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2018年04月10日

ブラック企業並み  未来を奪うな

酷使A

私は、彼女のその後の競技活動がとても心配だった。


何度も言うが、確かに彼女は傑出した選手であり、

実際この大会で母校を団体優勝に導いている。

ほぼ一人で、である(他種目でも優勝者がいる)。

だから、予選・準決勝は同送の選手とは力の差があるので、

力を温存して走っているとは思う。

とは言え、真夏の暑い盛りに5日間で個人種目を9本、リレーを5本走っているのである。

しかも、とっても「キツイ」と言われる400m(400mH)・800mを12本である。


狂気の沙汰であろう。


私達の知り得ないいろいろな事情があったのかもしれない。

しかし、あえて言いたい。


たとえ、本人が走りたいと直訴したとしても、

走らせないのが指導者の役割ではないのか。


そして、事情があるのであれば、

その事情を取り除いてあげるのが周りにいる人の役目ではないのか。

優勝したと喜んでいただけだとしたら、私は、ふざけるな ! ! と言わざるを得ない。


彼女の未来のために。


彼女はまだ、17・18歳であり、

たぶん「本当の意味で」の体は完成してはいない、

成長途上だろう。

せっかくの才能を、

私に言わせれば、彼女にとっては「たかが」になるはずのインターハイのために、

言い方を変えると「学校のために」「仲間のために」

などという小さな目的で潰して欲しくない。



誰も彼女の未来を奪う権利はないはずだ。



高校野球は長い年月をかけ、

大きな代償を払い (どれだけ多くの高校球児が体を壊してしまったか)、

最近やっと少し改善されてきた。

しかし、そうできたのも、メジャーリーグなどからの外圧があったからなのかもしれない。


陸上競技界に外圧はないだろう。

個々の指導者が対応できないのであれば、連盟等が制限する必要があるのではないか。

指導者は学校としての実績を上げないと立場が悪くなるのかもしれないし、

自身の実績として記録されない。

もちろん子供たちや周囲の人たちのためにいい成績を残してやりたいのだとは思う。

だから子供たちを走らせてしまう。


しかし、それは絶対に違うと思う。


7種競技は2日で7種。

これは使う筋肉・部位が違う。

跳躍・投擲種目は心肺機能への負荷は少ないだろう。

それでも、最終種目ではみんなヘロヘロになって走っている。


彼女は 走るだけの種目を5日で14本。

無茶ぶりが分かろうというものだ。


繰り返すが、トップアスリートになるほど大会への出場頻度は少ない。

ボルト選手の年間のレース数は何レースか。

また、リオのオリンピックでディババ選手が

超スローペースにして余力を残して1500mを勝ち、

5000mの金も狙ったのだろうけれど、

それでもフレッシュな選手のハイペースには対応できなかった。

あの1500mの走り方でも彼女の体力的なダメージはかなりのものだったと推測する。


次回は酷使シリーズ その3






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