引き金となり、製品と自己との関連性が感知される。状況的自己関連性は、消費者の置かれる状況が製品と自己との関連性を感知させるものである。全体としての関与水準は両者のバランスによって規定され、例えば、洗濯機のように自己との関連性がそれほどない製品関与の低い場合でも、それが故障した場合には状況的にその製品に対する購買関与が高まるなど変動するものである。
製品関与

製品関与とは、消費者がある製品に対してどれだけ重要性やリスクを感じるかの水準を指し、消費者がその製品にどれだけこだわりを持っているかということである。ある製品に対して消費者が持つ、こだわりの強さのことであり、消費者が購買行動や情報収集をするときの行動に深い影響を及ぼすものである。製品関与には、楽しいと感じる感情的関与、ブランド・メーカーを知っている認知的関与、特定のブランド嗜好を持つブランドコミットメント、の3つの尺度がある。
アサエルの購買行動分類型

購買行動分類.001.png
ブランド間の知覚差異が高く、関与水準の低い場合はバラエティ・シーキング型の購買意思決定が行われる
連結型

連結型とは、多属性における意思決定ルールに用いられるものであり、検討する属性の各々に最低限これだけあれば満足できるという基準を設け、選択肢を順番に評価していく。設定した要求水準をすべて満たした選択肢が現れれば、その選択肢を採用する。
辞書編纂型

辞書編纂型とは多属性における意思決定ルールに用いられるものであり、最も重要な属性について最も高い評価を持つ代替案が選択される意思決定方法である。ただし、同順位の代替案があった場合は、2番目に重要な属性について最も高い評価を持つ代替案が選択される。パソコンの購入に際して、消費者は最も重視する属性で高評価な候補製品を選び、その属性で候補製品が同評価であれば、次に重視する属性で選ぶ場合がある。こうした決定方略は辞書編纂型と呼ばれる。
代償型ルール

検討すべき属性を挙げ、全属性を評価し、総合的評価を行うものを代償型ルールという。代償型ルールにおいては、ある属性に関する否定的な評価は、他の肯定的な属性によって代償(相殺)されるという考え方に基づく。マンション購入に際して、消費者は価格、立地、間取り、環境や建設会社など、検討すべき属性を網羅的にあげ、候補物件において全属性を評価し、総合点が高い選択肢を選ぶ。これは代償型ルールに該当する。
EBA型

EBA型とは属性により排除する意思決定ルールであり、属性の重要度の順に、属性の必要条件を満たしているかを検討し、必要条件を満たさない代替案を排除していくというルールである。
購買問題の解決行動

消費者が自分の購買問題を解決する際、限定的問題解決行動、定型的問題解決行動、包括的問題解決行動の3つの場合に分けられる。ピーターとオルソンの研究に基づく関与と知識の水準と意思決定プロセスによれば、高関与―高知識の場合、高関与―低知識の場合と比較し、満足の最大化を目指し限定的な意思決定プロセスをとりやすいとしている。すなわち、高関与―低知識の場合は、消費者はどのようなブランドが選択代替案として存在するのか、また各ブランドがどのような特徴を持つのかも知らないため、意思決定に向けた情報収集などに多くの労力を費やす包括的な意思決定プロセスをとる。一方で、高関与―高知識の場合は、既に製品カテゴリーについて ある程度の知識があるため、低知識の場合と比較して限定的な意思決定プロセスをとるようになる。
限定的問題解決行動

新製品が登場した場合の購買行動であり、追加的な情報処理を行う。追加的な項目については、ある程度時間をかけて検討する。成長期にある製品は、増加する競合製品に対抗するために製品の種類を増やしたり改良を加えたりする。そのような製品を購入する場合、消費者は増えた種類や改良点について情報収集する。そのため限定的問題解決行動はプロダクト・ライフサイクルの成長期にある製品の購買の際に多い。消費者が特定ブランドに対する高いロイヤルティを持つ場合、そのブランドに対する忠誠心から、特定ブランド中心の狭い範囲での情報探索を行い、その結果「限定的問題解決」を行うことの方が多くなる。
定型的問題解決行動

消費者が当該製品や当該ブランドを良く知っている際にみられる行動で製品やブランドに関する情報処理に時間をかけない。定型的問題解決行動をとり続けると、特定の製品やブランドに対する選好がますます明確かつ強固になるため、他の製品をますます考慮しなくなる。
包括的問題解決行動

