2018年04月10日
『10年後の仕事図鑑』ー 「営業」の括り方が雑すぎて残念…
『営業』
と、聞くとどんな印象をお持ちでしょうか?
就活が始まった学生の皆さんからしたら、応募先で最も避けたいと考える職種かも知れませんね。
営業でずっと仕事をしている私からすると「もったいない」のヒトコトですが。
営業であるおかげで業種が違っても何回も転職できましたし、現在は英語をツールとして世界中のお客様(大学の先生や研究者)とやり取りをしています。
「あれ?ノルマがあって、天井から目標下げて、ゲキを飛ばしながらの体育会系が営業でしょ?」
…まぁ、そんな会社も経験したことありますが(笑)、大多数ではありません。
むしろ、会社の数だけ営業の仕事は異なり一括りにまとめられるものではありません。
もちろん、「製品を紹介して購入してもらう」という最大公約数的な部分はあります。そのために見積を提出したり、値引き交渉をすると言った部分も似通っているでしょう。
ただ、それが全てではありません。
販売を伸ばすために相手にするのは何もお客様だけではありません。メーカーであれば社内の技術者や同僚、上司や部下ともコミュケーションを取る必要があります。
そのために資料を作成したり、ウェブ媒体(YouTube含む)を用いたプロモーションを考えたりもします。
当然、会社によって様々なのでその一部しかない営業もそれ以上やっている営業もあります。
(私がやっている営業も他に手を付けていることがあります。)
本書のChapter 2、「なくなる仕事・減る仕事」に記載されている『営業』は残念ながら、営業のほんの一面について触れているだけです。
具体的には「販売職におけるリコメンド方法に関するAIの活用とSNSによるファンの獲得」についてのコメントだと思います。
とはいえ、この視点で読み返してもザックリすぎて具体性がなく残念なのですが…
落合氏が別の場所で述べている、
「モチベーションを持って働けるところに人間の役割があり、人間社会をどうしたいか、何を実現したいかは常に人間の側にある」(同書「未開の地を切り拓くのは、いつだって人間である」より)
という内容は営業にもそのまま当てはまると言えるでしょう。
- 今、販売している製品をどうやって拡販したいか?
- お客様にササる提案をするのにこの製品ラインナップ、サービスのままでいいのか?
すなわち、会社をどうしたいか考えて仕事をする営業であれば、AI=営業職がなくなる(減る)とはならないでしょう。
逆に指示待ちの文句ばかりの負け癖がついた営業ではツライとも言えますが…
また、同書の「未来を生き抜く2つのパターン」の中で落合氏が言及している、
「何をやるかが決まってない状況」では、人間は機械に十分に勝つことができる。
という部分も、意思を持って営業活動している人を完全にAIで代替できるわけではないと言い換えることができると思います。
このあたり、実は似たような議論が以前にありました。
2000年の頃の経済雑誌を見てみると「インターネットで営業はいらなくなる」と言った記事がいくつか出てくるはずです。
私としては同じ状況だな、と思って見ています。
むしろ、便利なAIで営業の幅が広がるのは歓迎なので早く便利ツールとしてのAIが登場して欲しいな、くらいに考えています。
色々と書きましたが、営業は突き詰めればコミュケーション術のカタマリです。これは、同書で堀江氏が述べる「信用のやりとり」に必要なものだとも言えます。就活生で「営業」を条件反射的にサクジョしていたようでしたら再考をオススメします。
また、私自身は考えが停滞しないように新しいツール、新しい人間関係を築いていけるよう邁進したいと思います。
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