『カタルシス』という言葉をご存じでしょうか?
精神分析の用語です。
意味は、『抑圧されて無意識の中にとどまっていた精神的外傷によるしこりを、言語・行為または情動として外部に表出することによって消散させようとする精神療法の技術、浄化法。―広辞苑―』です。
端的に言えば『心の中でつかえている不満・不信などの感情を開放してスッキリする』ということです。
カウンセリングでは、この『カタルシス』を重視します。
コピーライター・コンセプターで、カンヌ広告賞、レッドドット賞、グッドデザイン賞観光庁長官表彰など国内外30以上の賞を受けている梅田悟司さんは、著書 「『言葉にできる』は武器になる。」(日本経済新聞出版社) の中で、内なる言葉を外に出すことの重要性について次のように述べています。(72頁)
「『人に話すことで、悩みが解消された』という経験を持つ人は多いと思う。
これはまさに、頭の中に浮かぶ内なる言葉を外に出すことで、頭の中に考える余地や空間が生まれた状態であると言える。
ここで重要なのは、頭で考えていることを誰かに『話す』ことではなく、頭の外に出し自分と『切り離す』ことである。
内なる言葉を一旦、強制的に外に出すのだ。
すると、思考と記憶が切り分けられるため、考えを進めることに集中できるようになる。
その結果、『ふわふわと考えていたことは、実はこういうことだったのか』と気付くことができるようになるのだ。」
これは 『カタルシス効果』 のメカニズムを見事に表現しています。
内なる言葉を一旦、外に出すことが重要です。
人間には本来自然な成長能力があります。
自ら問題解決できる能力を持っています。
人から相談を受けるときは、問題を解決する力を支えてあげるという姿勢で人の話を聞いてあげてください。
注意点としては
@ 絶対肯定の配慮、則ち受容するということ。
A 共感を示すこと。
B 話してくれたことに感謝すること。
C 寛大な心で接すること。
です。
積極的に傾聴するという事と安易にアドバイスをしないことが大切です。
自分で考え気づくように仕向けてください。
自己成長を促しましょう。
自分が『カタルシス効果』を得たいときは信頼できる家族か親友に話を聞いてもらうのが一番です。
そういう人がいない場合は、とにかく頭の中に浮かんでくる言葉を書き出してみてください。
胸中を吐露するとスッキリして問題解決に繋がります。
斎藤一人さんは著書「地球は『行動の星』だから、動かないと何も始まらないんだよ。」(サンマーク文庫)の中で『効果絶大な問題解決法』について次のように述べています。(59頁〜61頁)
「悩みを相談されたら、まず、そのまわりのいる数人の人に『この人(問題を解決したい人)に、この問題が一生起きない解決策は何ですか?』と聞いて、それぞれに答えてもらいます。
そして最後に、質問した人がこの質問に自分で答えます。
『もしあなたが、これと同じ悩みをだれかから相談されたら、この問題が一生起きない解決策はなんですか?』
って聞くんです。
すると、たくさん出た意見の中でいちばんいい答えが、その人の答えとして出てきます。
いきなり最初から『自分で答えなさい』は無理なんです。
最後にその当人に答えさせるのが、この方法のポイント。
それと当人も“人ごと”だと思って答えないと、いい答えは出てきません。
(中略)
自分に起こった問題は、どうしても主観的になってしまい、さらには感情的にもなって、なかなかベストな解決策が浮かびません。
それが第三者的な視点で問題を考えることができて、さらにはまわりの人からの助言やアイデアも加わり、ベストな答えが導き出せるようになります。」
斎藤一人さんによると、この方法は 『百発百中の問題解決法』だそうです。
あなたもぜひ試してみてください。
(結論)
胸中を吐露するとスッキリして問題解決に繋がります。
『語(カタ)るし、スッキリするカタルシス効果』と覚えておきましょう!
「『言葉にできる』は武器になる」(著者 梅田悟司 日本経済新聞出版社)
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「地球は『行動の星』だから、動かないと何も始まらないんだよ。」(著者 斎藤一人 サンマーク文庫)
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