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2021年04月16日

企業経営理論 〜プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)〜




プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

市場の成長率と相対的な市場シェアを基準として事業を分類し、個別事業のキャッシュフローに着目した概念であり、複数事業間のシナジーが考慮されていない点がある。また、PPMは相対的市場占有率と市場成長性を軸としているため、規模の経済性を追求することで優位性を構築できる業界あるいは経験曲線が妥当な状況においてのみ適用できる。一方、専門型業界(士業など特定の分野におけるユニークな地位によって優位性を構築できる業界)、分散型業界(クリーニング業など特定エリアにおいて商圏を分かつような業界)には適用できない。 事業が生み出すキャッシュに限定しているため、技術の側面や外部資金は考慮されていない。また、事業間のシナジーも無視しているため範囲の経済に関する考え方も適用されにくい。資金の流出は自社事業の成長率と市場の成長率、資金の流入は自社事業の市場の競争上の地位(相対的な市場シェア)で決まる。 事業単位は独自な使命と市場に基づいて識別され、戦略課題が明確化される。それぞれの事業単位にはライフサイクル上の位置が想定されている。PPMは分析的な方法であるが、新事業の探査機会が不足している。
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金のなる木

シェア維持に必要な再投資を上回るキャッシュフローをもたらす特定の事業に対する集中的な投資の主要な資金供給源となる「金のなる木」で得た余剰資金を、「問題児」への積極投資によるシェア拡大あるいは「花形」のさらなるシェア拡大に向けて投入する競争優位性のある「金のなる木」事業は、分野の将来性に大きな魅力はなく、さらなる資金投下には資金効率からの判断が必要である。
問題児

市場成長率が高く市場での占有率が低い「問題児」は、市場シェアの獲得のため設備投資や販促費が必要となり、資金の流出は多くなる。成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択と、競争優位性を期待できないが資金流出の小さい「負け犬」事業の中で市場成長率が低くとも高収益事業を選別することは重要である。「問題児」は市場成長率が高いため、選択した事業への積極的な投資により「花形」に育成することで競争優位が実現できる。また、負け犬の中でも高収益事業が存在する可能性があり、ニッチに絞った戦略で高収益を上げる事業を選別することは重要である。、「問題児」事業から撤退するか否かは、成長率、収益性に加え、自社のドメインとの適合性の観点からも判断される。
負け犬

「金のなる木」の事業に加えて「負け犬」の事業も高収益になることがある。「負け犬」の事業は市場成長率が低く、事業のライフサイクル上、衰退期に相当することが多い。衰退期における市場成長率の低下は、同業他社が業界から撤退することによって拍車がかかるが、その結果、残存者利益といわれる高い収益を、業界に残った企業が分かち合うことがある。
花形

「花形製品」の事業は事業の成長率が高く、設備投資などの多額の資金を必要とすることが多く、キャッシュフローがマイナスになる傾向が強い。マーケットシェアの維持に要する再投資を上回るキャッシュフフローをもたらすのは「金のなる木」の事業であり、稼いだキャッシュフローを投入する先は、「負け犬」ではなく「問題児」の事業になる。
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