2016年04月02日
3Dプリンター初めて使うときにすべきこと。 押し出し量のキャリブレーション
最近3Dプリンターを購入した人から相談を受けています。
やり取りの中でこれは大切だと思い出したのがこの 押し出し量のキャリブレーション です。
これは書かねば、と思っていたのですが 素晴らしい先達である
ジンジャエール&ソフトクリーム の たぬきち様が詳しい解説をまとめていらっしゃるのを読み、
改めて私も書くべきかどうか迷いました。
いろいろ考えた結果、初心者にも向いていると思う内容を書かせていただくことにしました。
本体に画面のついているreprap機であれば、PCすら必要のない簡単な方法です。
ギア等を交換しない限り一回しかやらないで良いことですが、とても大切なので読んでいただけると幸いです。
さて本題です。
3Dプリンター、特に安価なreprap機は、吐出し量の初期設定が適切でないことが多いように思います。
少なくとも私が購入した3機種(国産機1台、中華キット2台)はすべて少な目で設定されていました。
うち一台は致命的に押し出し量が少なかったため設定の不備に気づくきっかけとなりました。
少な目に設定されている理由と原因を推察します。
・押し出しギアの外径から計算して設定している。
押し出し量はギアの外径よりもギアがフィラメントに食い込む分だけ少なくなります。
・押し出し抵抗で、計算通りにフィラメントが送られていない。
高速造形、低温、小径ノズル使用など、押し出し抵抗が大きい使い方をするほど
ギアとフィラメントの間で滑りが起こり、その分だけ押し出し量が少なくなります。
・トラブル回避のため、あえて押し出し量を少な目に設定している。
押し出し量は多すぎると様々なトラブルの原因になります。
特にソリッド(infill100%)で造形する際は、余分な樹脂の逃げ場がないので
側面や天面でダマや凸となり、ノズルと衝突、脱調の原因となることもあります。
少な目だと大きなトラブルは起きにくいため、あえて少な目にしている可能性は考えられます。
まあ、中華キットの場合は適当に計算値を入れてるだけだと思いますが・・・。
いずれにせよ、押し出し量は把握して、適切に設定する必要があります。
3Dプリンターの設定で何が一番大切かを問われたら、迷わず押し出し量と答えます。
僅差で次点は温度かな? それくらい大切だと思っています。
増減させるにせよ目的を持って意識してやらねばならんということです。
さて、その大切なキャリブレーションの方法です。
まず、100mmの長さを測るものを用意してください。
定規でも良いですが、PTFEチューブの端材があれば、それを100mmに切ると良いでしょう。
写真はパースのせいで100mm以上に見えますが、100mmで切っています。
次にフィラメントの端材を用意してください。
ダイレクトなら200mmもあれば充分ですが、ボーデンだとチューブの長さ+200mm位必要です。
ノズルを造形温度に温め、先から樹脂が出るまで送ります。
樹脂の入り口から100mmの長さでフィラメントにしるしをつけます。
造形する時の温度で、造形速度程度の送り速度で100mm送ります。
速度、温度は押し出し抵抗をできるだけ再現するための設定です。
実際の造形ではノズル先が造形物に押し付けられているため、さらに押し出し抵抗は大きくなります。
入り口から印までの距離を測ります。
写真ではわかりやすいように物差しを使っていますが、しるしと入り口がぴったり合わさるまで
1mmづつ送っても測ることは出来ます。 行き過ぎている場合は戻してくださいね。
写真では2mm余ったので、100mmの命令に対して98mm動いたことになりますね。
LCD画面からコンフィグでエクストルーダーの1mm送りあたりのステップ数を調べて・・・。
以下のように計算します。送り量を100mmにしたので計算が楽ですね。
現在の1mmあたりのステップ数 ÷ 計測した移動量 × 100 = 適切な送り量のステップ数
95 ÷ 98 × 100 ≒ 97
同じくLCD画面のコンフィグから適切なステップ数を上書きしてください。
この方法の良いところは、PCが不要で3Dプリンターの操作だけで完結することです。
まあフィラメントをちょうど100mm使うデータを造形して測るのが良いんですけど、
標準的なのreprap機の分解能だとほとんど差は出ないと思います。
購入したままの状態で押し出し量のキャリブレーションをしていなければ、ぜひお試しあれ。
