アフィリエイト広告を利用しています

2021年04月17日

企業経営理論 〜成長戦略〜




製品と市場によるマーケティング戦略

seihinsenryaku.001.jpeg
市場浸透戦略

既存の製品において、既存顧客一人当たりの使用量の増加を図るなど顧客内シェアの向上を目的とした戦略である。既存顧客がいないと戦略が成り立たないので、「既存顧客が流出しないこと」「既存顧客を維持すること(=固定客化)」の2つに留意する。他社の参入を阻止するために自社の市場シェアを強化するための体制を整備することは市場浸透戦略の補強行動として適切である。
新製品開発戦略

既存の市場に対して新製品を投入する戦略であり、製品ラインの拡大や、モデルチェンジなどによって新製品で市場深耕を図ることを目的とした戦略である。
新市場開拓戦略

既存製品において国内・海外を問わず新しい市場を開拓していく戦略である。既存製品の新用途を開発することも含まれる。例えば、ネスレ社のインスタントコーヒーメーカーである「バリスタ」は、家庭だけでなくオフィスや小売店内など利用シーンを訴求することで新たな市場を開拓している。
多角化戦略

新製品で新市場を開拓していくことを目的とした戦略である。多角化戦略には、清涼飲料水メーカーがアルコール飲料市場の開拓を行うような、既存の製品や市場に親和性のある関連型の多角化と、電機メーカーが化粧品事業に進出するような既存の製品や市場との親和性が低い非関連型の多角化がある。

多角化戦略

多角化戦略とは、既存事業の周辺事業分野への進出(関連型多角化)、または既存事業と関係のない新たな事業分野に進出(非関連型多角化)し、企業の成長・拡大を図る戦略のこと。

多角化の採用動機

@既存事業の停滞、製品市場分野の成長率の鈍化、主力製品のライフサイクルが成熟期に近づいた
A季節変動、流行、天候条件などで需要が著しく左右されるため、リスク分散
B社内に抱える未利用の経営資源の有効活用、範囲の経済
C単一製品にのみ依存している
Dライバル企業が新規分野に進出したのでその対抗策
E顧客ニーズの変化
F代替え品の出現
G産業構造の変化
等が挙げられる。 外的な成長誘引は、通常、企業を新たな事業へと参入させる外部環境の機会もしくは脅威のことであり、内的な成長誘引は、企業内部の有形無形の未利用の経営資源や蓄積されたノウハウの存在から生じるものであり、これらの資源活用は、防御的な性格というよりも前向きな攻めの事業拡大であると考えられる。経営資源の活用により大きな収益の機会が見込まれる。主力事業で競合する企業は、互いにしばしば類似の多角化行動をとるので、業界内の既存の競争関係が維持されやすい。このような傾向は日本企業の行動特性として、同質的行動が指摘されることがある。
相補効果(コンプリメント効果)

複数の事業分野が相互に不足している部分を補い合うことで、市場の需要変動や資源制約に対応し企業全体でより大きな効果や効率の向上を得ることである。複数の製品や事業で何らかの経営資源を共通利用することで経済性を高める点はシナジー効果と共通しているが、コンプリメント効果は物的資源を、シナジー効果は情報的資源を用いて生み出す経済効果である点が異なる。シナジー効果を掛け算、コンプリメント効果を足し算と捉えることもできる。複数の製品分野での事業が互いに足りない部分を補い合うことで、企業全体として売上の季節変動などを平準化できる。例えば遊休資産や工場の空いている時期などを利用して別の製品をつくるような場合に生まれる経済効果はコンプリメント効果である。
相乗効果(シナジー効果)

同一企業が複数の事業活動を行うことで、異なる企業が行う場合よりも大きな成果が得られることである。
静的シナジーとは、時間に依存せず一時点で生じるシナジーのことであり、動的シナジーとは、技術革新など時間の経過によってもたらされるシナジーのことである。長期的な視点においては、効果の発生が長期的となる動的シナジーが望ましいと言える。範囲の経済とシナジー効果の両者は密接に関係している。シナジー効果が高ければ高いほど、範囲の経済性が大きくなると言える。シナジー効果は、用いる資源が情報である点が特徴であり、そのため活用しても減ることはなく、むしろ複数分野での活用によってさらに新しい情報資源が手に入れられる可能性もあり、事業の多角化などにおいて重要視される。

