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posted by fanblog

2016年08月21日

FDMの限界 「サポート」

Qholia(クホリア)をご購入希望のお客様から、紐の結び目のようなものの再現性についてご質問をいただきました。
丁度thingiverseに良いデータがありましたので造形してみました。

名称未設定 1.jpg

造形は方向さえ気を付ければ難しくは無いのですが、サポートだらけで時間はかかりますね。
頭だけテーブルからはがしてから写真を撮り忘れていることに気付きました。

これだけみっちりサポートが付いていても、「大部分は」ペリペリさくさく剥がれます 。
あえて強調して書いたのは、残りのほんの少しにものすごく苦労させられたからです。
それは今回のテーマでもある、結び目の部分です。

20160821_203044.jpg
例によって0.2mmノズルの0.05mm積層、素材はバーベイタムABSシルバーです。
ニッパーとカッターとピンセットでサポート除去、ナイロンブラシとメラミンスポンジで細かい粉掃除をしていますが、やすりなどはかけていません。
前、大きさは10円玉と比べてみてください。10分の1くらいのスケールではないでしょうか。

20160821_202609.jpg
後ろにも結び目があります。頭頂や腰や右手など、オーバーハングがきつかったところはやはり多少荒れます。

20160821_202731.jpg
リボンの薄さと隙間の狭さはこんな感じです。

20160821_202527.jpg
胸元の隙間が再現できて良かった・・・とにやつきながらローアングル。 完全にカメラ小僧です。 変態です。

お気付きでしょうか?
元データと比べると、胸のリボンが一部足りません。ここはサポート除去時に一緒に外れてしまいました。

「サポートよりも結着が弱い部品からサポートが剥がせない」 というFDMの限界ですね。
リボン周りにサポートが入り込まない角度から造形すれば良かったのですが、より高難度な背中のリボンを優先したために、胸元のリボンが犠牲になりました。
2射出にしてサポートを溶かす手もあるかもしれませんが、2射出で細かい造形は難易度も高いですし、時間がものすごくかかり過ぎて現実的ではないと思います。

最善手は 「細かいところは光造形を使う」 ・・・ミもフタも無いですね。
FDMで再現できるレベルの部品で極端にもろい部分は 「別部品にして理想の方向から造形する」 のがよいのではないでしょうか。
実際髪の毛の結んだ部分は別データになっていました。
裏技的には 「見えない角度で部品を太く、強くする」 という手もあります。
このモデルもサポート除去後、リボンの裏側にゼリー状瞬間接着剤を塗っております。

サポートはFDMの限界の一つです。 できるだけ少ない方が、できれば無い方が良いのです。
造形時間もサポートを剥がす手間も減らせますし、サポート由来の肌荒れも無くなります。
ですので、サポートが不要になったり、少なくて済むようにモデルを分割することはものすごーく大切です。

FDMでの出力前提でデータを作成するのであれば、分割したものとしていないもので出力を比較してみることをお勧めします。
分割したモデルの方が綺麗で時間もかからないということが多いと思いますよ。
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ないものづくりエージェント 多夢
今までになかったものや、他にないものをつくる ないものづくりエージェント です。 「工夫」が私のテーマです。 「工夫」とは生きる力であり、奪われることのない自由。 価値を生むプロセスであり、価値のあるプロセス。 できると信じて、想像と創造、思考と試行を続けること。 そんな「工夫」の楽しさや価値を伝える仕事をしたいと思っています。
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