リーダー企業
自社が属する業界のライフサイクルの導入期に活動が活発になり、他社の行動を追随する同質化を推進し、市場全体の規模を広げる役割を担っている。リーダー企業がその地位を守るためには3つの要素がある。@市場全体の規模を拡大すること、A自社のシェアを守ること、Bシェアの拡大を図ること、である。3のシェア拡大に関しては独占禁止法の問題があるため限度があり、最終的には最適なシェアに落ち着くことになる。しかし、最適シェアに達するまではシェアの拡大を図る。マーケット・シェアの拡大はリーダー企業に大きな利益を生む。
同質化政策
リーダーがチャレンジャーに対してとる戦略。同質化政策とは、チャレンジャーによる差別化戦略に対し、経営資源の優位性による模倣・追随により、その差別化戦略を無にするものである。なお、チャレンジャーの戦略定石は、対リーダーへの差別化や自社と同等以下の企業への攻撃であり、市場シェアの拡大を図ることである。フォロワー企業のなかにはただ模倣するばかりでなく、自らリーダー企業の製品に工夫を加え改良する企業もある。また、フォロワー企業の改良品が優れたものであるならば、リーダー企業はその改良品を追随・模倣する。
周辺需要拡大
市場全体の需要を底上げしていく戦略である。当該製品の需要が拡大した場合、その新規拡大分がシェア構成に応じて分配されるならば、最大シェアのリーダーの取り分が最も大きくなる。また、周辺需要の拡大により獲得できる新たな顧客層は、いわゆる後期大衆である場合が多く、当該製品の関与度が相対的に低いため、トップブランドの製品を購入しやすい。その結果、リーダーの取り分は、現在のシェア構成以上に高まる可能性がある。周辺需要の拡大による売上の増加やシェア拡大と製品開発の投入スピードとの因果関係は弱く、売上の増加やシェア拡大により獲得した資金を迅速に新製品へ投入することも考えらえるため、一概に、売上増加やシェア拡大が新製品の投入を遅らせてしまうとは限らない。また、周辺需要を拡大することが新たなニーズの発見などで新製品開発に結びつくこともある。
チャレンジャー企業
チャレンジャーがリーダーを逆転する上で有効な戦略は、リーダーが蓄積してきた企業資産(生産設備や技術など)や市場資産(ソフトウェアや企業イメージなど)を負債にできるような、リーダーの足を引っ張る戦略である。
フォロワー企業
フォロワーは、ある業界で3位以下に位置し、あえて危険を冒すことなく現在のシェアを守ろうとする。業界で生き残ることを目標に、購買の動機として価格を重視するセグメントをターゲットにし、徹底的なコストダウンを行い、代替品を低価格で提供していく戦略を採る。市場全体をターゲットとするフル・カバレッジにより、リーダーの製品を模倣していく戦略を採る。フォロワーの基本戦略は、リーダーや他企業に対しての模倣戦略が主となり、収益をあげるにはローコストオペレーションによる低価格戦略が必要となる。
ニッチャー企業
ニッチャーの戦略は、特定の市場セグメントで疑似的独占を形成することである。特定の市場セグメントで独自性を発揮できる戦略を遂行して、強い市場支配力を狙うことが必要である。狭いターゲットに対して、業界の価格競争には巻き込まれないように閉鎖型の販売チャネルを採用して、媒体を絞り込んだプロモーションを展開する。集中による特定市場でのミニリーダー戦略とも言える。リーダーの戦略である周辺需要拡大、非価格対応、同質化政策、最適シェア維持といったリーダーの戦略を特定市場で行うことでもある。
ニッチ戦略が成り立つ条件としては以下、
・利益が出る市場規模があること
・市場に潜在的な成長力があること
・他社の参入を防ぐ障壁を築いていること
相対的地位による価格競争
クールノー均衡
クールノー均衡とは、相手の企業の生産量を所与として自社が利潤を最大化した場合の生産量の組み合わせである。
シュタッケルベルク均衡
シュタッケルベルク均衡は、どちらかの企業が先導者(リーダー)になり、もう一方が追随者(フォロワー)となるという設定に特徴がある。ここで、先導者(リーダー)の生産量はクールノー均衡の状況と比べて多くなり、追随者(フォロワー)は少なくなる。
ベルトラン均衡
ベルトラン均衡は、相手企業の設定する価格を所与として自社が利潤最大化を実現する場合の価格の組み合わせを意味する。ここで、価格競争を行う場合、追随者(フォロワー)は、先導者(リーダー)が付ける価格を見て後から価格を設定することができる。 そのため、追随者(フォロワー)の方が先導者(リーダー)よりも利潤は多くなる。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image