日射病の予防に帽子をかぶることは、健康常識の“うそ”とも言える。帽子をかぶっていても、強い直射日光を長時間浴びれば、体温が異常上昇してしまうことはあり、めまい・吐き気・思考力低下などの症状が起こる。帽子を過信しないことが大切である。
“健康的な小麦色にやけた肌”という常識にも疑問がもたれている。日焼けを人体生理学的に見ると、軽いやけど状態にあり、健康的というには程遠いのである。また、美容的にもシミやソバカスの原因となることから、必ずしもお勧めではないのである。
「夏にたっぷり日に焼けると、冬、風邪を引きにくい」というのは代表的な健康常識のウソだという。医学的にこの常識を証明した調査はないようで、逆に日焼けと皮膚ガンの関連性も注目されてきたこともあり、子供の日焼けを避けるようにしている国もある。
ゴルフ好きのお父さんが注意したいことは、クラブを強く振り回しすぎることで起こる“肋骨骨折”なのだとういう。ミスをして急に走り出したときに起こる“アキレス腱断裂”やボールを拾うときの“ぎっくり腰”などもあり、日ごろの運動不足解消も大切だが、怪我をしないことも大切である。
視力低下はテレビの見すぎ、ゲームのやりすぎだといわれているが、医学的にははっきりとは証明されていないという。現代に子供は柔らかな食品を好む傾向にあり、アゴの筋力が低下し、眼球の視力調節不全を招いたというのが、本当の理由だと考えられている。
シャンプーを顔についきたままにしておくと、皮膚がヒリヒリしてくる。つまり、石鹸よりはるかに刺激が強いということである。したがって、毎日頭をせっせと洗い続けることによって、頭皮が異常に刺激されて、結果として“若はげ”のもとになる可能性もあるという。
1980年代は0.01%と、ほとんど見られなくなった寄生虫が、90年代に入って激増してきているという。原因は、人糞や屎尿を肥料とした家庭菜園での生鮮食料品であると考えられ、これらを十分な水洗いをせずに食べているのではないかと考えられている。
高齢化社会の日本において、老人を元気で長生きさせようとするなら、肉・魚・卵などの動物性タンパク質をたっぷる食べることだといわれている。血管をつまらせるコレステロールが多いという理由で植物性タンパクをすすめるという健康常識も必ずしも正しいとはいえない。
アメリカでは10代の高血圧が問題となっているが、日本でも1980年代から増加し始めてきている。血圧は心臓が血液を送り出す“上の血圧”と戻ってくるのに関係する“下の血圧”が問題となる。従来は上の血圧が重視されていたが、10代では下の数値が特に重視される。
高血圧に悩むお父さんに、ぜひ教えたい“健康常識のウソ”が「高血圧と減塩は無関係というもの」で東大医学部が報告している。もちろん、塩分をいくら摂取してもかまわないというものではないが、一般的な塩分摂取量1日15gに抑えるだけでよいというものである。
「血圧が低いから、朝の目覚めが良くない」という健康常識は、世界中の睡眠の研究者から否定されているのだという。医学的にはまったく証明されていないこのような俗説が、どのようにして広く信じられるようになってしまったのか、今後検証されることになるという。
「空腹は最高の調味料」というが、健康のためにはあまり感心されないことである。お腹がペコペコで食事をすると、どうしても“早食い”になってしまい、満腹のサインが出ていても食べ続けて、食べ過ぎになる傾向が出てくるのだという。“食事はゆっくり”が基本だという。
「食べてすぐ横になるとウシになる」はまったくの俗説であり、行儀の悪さを指摘した言葉である。ただし、横になっても構わないが、満腹のまま寝てしまうのは健康に良くない。胃の消化活動は、活発に起こる時期の睡眠は消化活動が落とするのだという。
栄養のかたよりから、子供の高血圧が増えてきている。ただし、大人でも病院へ行って医師の前で血圧を測ると緊張で30〜50位も上がるといわれているので、子供の血圧が高くなってしまうこともこういった要因もあるという。測定の際、あまり神経質にならないことが大切なのだという。
インフルエンザ予防のウガイ薬より、はるかに強力な予防力を持つといわれているのが“紅茶”である。ある大学の研究によると、紅茶に含まれる色素成分テアフラビンは、インフルエンザウィルスに対して、わずか5秒で殺す効果があるのだという。
麺やパン食などが増え、小魚など硬い食べ物をとらなくなった結果、日本人のアゴの筋肉・骨格は1960年と比べると10〜20%弱く、小さくなっているのだという。これが歯並びを悪くして、虫歯の原因にもなるのだという。
「タマゴは完全食品」とは健康の常識とされているが、栄養学的にはかなりウソがあるのだという。確かに、カロリー・脂肪・タンパク質は豊富だし、各種ビタミン、ミネラル類も含まれいるが、3大要素のひとつである糖質が含まれていない。
「外食は栄養が偏りやすい」という健康常識は、メニューの選び方ひとつでウソにも本当にもなる。外食でも野菜・肉・魚などをバランス良くとっていれば問題はなく、家庭の食事であっても冷凍食品ばかりであれば、かなり問題があるのだという。
「タマゴは血管をつまらせる悪玉コレステロールを含むため1日3個以上は控えたほうがいい」という健康常識に真っ向から挑んだのがアメリカ食品衛生局である。1日15個のタマゴを3週間食べ続けさせても血中コレステロール値が変わらないことが証明された。
