日々のつぶやき

山頭火は山道を歩くのが好きだった。

山道は見通しのきかない

曲がりくねっている場合が多い。


一人歩く山頭火は、

無心になれず、

思考することや歩くことに倦んでくると、

この先を曲がるとどうなっているのか、

どんな景色が現れるのかを楽しみにしていたのだろう。


そうすると、真っすぐな道、

ずーと先まで見通せる道は、

楽しくないのである。


山頭火はその感覚を

「寂しい」

と表現している。　



まっすぐな道で　さびしい



私は、自転車で出かけるとき、

なるべく一度通った道は避けるようにしている。

同じ道では、寂しいとまでは感じないが、

楽しくはない。

新しい発見はないのである。


だから、地図上では１０�`でも、

実際の走行距離は１５�`にもなる。

お尻の皮の痛さで、おおよその走行距離の見当はつく。


１週間前に田んぼの中の道を走った。

もちろん初めての道であるが

残念ながら真っすぐな道である。

その時拾った愚作、２句。　



　　　水はまだかと　田起こしの　カエル鳴く　



　　　カエル　ひとけり　波紋ひとつ