中小企業における「のれん償却」
「中小企業の会計に関する指針」(以下、「指針」という。)では、のれんに関する明確な記述は見られないが、貸借対照表の例示には資産の部、固定資産の無形固定資産の区分に「のれん」が計上されている。また、指針34項(1)では、「無形固定資産の減価償却の方法は、定額法その他の方法に従い、有効期間にわたり毎期継続して適用する」と記載されていることから、のれんの償却を行うものと考えられる。なお、指針8項では、「中小企業が計算書類を作成するに当たり拠ることが望ましい会計処理を網羅的に示すことは、およそ不可能である。そのため本指針では、特に中小企業において必要と考えられるものについて、重点的に言及している。」と述べられている。この点からも、のれんの償却を行わないという理解には至らず、のれんの償却は行うものと考えられる。
負ののれん
「企業結合に関する会計基準」(以下、「基準」という。)31項によると、「取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合には、その超過額はのれんとして次項に従い会計処理し、下回る場合には、その不足額は負ののれんとして第33項に従い会計処理する」と述べられている。基準33項では、「負ののれんが生じると見込まれる場合には、次の処理を行う。・・・(中略)・・・(1)取得企業は、すべての識別可能資産及び負債(第30項の負債を含む。)が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直す。(2)(1)の見直しを行っても、なお取得原価が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を下回り、負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理する」とある。また、財務諸表等規則第95条の2では、「特別利益に属する利益は、固定資産売却益、負ののれん発生益その他の項目の区分に従い、当該利益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない」と規定されている。
のれん償却期間
基準32項では、「のれんは、資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する」と述べられている。
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