消費者が当該製品やブランドに対する情報をほとんど持っていない場合の行動である。消費者は製品特性や代替品の評価や必要な情報の探索に時間を多く使う。
購買意思決定に関する諸仮説

知覚リスク

購買決定を変えたり、先延ばしにしたり、避けたりする消費者の意思決定は、「知覚リスク」の影響を大きく受ける。商品に対する関与(思い入れ)が高い場合や選択肢が多い場合、深く考えたうえで購買意思決定がなされる。そのため、知覚リスクは高まる。知覚リスクには次のようなものがある。機能的リスク(製品が期待通りに機能しない。)、身体的リスク(製品の使用により、ユーザーやその他の人の身体的健康が脅かされる。)、金銭的リスク(製品が、支払った代価に見合わない。)、社会的リスク(製品の使用により、他者から嫌がられる。)、心理的リスク(製品の使用により、ユーザーの精神的健康が影響を受ける。)、時間的リスク(製品がきちんと機能しない場合、他の満足のいく製品を探す手間がかかる。)知覚リスクの量は、支払い金額の大小、製品属性の不確実性の度合い、消費者の革新の度合いによって異なる。消費者は、決定を避けたり、友人から情報収集したり、有名ブランドや保証を好んだりといった、リスク軽減のための行動をとることにつながる。聞いたことのない小売業者のウェブサイトから製品を購買する際、しばしば意思決定の内容を変更したり、延期したりすることがあるが、その一因は、さまざまな知覚リスクを回避しようという行動にあるといえる。
ヒューリスティック

ヒューリスティックとは、意思決定プロセスにおける経験則またはメンタルな近道のことである。消費者は購買意思決定プロセスの中で、必ずしも念入りで合理的な方法で情報を整理したり意思決定を下したり完全情報の獲得に基づいて行動するするわけではない。情報処理や意思決定は経験則、つまりヒューリスティクスに左右されることがある。テレビを買い替える場合、過去の使用経験から特定ブランドに好ましい態度を有している消費者の多くは、他ブランドを詳しく検討することなく、当該ブランドを選ぶことがある。
精緻見込みモデル

精緻見込みモデルは、関与の高いときと低いときそれぞれの場合の消費者の評価方法を説明しており、高関与の状況下では説得への「中心ルート」を通り、低関与の状況下では説得への「周辺ルート」を通ると仮定したモデルのことである。すなわちその製品などに対する関与の高い場合は、 機能や価格といった本質的な情報が重要視され、また低関与の場合は、口コミやデザインなどによって行動が促されるとしている。関与度の高いときに消費者は態度の形成と変容に十分な考察を伴い、製品またはサービスに関する最も重要な情報を入念かつ合理的に検討する。 一方、十分な「動機」、「能力」、「機会」をもたず関与度の低い消費者は製品・サービスやブランドに対して、あまり深い考察を伴わずに態度を形成したり、変容させたりする。消費者は肯定的または否定的な周辺的手がかり(有名人の推奨、信頼性のある情報源等)に影響を受ける。精緻化見込みモデルにおいて「中心ルート」を通るのは、「情報を処理するモチベーションがあり」かつ「情報処理を行う能力がある」場合であり、どちらかが欠けていた場合は精緻化の見込みは低くなり、周辺的ルートによる態度変化が生じる。
多属性態度理論

多属性態度理論とは、消費者のブランドに対する全体的な評価としての態度は、ブランドが持つ複数の属性(価格、機能、デザインなど)ごとの確信度(信念の強さ)と、その属性の評価的側面(当該属性の重要度)との積の総和によって決まると仮定したモデルのこと。この理論の評価ルールでは、ある属性のマイナス面(価格が高いなど)を 他の属性のプラス面(燃費が良いなど)で相殺(補償)することを許容する構造となっている。
低関与マーケティング戦略

低関与製品を高関与製品に転換するためのひとつの手法は、製品を関与度の高い問題と関連付けることである。製品を関与度の高い問題と関連づける例としては、喉の渇きを潤すという用途で使用されるお茶をダイエットと結びつける、歯を綺麗にする用途で使用される歯磨き粉を虫歯予防と結びつける等をあげることができる。低関与マーケティング戦略としてはその他に製品を関与度の高い個人的状況に結びつける方法(フルーツジュースのメーカー各社が、製品強化のために、カルシウムなどのビタミン類を成分に加える等)、個人的価値観や自我の防衛に関連した強い感情を引き起こす広告を立案する方法(シリアルメーカー各社が、シリアルは心臓によく、家庭生活を楽しむために長生きすることは大切だ、と大人向けに広告をする等)、製品に重要な特性を付加する方法(GEが電球に、人にやさしく、省エネにつながる「ソフト・ホワイト」バージョンを導入する等)等がある。
バラエティ・シーキング

