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「精神的活力」は、健全な胃腸から

胃腸の具合が悪い時には、決して気分爽快にはなれません。
精神状態は、胃腸の具合に左右されるのです。

もう20年以上も前に、
東京都精神医学総合研究所の諸治隆嗣氏によって行われた
「胃腸と精神の表裏一体の関係」を裏付ける興味深い実験結果があります。

精神分裂病に優れた効き目をもつ「セルレイン」というクスリがあります。
このクスリを注射すると、ほかのいかなるクスリも効かなかった患者でも、
気分が爽快になってくるといいます。
その作用のしくみを調べてみたところ、意外な事実が判明しました。

精神に作用するクスリなのだから、当然、血流によって脳に到達すると考えられていました。
ところが「セルレイン」は脳には運ばれず、すべて胃壁と腸壁に吸収されて、
胃腸のみに作用していることが判明しました。

この事実から、胃腸の状態が精神状態を左右することが明らかになり、
胃腸は「リトル・ブレイン(小さな脳)」と呼ばれるようになりました。
また、胃腸を支配している自律神経節(太陽神経叢)は、「腹脳」と呼ばれています。

つまり、精神を健全にする基本は、胃腸にあるのです。
「胃腸のぜん動力強化」と「腸内環境を整える」ことが、精神的活力の基礎といえるでしょう。

ちなみに「ガッツ」の語源は、英語のgut(=消化管)です。
実際、脳内と腸内には、ほとんど同じ神経伝達物質が存在しており、
セロトニンの約95%は腸で作られています。


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