2018年04月09日
『10年後の仕事図鑑』を読んでー 常識が続くという幻想が溶ける時代
『いい高校、いい大学に行っていい会社に就職しよう』
『結婚して、ローン組んで家と車を買いましょう』
『貯蓄をしないと老後が不安ですよ』
あなたが今の段階で社会人ならば、一度は似たようなことを見聞きした覚えがあるだろう。およそ、日本人には刷り込みとも言えそうな『常識』とも言えるものだ。
当然のことながら、もうそのレールに乗っている人もいるはずだ。…と、偉そうなことを私が上から目線で言えるわけではなく、私もその常識の下で生きていたヒトとして思ったことを読了直後に記録としていきたい。
この本の題名には『10年後』とあるが、単純に10年後の話をしているわけではない。もしかしたら、もっと早くこの本の中に書かれているようなことが我々の目の前にやってくるかもしれない。
堀江氏の『未来なんか予測できる時代じゃない』という話には常々、同じ思いを抱いている。
子供の頃は親のレコード付きのステレオコンポでオールナイトニッポンを120分のテープに録音していた。(60分に比べてテープが薄くて切れやすいとアナログ的な涙話も今は昔)
そう思っていたら、MDプレーヤーで音楽を聴く時代が到来。便利なものがでてきたな、と思っていたらiPod、iPhoneの登場で一気にゲームチェンジ。(その間、数字を送りあってコミュニケーションを取っていた時代もあった。)
今やスマホは音楽に留まらず、ゲーム、コミュニケーション、書籍、仕事、アートなど既存のカテゴリのあり方を変え、あらゆるバリアを取り払うものとも言える。
そして、物理的に言うと、液晶の画面を覗き込み指で叩いたり、なぞったりしている。
こんな状況を10年前に予測していた、なんて人はこの地球上にはいないはずだ。(ジョブズ氏も強い想いはあってもここまでの状況はクリアに描いていなかったのではないか。しかし、彼なら今この瞬間に存命であれば、さらに我々の思いつかない発想を打ち出していたとは思うが…)
このように、身の周りの事では少し前の常識が変わってきている事は意外とあるものだ。
ただ、自分たちの仕事になると具体的にどう変わるのか、というのはイメージしにくい。自分の仕事がなくなる、なんて言われれば思考よりも先に恐怖から思考停止、拒否、批判に容易に陥る。
本書の中では様々な職種に触れ、これからなくなってしまう仕事、伸びる仕事といった具合に今後どうなるのかということが書かれていてる。さらに、後半では堀江氏から「なくなる仕事のリストの確からしさはない」というコメントがある。これは落合氏との立場の違いからくる視点の差が感じられ興味深かった。
ただし、スペースの問題だと思うが表層的なコメントだな、と思われる部分も見受けられた。これは、その業界に関わる人はそのように感じて「一言いわせろ!」と思うこともあるのではないだろうか。」
そうした声を挙げ、それが議論されると面白い流れになるのではないか。そこで、自分の専門外の部分も多々あるが、それぞれの職業について書かれた内容について「これは?」と思うことを今後、別の記事で書いていこうと思う。
誰だって、今の自分のやっている事(仕事)を否定されたら面白くない。
でも、これまでの常識が変わるかも知れない、変わる可能性が高いという事を考えるには、いいきっかけになる本だと思った。
今日の常識がずっと続くものではないという事実は不安定で恐ろしく聞こえるが、逆に個人が活躍するにはツールが揃ってきた面白い時代とも言える。
それをどう捉えて、どう向き合うか。
個人の意識が問われる時代だな、とも感じた。
10年後の仕事図鑑 新たに始まる世界で、君はどう生きるか[本/雑誌] / 落合陽一/著 堀江貴文/著 価格:1,512円 |
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