バラエティ・シーキングとは、低関与製品のうち、ブランド間の差異が大きい場合にみられる頻繁なブランドスイッチングのことをいう。クッキーを購入する場合を考えてみると、消費者はクッキーについて特に深く考えることもなくブランドを選択し、消費しながらその製品の評価を行う。しかし、次は違う味を求めて別のブランドを購入するかもしれない。ブランド・スイッチを行うのは、不満からではなく、多様性を求める気持ち(バラエティ・シーキング)があるからである。ある小売商が店頭で靴下の「よりどり3点 600 円」の販促を実施した。多くの消費者が売れ筋以外の単独の販売ランキング下位の靴下も購買していた場合、売れ筋以外へのブランドスイッチングが起きたことを意味している。。これは、バラエティ・シーキング論の主張と一致する。
道具的条件づけ

ブランド関連商品をおまけに付けた商品が売上を伸ばしている場合、その要因は「道具的条件づけ」で説明することができる。道具的条件づけとは、何らかの条件に対して、ヒトが「報酬を得るために行動を起こす場合」や「罰を避けるために行動を起こさない場合」に適応できる考え方である。特徴として、@「刺激」と「反応」との間に、ヒトの「意思」が介在している。A次第に、その「反応」が強化されていくという点がある。ブランド
関連商品としておまけがついた場合は「ブランド関連商品」という報酬を得るために購入している。売上が伸びているということは「反応」が強化されていることとなる。「道具的条件づけ」と比較される概念として、「古典的条件づけ」がある。「梅干しをみたら唾液が出る」という反応のように、「梅干し」という刺激に対して、すぐに(反射的に)「唾液がでる」という反応が起きている。このような条件づけを「古典的条件づけ」という。
オピニオンリーダー理論

オピニオンリーダー理論では特定の製品分野についての深い専門知識を持った人々が、新しい製品に関する情報を収集し、自ら編集したメッセージで情報発信することの重要性が示されている。
マーケットメイブン

近年オピニオンリーダーと対比される用語である。マーケットメイブンはオピニオンリーダーとは対照的に製品カテゴリ横断的な幅広い知識を持ち、さらには知識を伝える方法も幅広く持っていることに特徴づけられる情報発信型消費者のこと。このタイプの消費者は、インターネット上のコミュニティやソーシャルメディア上で情報を拡散させるコミュニケーション機能を果たす極めて現代的な情報発信者といえるだろう。また、ネット情報や口コミにより敏感な消費者層でもある。
サイコグラフィックス

サイコグラフィックスとは市場細分化基準における「心理的要因」のことである。例として、ロイヤルティやライフスタイルがある。
選択的注意、選択的歪曲、選択的記憶

知覚には選択的注意、選択的歪曲、選択的記憶という3つのプロセスが存在し、消費者は一般的に事前に有していた知識や態度と合致するように、情報に注意し、情報を解釈し、情報を記憶する傾向がある。選択的注意は人は毎日膨大な情報に触れているが、その全ての情報に注意を払うわけではないことである。すなわち、自分が興味のある情報や注意を引く情報以外は気に留めないことを示すものである。選択的注意プロセスによれば、@消費者は現在のニーズに関係のある刺激に反応する傾向がある、A消費者は予想していた刺激に反応する傾向がある、B消費者は通常よりも刺激の強いものに反応する傾向がある、とされている。選択的記憶は人は学習したことの多くを忘れてしまうが、自分の態度や信念を裏付けてくれるような情報は覚えている傾向がある。
弱い紐帯で結ばれたネットワーク

社会学者であるマーク・S・グラノヴェターの「弱い紐帯の強さ」という論文において、広範囲にわたる情報の伝達やイノベ ーションの伝播においては家族や親友などの強いネットワーク(強い紐帯)よりも、知人のような弱いネットワーク(弱い紐帯)が重要であるとしている。つまり、強い紐帯で結ばれたネットワーク内では同質性や類似性が高く冗長な情報を持つが、 弱い紐帯で結ばれたネットワークでは、情報の冗長性が低いため情報が伝播しやす いとしている。消費者間ネットワークを用いて広くマーケティング情報を伝えたいと考えるとき、消費者間の弱いつながりが重要な役割を果たす。
認知的不協和