「牛乳を飲むと骨が丈夫になる」という常識は本当のこと。しかし、40年前に比べ10倍以上に牛乳消費量が増加したにもかかわらず、骨折事故はちっとも減少していないという。これは骨を強くするカルシウム分が、糖分の摂り過ぎによって失われているからだという。
おじさん達ばかりでなく、女性、子供達にも飲まれ始めたドリンク剤だが、成分を分析してみると、総合ビタミン剤に糖分、カフェイン、アルコールと、これといった特徴のないものもあるのだという。気分的に元気にしてくれるという効果もあるのだ。
スタミナがつくというニンニクについて、大量にまとめて食べると健康を害するというデータがあるという。旭川医大の報告では、自家製ニンニク粉末を毎日3回スプーン1杯ずつ飲んでいた男性が、急性胃潰瘍になったとしている。
スポーツ健康常識で、劇的に変化したのが、野球の投手の肩に関するケアの方法である。1970年代まで、肩を冷やすのは良くないといわれ、夏でも長袖のセーターなどを着ていたのに、現在ではアイシング(氷で冷やす)が大リーグから入ってきて常識となった。
納豆は健康食品といわれているが、海外旅行の前には食べないほうが無難なのだという。納豆は腸内で大量のビタミンKを作り出すが、この物質は血液を凝固させる作用があるため、今話題となっている“エコノミー症候群”を引き起こす可能性がある。
今年の4月23日の厚生労働省のまとめによると肺がん患者は1960年代に比べて約3.5倍に増加しているのだという。ところが、肺がんの原因の有力なものとして考えられている喫煙者は約3割減少しているのだという。このデータの解釈が難しいところである。
「コーヒー肺に悪い」と一般にいわれているが、この健康常識に疑いを持ったのがナチス・ドイツのヒトラーである。350人の軍人にコーヒーを一日に10杯以上30日間飲ませて胃の検査を行った。これによると、胃に異常は見られず、ドイツ軍の軍用飲料とされた。
「牛乳は良く噛むようにして飲め」といわれているが、その健康常識はまったくのナンセンスだという。噛むことにより唾が出て消化を助けることが言われているが、牛の成分といえば脂肪やタンパク質がごく微細な球となっているため、消化を助ける必要はない?
1960年代、肥満体は病気にかかりやすいことがアメリカの生命保険会社の調査で証明されていた。ところが、70年代以降、極端な肥満をのぞけば、やや肥満の人のほうがやせすぎの人より健康で長寿というデータも出てきている。
虫歯予防に意外なほど効果があるのは“ウーロン茶”である。サントリー基礎研究所によると、ネズミを使った実験で、ウーロン茶から抽出した“虫歯予防物質”はその発生率を約50%も減少させるのだという。
「眠気防止のコーヒー」とよく言われるが、眠気を防ぐ働きを持つのはその中に含まれる“カフェイン”の働きによる。このカフェインはコーヒーには1.5%含まれているが、紅茶にはなんと5%も含まれている。眠いときには紅茶のほうが効果がある。
虫歯の原因は、歯についた食べかすに虫歯菌が住みつき、酸を出して歯の表面のエナメル質を溶かすからだといわれているが、酸を出すまでには24時間かかるのだという。20〜30分かけて丁寧に磨けば、歯磨きは1日1回でも大丈夫なのだという。
世界的なジョギング・ブームの仕掛け人、アメリカのジェームス・フィックスは、1984年夏、52歳という若さでジョギング中に心臓麻痺で死亡したのである。ジョギングが体に良いという健康常識に一石を投じる事件ではあった。
ジョギングやウォーキングを気温・湿度とも高い日本の夏に行うことは、健康にあまり良い影響を及ぼさない。汗を大量にかいても、適正な塩分や水分を補給しないと、人体のさまざまな調節機能の働きを低下させてしまうため注意が必要である。
小・中・高の運動部では、信じられないことに、未だに「部活中の水分・塩分の補給」に関して、消極的な指導教師がいるのだという。真夏のロスアンゼルス五輪の女子マラソンで脱水症状になった選手がいたことでもわかるように、水分・塩分の補給は絶対不可欠なのである。
無理なダイエットは健康のために百害あって一利なし。医師の指導なしに、勝手にダイエットして、一番怖いのは“体タンパク質分解亢進”で、タンパク質は尿の成分として体外に排出されてしまい、心身ともに悪影響を及ぼす。
アメリカの生理学者ケネス・クーパー博士によると「週5日、1日5km以上のジョギング」は“緩やかな自殺”と過激な評価を下している。確かに、体調・睡眠時間・食事量などを考えずに、ただやみ雲に走ることは健康には良くない。
健康フリークに人気のエアロビクスを「めまいや立ちくらみの原因となる」と警告をしているのが、ニューヨーク医大のマイケル・ウェイントラウブ博士である。床からの衝撃で、内耳にある蝸牛という平衡感覚に関わっている器官の機能劣化が起こることがあるという。
健康という視点でのみ考えるなら、170cmで60kgの人より、80kgの人のほうが平均して長寿で、病気に対する抵抗力も強いのだという。太り気味を気にしてダイエットするより、特に以上がないならそのまま自由にしているのが良いのかもしれない。
どんなスポーツでも、練習時間は短く集中的にすることが重要である。「根性をつける」などという意味での猛練習は、無意味どころかバレーや剣道では肘から下の骨折が起こったり、水泳では肩に激痛が走る“水泳肩”など悪い結果を招きやすい。