ポイントは、@シナジー効果と範囲の経済は概念的には区別される、A相乗効果は複数事業間に直接的な相互作用があるため特定事業同士の組み合わせでないと発生しない。したがって、特定の事業の組み合わせで発生するのが相乗効果であり、需要変動や資源制約に対応し、費用低下に結びつくのは相補効果となる

関連型の多角化

既存事業の市場シェアが新規事業の市場シェアに大きく影響する。 既存事業の資源を最大限転用して相乗効果を期待したい場合は関連型の多角化となる。

多角化の類型

・水平的多角化:既存市場の顧客への新しい事業展開)→既存市場での競争激化によるリスク分散のための最終製品の多角化
・垂直的多角化:既存市場の川上や川下への進出→仕入先(買い手)への交渉力を高めるための川下統合
・集中的多角化:既存製品の技術等を活かした新しい事業進出
・集成的多角化:既存製品の技術等と関係のない新しい分野への進出
・防御的な多角化:当初の市場において当該企業の業務にマイナス影響となる環境変化がある場合に、新規参
入企業を阻むための既存製品や関連製品の拡張により、その影響から身を守ろうとするものである。
ターゲット・マーケット・セグメント

選択的専門化

企業の目的に照らして魅力的かつ適切なセグメントを対象として選択する戦略である。選択的専門化では、製品と市場の関係が少なく、シナジーが期待しにくいが、リスク分散を図れる特徴を持つ。
市場専門化型

自社に有利な特定のセグメントに絞り込んでマーケティング・ミックスを投入する戦略のことである。製品も絞り込んでいる場合は、単一セグメント集中型という。
例として、老舗の豆腐製造業者B社は4代にわたって、家族従業者だけで豆腐の生産に携わっている。豆腐の販売先は、大都市に立地する日本酒バー数店舗のみである。この場合、市場専門化型と呼ぶ。
製品専門化型

特定の製品によって複数の市場を対象とする戦略である。
例として、タオルメーカーのC社は、同社のランドマーク商品である、手触りのよいハンドタオルシリーズのブランドによって、高級ホテルやレストラン、スポーツジム、贈答品専門店など幅広いターゲットに対する働きかけを行っている。この場合を製品専門化型と呼ぶ。
集中によるターゲティング

例として、ハンドメイドのスポーツ自転車を製造・小売するD社は、小さな製造小売事業所2店舗を通じて、ファッション性と堅牢度の高い製品を提供している。製品は洗練されたデザインを持つが、競技指向や機能性指向とは対照的な、ファッション性を求める市場セグメントがターゲットである。

差別型ターゲティング

例として、面や胴、小手、剣道着、はかまといった剣道用品を総合的に企画・生産するメーカーであるA社は、幼児・小学生、中高生、大学生・一般といった年齢を変数とした市場セグメントのそれぞれに適した製品群
を生産している。これを差別型ターゲティングと呼ぶ。

リストラクチャリング(事業構造の再構築)

リストラクチャリングとは、本来、不採算分野を縮小して成長分野に経営資源を集中投入することで競争力のアップを狙うことである。事業構想にあわせて不採算分野を縮小し、成長分野への経営資源の重点投入を図る。人員の削減だけがリストラクチャリングではないことに注意する。
具体的な例として、企業年金や有形固定資産の評価見直しなど資産の効率的運用を図るための減損会計、生産効率のよい工場に生産機能を集約し採算の悪い工場からの撤退、取引先と共同開発して部品の点数を減らしたり品質の向上を図りながら外注コストの削減、が挙げられる。

リストラクチャリングの一環として事業売却を行う場合は、その意思決定に全体最適や長期視点の考え方が必要となり、その検討は経営層が担うものでる。トップダウンで検討することが課題となる。 事業の子会社化を行う場合は、その事業が子会社へ移行後に自立して経営できる環境を整備することが好ましい。したがって、子会社への権限委譲を十分におこなう必要がある。従業員に対してストックオプションの付与によりモチベーションを向上させる施策は、創業期(スタートアップ期)にある企業にとって有効な施策であり、リストラクチャリングを行う企業でのモチベーション対策は雇用維持を目標とした施策である。
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10667351

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年07月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
カテゴリアーカイブ