工程分析記号
工程分析記号とは、生産工程を図表化して分析する際に用いられ、基本図記号と補助記号に分かれる。基本図記号は、下表の通り「加工」「運搬」「停滞」「検査」の4つの要素工程を6つの基本図記号で表す。
加工を行いながら運搬も行うなどの場合は基本図記号を組み合わせた複合記号が用いられる。
生産リードタイム
「生産の着手時期から完了時期に至るまでの期間」と定義され、工場内での原材料の状態から、最終製品とし
て出荷可能な状態になるまでの時間のことである。生産リードタイム短縮の改善策として以下がある。
ディスパッチング法
1つの作業が終わるたびに、次に行う作業を
決める「時点計画法」の代表的なスケジューリング法である。また、ディスパッチングルールとは、「待ちジョブの中から、次に優先して加工するジョブを決めるための規則のことで、先着順規則、最小作業時間規則、最早納期規則、最小スラック規則などがある」と定義される。したがって、受注状況に応じてディスパッチングルールを変更することで、リードタイムの短縮を図ることができる。
流れ線図(フローダイヤグラム)
建屋の配置図に工程図記号で位置関係を示し、物や人の流れを視覚的に把握することを目的とするものである。流れ線図の作成で設備の配置などを再検討し、合理的レイアウトに変更することによって、リードタイムを短縮することができる。
マンマシンチャート(人・機械図表)
連合作業を行う複数の人や機械を同時に組み合わせて、図示したものである。また、連合作業分析とは、「人
と機械(人・機械分析)、二人以上の人(組作業分析)が協同して作業を行うとき、その協同作業の効率を高めるための分析手法」(JIS Z 8141-5213)のことである。すなわち、マンマシンチャートの作成によって、作業効率を高めるための改善活動を行い、リードタイムの短縮を図ることができる。
サーブリック分析
F.B.ギルブレスによって開発された動作分析手法で、18の基本的動作からなるサーブリック記号を用いる。サーブリック記号は第1類:作業に必要な動作要素(8つ)、第2類:作業の実行を妨げる動作要素(6つ)、第3類:実質的に作業を行わない動作要素(4つ)の3種類から構成されている。第1類に対してはさらなる効率化の工夫を考え、第2類と第3類に対しては基本的になくせないかという考えで改善に取り組む。
マテリアルハンドリング(MH:Material Handling)
マテリアルハンドリングとは、日本マテリアル・ハンドリング(MH)協会によると、「あらゆる“目的”“時”“場所”とで、何らかの物を何らかの方法で取り上げたり、移動したり、置いたりすることによって、経済性や生産性及び品質を向上させる手法」としている。つまり、運搬取扱いや保管を主体とした現品管理のことであり、さらに広義の解釈としては、運搬管理と物的面管理としての倉庫管理を総合した内容を持つものである。
自重軽減の原則
自重(じじゅう)とは、船舶・車両・構造物などの、それ自体の重量のことである。つまり「自重軽減の原則」は、パレットやコンテナなどの運搬具を対象とし、運搬具自体の重さを減らせないか、とういうことである。
継ぎ目の原則
継ぎ目とは、運搬の過程において移動の終点から次の移動の始点までの間を示す。「継ぎ目の原則」は、@1つの移動の終点と次の移動の始点との間で積み替えを少なくする、A工程間で品物を停めないようにする、という原則である。工場の床面とトラックの荷台の高さを揃えることで、フォークリフトを使ってトラックから直接原材料を搬入できるようにする、といったことが該当する。
ユニット化の原則
荷物を、機械および器具による取扱いがしやすくなるように一定のユニット単位(パレット単位、コンテナ単位など)にまとめることである。作業者が個別に運搬を行ってきた複数種類の原材料を、運搬用パレットを準備してフォークリフトで一度に運べるようにする、といったことが該当する。
活性荷物の原則
置かれている荷物は動かしやすい状態にする、運び出すときの手間を省く、などの対応を行うことで荷物を活性の高い(動かしやすい)状態にせよ、という原則である。倉庫の床に直接置いていた製品をパレット上で保管するようにする、といったことが該当する。
重力化の原則
重力化の原則(グラビティ・プリンシプル)は、品物の運搬に重力を活用して、人の力や人間または機械、動力を省けないか、ということである。物の運搬に重力がかからないようにせよ、ということである。
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