自分のほうが正しいと主張しないことが大切です。
なぜなら、我を張れば他の誰かを悪者にしてしまうからです。
相手の意見を否定しなくなれば、心は穏やかになり、視野も広がります。
『本当の幸せをつかむ7つの鍵』(ディーパック・チョプラ著 サンマーク出版) にこう書かれています。 (99頁〜101頁)
「 ほとんどの人は、自分の考えを世間に押しつけようとする罠にはまっています。
正しいことと間違ったことの判断基準を設けて、長年、その善悪に関する信念を絶対に曲げようとはしません。
『私が正しい』 と信じていれば満足できるかもしれませんが、それではほんとうの幸せは訪れてはくれません。
(中略)
自分が正しいことを証明することで、幸せになった人は今までに誰ひとりいないのです。
結局、待っているのは対立と対決のみです。
自分が正しいと言い張れば、かならずほかの誰かが間違っていることになってしまうからです。
(中略)
誰もがよくご存知のとおり、『自分が正しい』 という態度をかたくなに変えようとしなければ、神の名のもとに続々と争いが起こってくるでしょう。
(中略)
世の中を愛ではなく判断で見ようとすれば、あなたは愛のない世界に暮らすことになるのです。」
人の数だけものの見方があります。
このことを忘れないようにしましょう。
これに関して、著名な文芸評論家の小林秀雄氏(1902〜1983)は 『読書について』 (中央公論新社) の中でこう述べています。 (21頁〜22頁)
「 書物の数だけ思想があり、思想の数だけ人間が居るという、在るがままの世間の姿だけを信ずれば足りるのだ。
何故人間は、実生活で、論証の確かさだけで人を説得する不可能を承知し乍ら、書物の世界に這入ると、論証こそ凡てだという無邪気な迷信家となるのだろう。
又、実生活では、まるで違った個性の間に知己が出来る事を見乍ら、彼の思想は全然誤っているなどと怒鳴り立てる様になるのだろう。
或は又、人間はほんの気まぐれから殺し合いもするものだと知ってい乍ら、自分とやや類似した観念を宿した頭に出会って、友人を得たなどと思い込むに至るか。
みんな書物から人間が現れるのを待ち切れないからである。
人間が現れるまで待っていたら、その人間は諸君に言うであろう。
君は君自身でい給え、と。
一流の思想家のぎりぎりの思想というものは、それ以外の忠告を絶対にしてはいない。
諸君に何んの不足があると言うのか。」
人の数だけ思想があり、思想の数だけ使命があります。
『人は人 我は我』 です。
人の意見をあからさまに否定するのは控えましょう。
(結論)
『自説に固執せず、他説を受容・許容する寛大な心を持ちましょう。』
『本当の幸せをつかむ 7つの鍵』(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 住友進 サンマーク出版)
https://amzn.to/3q94uKt
『読書について』(著者 小林秀雄 中央公論新社)
https://amzn.to/45LHe5N
【このカテゴリーの最新記事】