消費者は商品やサービスの購入によって満足を得ようとするが、購入後の満足度合いが購入前の期待に達しない場合もある。この場合に生じる不満足のことを、認知的不協和と呼ぶ。認知的不協和を覚えた消費者は、「自分の購買は正しかった」ということを再認識するために、その商品やサービスに関する肯定的な情報を得ようとする。購買後に心理的な緊張が生じると、好ましい情報を求めて、当該企業のホームページや広告を見たり認知的不協和を感じないようにするために競争製品の広告ではなく、購入した製品の広告を見る傾向がある。認知的不協和を解消したり、できるだけ少なくすることにより、顧客が自社製品やサービスのファンになってくれる可能性が高まり、ロイヤルティの形成につながる。製品そのものにおける差別化がむずかしい昨今では、認知的不協和を解消したり、その発生をできるだけ少なくすることは、企業にとって大きな意味を持つようになっている。無条件返品制度やパソコンのサポートセンターなどは認知的不協和を解消するための方策の1つである。
準拠集団

特定の情報発信型消費者が他の消費者に対して強い影響力を持つことがある。憧れの対象(期待集団)、分離の対象(分離集団)、消費者自身が所属する集団(帰属集団)といった情報源としてとくに重視される人々や自分の行動に影響を与える集団を準拠集団と呼ぶ。この種の集団には憧れや分離の対象といった個々の消費者が直接的な接点を持たない対象だけでなく、学校や職場、サークルなどのように実際に消費者自身が所属している集団も含まれる。一方で他人の目に触れないような商品のブランド選択行動については準拠集団が与える影響は小さい。例えば寝具や部屋着など、プライベートに使用する商品は、使用場面が他人の目に触れないので、どのブランドを選択するかはさほど重要ではない。その場合はブランドよりも機能や好みなどで商品を選択する。それに対し、例えばスーツや外出着など、人目に触れる場面で使用する商品は、他人の目が気になるので、準拠集団がブランド選好に影響を与える。また、近年家族の個人化が進んでおり、家族の消費者行動への影響を分析する際には、ライフサイクルだけでなく、ライフコース(人生においてどのような道筋を辿っているか)にも注目する必要がある。購買選択の際に専門的知識が必要な場合よりも、感覚や好みに基づいて選択される場合に、消費者は特に属性(性別や年齢など)や価値観が自分と類似している他者の意見やアドバイスを重視しやすい。

期待集団(希求集団)

実際に所属していないが所属することを望んでいる集団のこと。あこがれの有名人が持っているものと同じものを、自分も所有したいと思う。具体的には、アイドルやスポーツ選手が使用している商品を欲しくなる心理である。自分に対する他者からの否定的な評価を避け、肯定的な評価を形成していこうとする欲求は自己高揚と呼ばれる。自己高揚のレベルが高い消費者は、自分の所属集団よりも、願望集団で使用されているブランドとの結びつきを強める傾向が ある。
第一次集団や第二次集団

第一次集団や第二次集団は服装やマナーなど基本的な価値観を形成するうえで大きな影響を与える。服装やマナーといった基本的な価値観は、家族や職場といった集団から大きな影響を受けて形成される。
分離集団

所属しないことを望む集団のこと購買において、ある集団を模範にしたくないと思う。自分が所属していなくても、その集団が持っている価値観や態度を拒絶することがある。
帰属集団

家族、職場、世代など、個人が直接・間接に所属している集団のことである。
消費行動分析

ライフサイクル・アプローチ

デモグラフィック基準に属する概念である。住宅や 自動車、家電製品などの耐用年数の長い耐久消費財への支出はライフサイクルが進むにつれて減少する傾向にある。
ライフスタイル・アプローチ

サイコグラフィック基準に属する概念である。
ライフコース・アプローチ

生涯にわたる人生の道筋となる概念である。ライフコースの概念では、ライフイベントごとの選択のあり方が個々の人生の道筋の多様化を生み出すとされている。これら選択の多様化によって、社会人教育や婚活(結婚活動)
など新たな消費機会が生まれる。
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