精神科医の神谷美恵子医学博士(1914-1979)は、著書
『神谷美恵子コレクション 生きがいについて』(みすず書房)
の中で、こう述べています。(11頁)
「生きがいということばの使いかたには、ふた通りある。
この子は私の生きがいです、などという場合のように生きがいの源泉、または対象となるものを指すときと、
生きがいを感じている精神状態を意味するときと、
このふたつである。」
生きがいについて考察する場合、
大切なのは『生きがい感』です。
なぜなら、
対象となるものは、
諸行無常であり不変のものは存在しないからです。
アブラハム・マズローは、
『欲求の階層論』の中で、
「自己実現の欲求」を最上層に位置しています。
マズローは、
「自己実現とは人が潜在的に持っているものを開花させて、
自分がなり得るすべてのものになり切ること」
であるとしています。
生きがいについて、
一番大切なものは感情です。
なぜなら、
人に真の喜びをもたらすものこそ、
その人の生きがいとなり得るからです。
英国の諺にこうあります。
“Emolument is not object to me.” (報酬は私の目的ではない)
報酬を目的とするのではなく、
自身の感情を優先することが大事です。
則ち、
自分が本当に喜びを感じることができるものこそが生きがいです。
ウエルビーイング分野の第一人者で、
世界中の皇室や政財界のトップリーダーたちのメンターを務める “ スピリチュアル界の巨星 ” ディーパック・チョプラ医学博士は、著書
『富と成功をもたらす7つの法則』(訳者 渡邊愛子 角川文庫)
の中で、こう述べています。(121頁)
「あなたには独自の才能と、その才能の独自な表現方法がそなわっています。
あなたは世界中の誰よりも上手にできることがあり、
この世界には一人ひとりの独自の才能と独自な表現方法のために、
独自のニーズが存在しています。
それらのニーズがあなたの才能の創造的な表現と合わさったとき、
豊かさを創造する火花が起こるのです。
ニーズを満たすためにあなたの才能を表現することが、
無限の富と豊かさを創り出します。」
『天は二物を与えず』
という成句がありますが、
裏を返せば、
『必ず一つは与えてある』
ということです。
私たちには、天から独自の才能が与えられています。
それを活かすことが生きがいに繋がります。
マズローは晩年、
「自己実現」
の上層に、さらに
「自己超越」
という段階があると発表しました。
これは、
見返りも求めず没頭して何らかの課題に貢献するという状態を指しています。
他者のために貢献するという三人称の生きがいに通ずるものです。
結局、生きがいとは、
『自身に与えられた特別な才能を活かし、世の為人の為に最善を尽くすこと』
ではないでしょうか。
『神谷美恵子コレクション 生きがいについて』
(著者 神谷美恵子 みすず書房)
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『富と成功をもたらす7つの法則』
(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 渡邊愛子 角川文庫)
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