やり取りの中でこれは大切だと思い出したのがこの 押し出し量のキャリブレーション です。
これは書かねば、と思っていたのですが 素晴らしい先達である
ジンジャエール&ソフトクリーム の たぬきち様が詳しい解説をまとめていらっしゃるのを読み、
改めて私も書くべきかどうか迷いました。
いろいろ考えた結果、初心者にも向いていると思う内容を書かせていただくことにしました。
本体に画面のついているreprap機であれば、PCすら必要のない簡単な方法です。
ギア等を交換しない限り一回しかやらないで良いことですが、とても大切なので読んでいただけると幸いです。
さて本題です。
3Dプリンター、特に安価なreprap機は、吐出し量の初期設定が適切でないことが多いように思います。
少なくとも私が購入した3機種(国産機1台、中華キット2台)はすべて少な目で設定されていました。
うち一台は致命的に押し出し量が少なかったため設定の不備に気づくきっかけとなりました。
少な目に設定されている理由と原因を推察します。
・押し出しギアの外径から計算して設定している。
押し出し量はギアの外径よりもギアがフィラメントに食い込む分だけ少なくなります。
・押し出し抵抗で、計算通りにフィラメントが送られていない。
高速造形、低温、小径ノズル使用など、押し出し抵抗が大きい使い方をするほど
ギアとフィラメントの間で滑りが起こり、その分だけ押し出し量が少なくなります。
・トラブル回避のため、あえて押し出し量を少な目に設定している。
押し出し量は多すぎると様々なトラブルの原因になります。
特にソリッド(infill100%)で造形する際は、余分な樹脂の逃げ場がないので
側面や天面でダマや凸となり、ノズルと衝突、脱調の原因となることもあります。
少な目だと大きなトラブルは起きにくいため、あえて少な目にしている可能性は考えられます。
まあ、中華キットの場合は適当に計算値を入れてるだけだと思いますが・・・。
いずれにせよ、押し出し量は把握して、適切に設定する必要があります。
3Dプリンターの設定で何が一番大切かを問われたら、迷わず押し出し量と答えます。
僅差で次点は温度かな? それくらい大切だと思っています。
増減させるにせよ目的を持って意識してやらねばならんということです。
さて、その大切なキャリブレーションの方法です。
まず、100mmの長さを測るものを用意してください。
定規でも良いですが、PTFEチューブの端材があれば、それを100mmに切ると良いでしょう。
写真はパースのせいで100mm以上に見えますが、100mmで切っています。
次にフィラメントの端材を用意してください。
ダイレクトなら200mmもあれば充分ですが、ボーデンだとチューブの長さ+200mm位必要です。
ノズルを造形温度に温め、先から樹脂が出るまで送ります。
樹脂の入り口から100mmの長さでフィラメントにしるしをつけます。
造形する時の温度で、造形速度程度の送り速度で100mm送ります。
速度、温度は押し出し抵抗をできるだけ再現するための設定です。
実際の造形ではノズル先が造形物に押し付けられているため、さらに押し出し抵抗は大きくなります。
入り口から印までの距離を測ります。
写真ではわかりやすいように物差しを使っていますが、しるしと入り口がぴったり合わさるまで
1mmづつ送っても測ることは出来ます。 行き過ぎている場合は戻してくださいね。
写真では2mm余ったので、100mmの命令に対して98mm動いたことになりますね。
LCD画面からコンフィグでエクストルーダーの1mm送りあたりのステップ数を調べて・・・。
以下のように計算します。送り量を100mmにしたので計算が楽ですね。
現在の1mmあたりのステップ数 ÷ 計測した移動量 × 100 = 適切な送り量のステップ数
95 ÷ 98 × 100 ≒ 97
同じくLCD画面のコンフィグから適切なステップ数を上書きしてください。
この方法の良いところは、PCが不要で3Dプリンターの操作だけで完結することです。
まあフィラメントをちょうど100mm使うデータを造形して測るのが良いんですけど、
標準的なのreprap機の分解能だとほとんど差は出ないと思います。
購入したままの状態で押し出し量のキャリブレーションをしていなければ、ぜひお試しあれ。
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