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2020年08月27日

八百万の神 番外編 スイコ様

今回は八百万の神の番外編だ。

青森県つがる市木造(きづくり)という地域には、

用水路沿いのあちこちに小さなほこらがあって

そのほこらには「スイコ(水虎)様」と呼ばれる水神が鎮座しているという。

人々を水難から守る神様だ。


この地域は江戸時代、新田開発が行われたが、

多くの川や用水路が築かれたのはよいが、

そのため川の氾濫や増水で亡くなる子どもが多くいた。

私が子どものころにも、水難はカッパの仕業だと聞かされていた。

津軽ではそのカッパのことを「メドツ」と呼び畏怖(いふ)の対象だったようだ。

「スイコ」はそんな「メドツ」の親分で

「スイコ」は明治になって、ようやく水難防止のための

信仰の対象になり、次々と「スイコ」を祀るほこらが建立されたようだ。


しかし、現在は水難に会う人も無くなり、「スイコ」様も有難みが薄らいできた。

祭りや信仰そのもの引き継ぐ者がいなくなってしまった。



日本人が「神様」を信仰し、社会の真ん中に置くことで

保たれてきた地域の結束、心の安らぎや豊かさが無くなってしまう。


伝統は一度絶やすと復活させるのは至難の技だ。

何とか引き継いで貰いたいものだ。
posted by smile at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常
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