みなさんは、
「送り仮名の付け方」で、迷うときはありませんか?
私はよくあります。
たとえば、
「答え」にすべきか「答」にすべきか
どっちなんだ?!
と迷うような場合です。
illustAC nag
このようなときも、前回ののブログでご紹介した
『記者ハンドブックー新聞用字用語集』(共同通信社)を引くと、
助けになります。
記者ハンドブック 第14版 新聞用字用語集 [ 一般社団法人共同通信社 ] 価格:2,090円 |
240頁を見ると、次のように書かれています。
こたえ 答え
[注]問い、答えを表や記号、一問一答形式にする場合は「問」「答」と送り仮名を省いてよい。
このように、共同通信社の用字用語の使い方に準じた
表記ルールを知ることができます。
送り仮名も統一すると読みやすい
新聞社や多くの出版社では、送り仮名の統一に、
内閣告示の「送り仮名の付け方」を基準にしています。
「送り仮名の付け方 訓令,告示制定文」は
文化庁のサイトに紹介されています。
今から51年前の昭和48年6月18日に、
「訓令第2号」を発令したのは、
当時の内閣総理大臣、田中角榮です。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/okurikana/kunrei.html
文化庁のサイトには「送り仮名の付け方」について、以下の説明があります。
この「送り仮名の付け方」は、「単独の語」と「複合の語」、「活用のある語」と「活用のない語」に分けるなど、語の性質や成り立ちによって送り仮名の付け方に七つの通則を立て、各通則には「本則」のほかに必要に応じて「例外」・「許容」を設け、常用漢字表の音訓によって書き表す語を対象として約500語の語例を掲げてあるものです。
なぜこのような「送り仮名法」がつくられたのかを調べてみると、
日本語の歴史を感じます。
1つの語を漢字で書く場合、その漢字の読み方を明らかにするために漢字に添える仮名″が送り仮名である。もともとこの送り仮名は、誤読・難読をおそれて付けたものであるから、活用語尾と語末の一音を示せばよかった。
したがって、古くは、あまり送らないのが普通であった。しかし、その後、口語文が普及するにつれて、送り仮名がしだいに多く送られるようになった。そのためにこれを統一する必要がおこり、いくつかの送り仮名法がつくられるようになった。『日本語表記ルールブック』日本エディタースクール
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文化庁のサイトにある「送り仮名の付け方 前書き」には
次のように示されています。
一 この「送り仮名の付け方」は、法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など、一般の社会生活において、「常用漢字表」の音訓によって現代の国語を書き表す場合の送り仮名の付け方のよりどころを示すものである。
二 この「送り仮名の付け方」は、科学・技術・芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。
三 この「送り仮名の付け方」は、漢字を記号的に用いたり、表に記入したりする場合や、固有名詞を書き表す場合を対象としていない。
この訓令の制定された当時とは違い、
今の時代はパソコンで原稿を書くことが多いでしょう。
ですから、自動で送り仮名がつくことと思います。
また、個人の表記や表現までを対象としているわけではありません。
送り仮名は読み間違いや読みづらさを解消するために付けるものです。
原稿を生かして柔軟に統一を図るのがよいようです。
しかしながら、この「送り仮名の付け方」をよりどころにすれば、
まず、間違いないのではないかと安心できます。
「送り仮名の付け方」には約500語の語例が掲載されていて実践的
文化庁のサイトにある「送り仮名の付け方」は、
約500語の語例が掲載されています。
インターネットですべての国民に公開されていますから、
誰でも見ることができます。
構成は以下となっていて、
それぞれの語例が挙げられています。
単独の語
1 活用のある語
通則1 通則2
2 活用のない語
通則3 通則4 通則5 通則6 通則7
付表の語
たとえば、通則1を見てみます。
通則1は、(活用語尾を送る語に関するもの)です。
「活用のある語(通則2を適用する語を除く。)は、活用語尾を送る」とあり、
例として、
憤る 承る 書く 実る 催す 生きる 陥れる 考える 助ける
荒い 潔い 賢い 濃い 主だ
以上の語例が挙げられています。
さらに、例外や許容、注意も語例が示されています。
具体的な語例が挙げられているので、実践的です。
迷ったら「記者ハンドブック」を引いてみる
通則1に語例として挙げられている
「荒い」という言葉があります。
彼は語気を[あらげて]抗議した。
このとき、
送り仮名はどうしたらいいんだろう?
もし、このように迷ったら、私は
『記者ハンドブックー新聞用字用語集』を引いています。
「あらい」を引くと、
あらい=荒い
と示されています。
「送り仮名の付け方」に準拠していることがわかります。
あらげるを引くと、
あらげる=荒らげる[荒げる=あらげる=は使わない]
と注意書きとともに、
共同通信社の用字用語の表記ルールが示されています。
記者の人たちも「荒らげる」という言葉を使うときは、
送り仮名に迷うところなんだなぁと感じたりもします。
今はパソコンが変換してくれますし、
ひと昔前とは違い、
送り仮名を覚える必要はないと思います。
けれども「おや? この送り仮名でいいのかな?」と
疑問に思ったときに、
準拠すべきルールがあれば安心です。
悩んだり、調べたりする
ムダな時間を使う必要もなくなります。
自分の知識も増えていきます。
illustAC nag
第6回のブログでは、
「ブログの言葉統一に役立つ『記者ハンドブック』」について紹介しています。
もしご興味ありましたら、ぜひこちらもご覧くださいませ。
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今回の記事は加筆して、メインで運営しているブログ「【シニア副業】ブログ生活のすすめ:シニアがブログをやりながら「お金」も「幸せ」も増やす計画」にも公開しています。
よろしければ、加筆版もご覧いただけたら幸いです。
「文章力アップのコツ|【送り仮名】の付け方 確かめる方法を解説」
https://umekotokyo.com/tips-for-improving-writing-skills-how-to-add-okuri-kana/
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タグ:表記の統一