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2018年04月30日

仲良きことは 親日 その7 素晴らしき「人道」

樋口は1919年、

シベリア出兵にともなって

ウラジオストック特務機関員となった。

その時、彼はロシア系ユダヤ人の家に

間借り?して生活をともにしている。


1925年には、ポーランド公使館付武官として赴任。

ここでユダヤ人に対する認識を確たるものにする出来事があった。


グルジアを旅した時、

コーカサス地方のある寒村で老人に呼び止められた。

老人は樋口が日本人だと知ると、

血相を変えて家に招き入れた。


老人は、ユダヤ人が世界中で迫害されている事実を告げ、

さらに「日本の天皇こそが

ユダヤ人が悲しい目にあった時に救ってくれる救世主に違いない」

と訴え祈りをささげたという。

樋口は、オトポールでのユダヤ人難民の報告を受けた時、

この出来事が脳裏をよぎったと後述している。



当時の軍関係者の多くは

「ユダヤ陰謀論」者であったが、

樋口は否定的であったと同時に

酒井勝軍の「日ユ同祖論」を一笑に付している。


自己の確固たる信念のもとに

非常にニュートラルな立場をとっていた。


樋口は、オトポール事件の後、

1942年札幌の北部軍の司令官として赴任し、

北東太平洋陸軍作戦を指揮している。

アッツ島は玉砕させてしまったが、

キスカ島では無血撤退を成功させている。


救援艦隊隊長の要請を、

6年前に東条が樋口にしたことと同じ様に、

大本営の決済を仰がす独断で了承した。

全ての武器を海中投棄させることで乗船時間を短縮したのである。



特筆すべきことは、

1945年8月18日以降(終戦後)も武装解除することなく、

占守島、樺太でソビエト軍の侵攻を阻止するために

戦っていることである。


もちろん、その時点で彼の上司などいない。

自身の判断である。

そのために、

スターリンは北海道侵攻を断念させられているのである。


このことが戦後の日本にとって

どれだけの国益になっているか、

我々は知っておかなければならない。



これは私の推察であるが、

ロシア語の堪能な樋口は、

ロシア革命・共産党・スターリンの本質を良く知っており、

共産党軍に国土を侵略させることは

日本のためにならないと判断したのではないだろうか。


国民を守ることなく悲惨な目に合わせてしまった

関東軍トップとの違いは計り知れないものがある。



樋口は「人」も「国土」も守ったのである。


樋口は何を根本として意思決定をしていたのか。

私には

「人道」

が彼の精神の真ん中にデンとあったのだと思う。



おさまらないのはスターリンであり、

極東国際軍事裁判で樋口を戦犯に指名しウサ晴らしをしようとしたが、

それを知った世界ユダヤ人会議は、

世界中のユダヤ人コミュニティを動かし、

在欧米のユダヤ人金融家によるロビー活動を行い、

つまり世界的規模で樋口救出運動を展開した。


これにはダグラス・マッカーサーも抗すべくもなく、

ソ連からの引き渡し要求を拒否するだけでなく、

樋口の身柄を保護した。



マッカーサーにとって、

この時既に米国の脅威となり始めていた

共産党の侵攻を食い止めている事実、

昭和天皇との会談で受けたショック、

「日本人」の本質を理解でき始めていたことなどからして、

樋口を保護することは容易な決定だったに違いない。










posted by smile at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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